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OFFICE VOIDS、SUPER DUMBのGt.としても活動中のフォトグラファー・加藤史人が綴る、多感なるモノコラム「物々好感」連載開始!
Vol.01|世界の使い捨てライター

Text & Photo:Fumito Kato

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その国の人々が何かしらのモノに対して持っている基本色。

これを一つのモノから定点観測するのが楽しい。
台湾の一般的な帚がピンクと黄緑だったり、
温暖な国の建物の外壁が浅葱色、ミントグリーンだったり。
食べ物や街の色彩だけでなく、普段何気なく使うモノにまで、
その国の風土は何かしらの影響を人々に与えている。

 

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100円ライターを買うときって、何の基準で選んでます?

色?形?最近は様々な機能が付いたものもありますね。
色で選んでる方、最近なんだか触手が伸びなくなってないですか? チャイルドロックが義務づけられて以降、
日本で普通に売られてるライターがなんだか楽しくない。あの微妙な色合いの半透明Bicもなくなってしまった。

ならば海外はどうか?

行った先々の国で探してみると、これがなかなかおもしろい。
その国の人々が持つ”基本色”がそのままライターにも反映されている。
温暖な東南アジアの国のライターはビビッドな蛍光色が多かったり、
ヨーロッパの国々は、古い建物や石畳を彷彿とさせる渋いグレーだったり、昔のルノーの様な青緑だったり。
その国の風土が人々に及ぼしてる色彩感覚。これをライターの様な普段使いのモノなどで定点観測してみると…。

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成田空港の喫煙所で一服していた時だった。
向かいに座ったジャーナリスト、または昆虫採集家な風体のおじさん。
彼がおもむろにポケットから取り出したライター。
この色合わせ。
初めて見る。
どこの国のものだろう?
彼が喫煙所から出て行くところを見計らい、自分のライターとの交換を申し出る。
交換を快諾してくれたそのおじさんはベトナム帰り。ライターはハノイで買ったそうだ。
H-VIETというベトナム企業のライター。ホーチミンではこのタイプは見なかったなあ。
この頃から、私の使い捨てライター熱は加速してゆく。

th_DSC_7074グアムのライターのラインナップ。ビビッドなカラー多め&栓抜きライターも流通している。

昔は普通に売られてるBicCLIPPERのライターで充分だったのだ。
半透明、中間色中心のバリエーション。
微妙に色合いが違うものもあって、選ぶのが楽しかった。
チャイルドロックが義務付られて以降、バリエーションは減り、
いつも選んでいたお気に入りの色も店頭から消えた。
時を同じくして行ったソウルは、まだチャイルドロック導入前。
おお、あの色のBicがあるじゃないか。。しかも見たことない色も!
バンドメンバーへの土産も兼ねてしこたま買い込む。
わざわざ、プラケースまで用意して厳重に密閉し、スーツケースの奥底に潜ませたが。。
出発30分前、空港内のアナウンスが私の名を呼ぶ。
「ライターが12本入ってましたが」
はぁ、やっぱりダメかぁ。(当たり前)

 

DSC_2904-1024x681_R香港のラインナップ。日本では地味なTOKAIも、香港では微妙な色展開で異彩を放ってます。

th_DSC_9135ドイツで唯一発見したCLIPPER SOFT。半透明のやわらか素材と中間色が素敵。


そう、海外のライターはカラーリングが楽しい。

色とりどりのライターたちがケースに鎮座しているのを見るだけでもワクワクする。
なぜなら、その国の人々が持つ”基本色”がそのままライターにも反映されてからだ。
温暖な東南アジアや島国のライターは、南国の草花を彷彿とさせるビビッドな蛍光色や
現地によくあるミントグリーンの壁のような色をよく見かける。
ヨーロッパの国々は、古い建物や石畳を彷彿とさせる渋いグレーや、昔のルノーの様な青緑も定番カラー。
その国の風土が人々に及ぼしてる色彩感覚は、日本人だったら思いつかない様な色の妙を感じることができる。

 

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メーカー別にしていくと、スウェーデンマッチ社のCricket
日本でもわずかに展開しているメーカーだが、香港で売られていたラインナップは、
デザインもカラーも秀逸の一言。
これは現地のセブンイレブン等のコンビニで普通に売っています。
中国大陸はライターの展開を見る上でも、是非各地に足を運んでみたい。

マレーシアで見つけたYeepiのJOM!というモデルは、唯一の”標準”ラスタカラー。
ステッカーとかでデコってあるわけではなく、ノーマル・モデルとしてのこの色合わせは素晴らしい。

フランスでも展開しているイタリアのメーカーCiaoは、
その製品の多くがガス再充填可能。これは嬉しい。カラーも中間色のオンパレード。

ちなみに上の写真の右下のグレー2種類のモデル名は、それぞれ”ROCK”と”STONE”(やはり石畳?)
他の3種は”MOD”。着火部下のアールとともに名前までが心を掴んでくる。

このCiaoとドイツのTom、グアムでみつけたARROWは、底が栓抜きになっているモデルがあり、
次回、バンドの名入りライターはこれでつくろうと画策中(ebayで名入り業者を発見)。

メタリックやパールカラーなど、日本に迎合しているとしか思えないバリエーションを展開中のCLIPPER
ヨーロッパで売られているのは、昔ながらの半透明タイプ。
マットな中間色モデルもあって、これも探し甲斐があります。

他にも、SIKASIKAカズトモくんからもらったポルトガルRICCOや、イタリアでみつけたPROFなど、
各国の中小メーカーのモデルは、ちょっとチープで、かわいいものが沢山。
これらは、タバコ屋さん若しくは駅周辺の出店での販売が中心。
見つけ次第、買うが鉄則。一期一会率、けっこう高めです。

 

th_DSC_9139ベルリンのタバコ屋さん。

ポケットにしまったまま忘れていたり、友だちに貸したまま持っていかれたり。
そして、ガスがなくなれば、いつの間にかどこかにいってしまう。
使い捨てライターの存在は儚い。

けど、その中には秀逸なフォルムや色合わせだったり、
好きなバンドやお店の名入りだったり、いつまでも心に残るものがある。
その存在は、なんだか雑誌と似ている気がする。
限られた時間の中で読み手の琴線を目指す写真と文章。
流れの中で何かを誰かの心に置いていくもの。
日々の何気ない一品や1ページこそが喜びであり、愛おしい。
煙草を吸わない人でも、アロマキャンドルやアラジンのストーブに灯を点す道具として。
旅先で見つけたお気に入りの一品は、使い終わっても、きっと心に残るものになるはず。

 

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あ、そういえば、たくさん持ち帰りたい場合、帰りの手荷物検査で没収されないかって?
大丈夫。ヨーロッパ諸国やアメリカ圏、東南アジアは、何本でも手荷物検査をスルーできました。
前述の通り、預け入れはダメなので、必ず手荷物のバックパックなどの中で。
ただ、韓国、台湾に限っては必ず「1本まで」と厳しいです。
どうしても持って帰りたかったら、ポケットに何本か潜ませれば、きっと通過できる(かもしれない)。

 


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加藤史人(かとうふみと)
愛知県生まれ、東京在住のフォトグラファー。雑誌、広告などでの撮影をこなす傍ら、ハードコアパンクバンド・OFFICE VOIDSレゲエダブバンド・SUPER DUMBのギタリストとしても活躍中。

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