愛知県に縁のある作家をシリーズで紹介する、「ALA Project(アラプロジェクト)」。 2011年から2013年までの期間、当時長者町にあったアートラボあいちで定期的に行われていた同プロジェクトが、今年開催の「あいちトリエンナーレ2016」に向けて再始動することになった。今回は、新たにオープンしたアートラボあいち大津橋、アートラボあいち長者町の2会場で催され、再開後初となる個展が3月25日より開催。
これまで絵画を中心にした作家を紹介してきた同プロジェクトだが、今回からは平面だけでなく、様々な分野の作家を個展形式で紹介。初回は、西山弘洋、ボン靖二、堀田直輝の個展を3つの展示室で同時開催する。どのスペースもそれぞれ特色のある場所になっており、空間と作品を融合させた、作家たちの個性が光る展示空間が表現される。今後は大津橋会場の2階スペースを使用して、1名ずつ1ヶ月弱の会期サイクルで開催していく予定。次々と多彩なアートを発信する同プロジェクトに、今後も注目していきたい。
また4月3日(日)には、「あいちトリエンナーレ2016」キュレーターの服部浩之をゲストに迎え、同作家3名によるアーティストトークが行われる。
ARA Projectは、愛知県にゆかりのある作家を紹介するプロジェクトです。しかし、その「ゆかり」というのは幅広いもので、愛知の芸術大学出身者であったり、現在は県外にいるが愛知県出身であったり、最近愛知を拠点にし始めたという方もその範疇に含まれます。芸術大学も多く、ギャラリーも多くあり、絵画をはじめとする美術の歴史も厚い愛知だからこそ、ここで活動している作家や、ここで育った作家を見つめることで、日本の美術の「今」も見えてくるのではないかと考えています。
アートラボあいち大津橋には、前のアートラボあいち設立時(2011年)からこれまでの間に寄せられた、地元愛知県で活躍するアーティストのポートフォリオを多数保管・公開しています。愛知の作家に興味のある方は、ぜひアートラボあいち大津橋2階の多目的スペースにて、彼らのポートフォリオを見てみてください。またアートラボあいち大津橋にポートフォリオを置きたい方、すでにあるものを更新したい方は、ぜひスタッフに御声がけください。
<以下、アーティスト紹介>
ALA Project No.101
西山弘洋 (アートラボあいち大津橋 3階)
1987年熊本県生まれ。油彩による平面作品を制作。近年では立体などを用いた空間へのアプローチや、観客参加型の作品なども展開している。名古屋芸術大学大学院同時代表現研究修了。愛知県在住。
「lion」2014
「beige, white」2011
ALA Project No.102
ボン靖二 (アートラボあいち長者町 4階・5階)
1983年大阪府生まれ。写真、立体、グラフィック、映像、日用品など、様々な素材やメディアを用いたインスタレーションを多く制作している。京都教育大学造形表現卒業。創造社デザイン専門学校中退。愛知県在住。
「宇宙 ポップ ひきこもり」2014
「あることないこと(黄)」2015
ALA Project No.103
堀田直輝 (アートラボあいち大津橋 2階)
愛知県生まれ。日々の中で生まれた微かな違和感を元に、立体や写真、映像などを用いて制作している。愛知県立芸術大学大学院彫刻領域修了。愛知県在住。
「Return the vegetables to the wild_野菜を野性に返す」2011
「Board of dots」2012
※今年度中のプロジェクトは100番代のALA Project No.が付与されるが、今後は番台を変えて続けていくとのこと。番台ごとに違った、その時どきの愛知の表現が見えるように考えられているのだそう。