Youtube
instagram
twitter
facebook
糸りとり 第18回|前田 ひさえ

_shi_ri_to_ri_ by なるじあき

LOGO_naru1

 

しりとりと読みます。日頃、糸を使ったり使わなかったりするアーティストの方々に、「糸」を使った作品を制作してもらい、作品タイトルを「しりとり」でリレーしていくという、ゆるカッコEコーナーです。

 

_______

 

第18回目のゲスト作家は、前田ひさえさん。 ムードのある絵を描く前田さんに片思い中のある日、共通の友人であるアキツユコさんから、前田さんアニメーションの音楽を担当したと言って動画を見せて貰いました。見た瞬間「わわっ、好きな感じ~!!」と興奮してしまい、思わず告白メールしてしまいました。

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 


「み」➡『ミンティ』

 

 

 

 

siritori_maeda_!

「ミンティ」という言葉が降りてきた

今、お腹に生き物がいて、世界がフレッシュに見えてるんです

 

 

 

 

 

siritori_maeda_2

色の重なり、水彩との親和性

オーガンジー素材の透けて重なるとか、水水しいとか。

 

 

 

siritori_maeda_3set

 

幾何学への偏愛

服の形、顔の丸、幾何学な形から、にょきにょき首や手足が生えてくる

 

 

 

 

 

siritori_maeda_5

裏の顔

偶然の形、絵とは違う面白さ

 

 

 

 

 

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー 

前田 ひさえさんインタビュー

 

なるじ:
タイトルを「ミンティ」にしたのはどうしてですか? 爽やかな響きですね。

前田:
前回の一平さんのが強烈で笑。「耳」とか「実」とか、また「み」で終わりにしちゃおうか、なんて考えたりもして。日本語でつけたいとはいつも思うのだけど、生々しく感じたり、限定してしまう気がして恥ずかしくなって、フィルターかかったような、外国の言葉を選んでしまいます。

なるじ:
「水揚げされた切り身」は衝撃でしたね〜笑、前田さんに伝えた直後、思わず一平ちゃんにメールしたって言ってましたもんね。タイトルが「降りてきた」と言ってましたが、イメージもその時見えたりとか?

前田:
最初に、ミント色のオーガンジーの三角形を並べたら、「ミンティ」という言葉が降りてきて。今、お腹に生き物がいて、世界がフレッシュに見えていて、自分が自分じゃないみたいだし、箱(自分?)の中で、 風が吹いているみたいなイメージ。

なるじ:
今回の作品は、前田さんの絵から受ける明度や温度よりも、明るく爽やかな印象だと感じたのは、今現在 のそういう心境の変化にあるのかも知れないですね。 透ける素材の重なりの濃淡や、刺繍のステッチに、前田さんタッチが反映されていて、面白いと思ったんですが、その辺りは意図的ですか?

前田:
そんなには考えてなくて、感覚的かな? でも、普段好んで使う画材が水彩で、その理由に、色が重なるからというのがあって。以前オーガンジーを素材として使った時に、水彩との親和性を感じました。「透けて重なる」とか「水水しい」とか。

なるじ:
前田さんの絵を見ていると、最初に幾何学的な構図が目に飛び込んできて、それがとても好みだったりするのですが、絵を描く上で形の意識はあったりしますか?

前田:
人間を描く時も、服の形や、顔の丸。幾何学っぽい形に、ニョキニョキ首や手足が生えてくるように描く事が多いですね。気持ちの土台にそういう形への偏愛があるのかも。

なるじ:
あーわかります。私も道行く人のファッションも建物も、形の配置に見えてくる。 それから前田さんは、影の濃淡も特徴的ですね。

前田:
影なしの抜けの良い絵に憧れるけど、できない。自分が影のない人になったら、スコンとした絵が描けるかな? 笑。ミステリアスなのが好きなのかも。

なるじ:
ミステリアス… 幾何学な構図、影が合わさって淡々とした静けさと、ひんやりしたムードを放ってますね。 

影響されたアーティスト、本、言葉、出来事などありますか?

前田:
色んなものが絡み合って選べないけど、去年チューリッヒでムンクをまとめて観た時は、涙が止まらなくなった、美術館で一人、嗚咽したりして。笑

なるじ:
ずっと奥にしまってたものを、引き上げられてしまったのかもですね。 小さい頃はどんな子供でしたか? どんな遊びが好きだったとか、その頃から変わらず好きでいる事とか。

前田:
転校生だったので、同じ土地で積み重なる記憶というのがなくて、断片的な記憶しかないですが、一人で木登りして空想とか、一人でプールで空想とか、読書とか。逃避とセットの遊びが好きだったのかも。 それで今も逃避癖が。。笑

なるじ:
ここに居て、そしてどこにも居ない陽炎のようなイメージは、そんな背景にあるのかも知れないですね。 今回、糸作品を作ってみてどうでしたか?ワークショップなどでは、糸や布を使ってますよね。

前田:
糸や布は、絵以上にコントロール不能になる所が面白いですね。

なるじ:
昨年の開催された2つの個展「Lakeside Tale-湖畔のはなし」と「Drifters-流氷にのって漂う漂流者(ドリフターズ)」で、アキツユコさんの音楽とのコラボアニメーションも、違う表現を一つの作品に落とし込 むという意味では、コントロール不能の面白さですね。

前田:
アキさんの音楽とは心象風景みたいなところを共有できる感じがあって、本当に面白かったです。いつかDVDを一緒に作りたいね、なんて話をしてます。

なるじ:
アキちゃんにとっても、前田さんは良い出会いだったようで、嬉しそうに話してくれました。ほんの少し観ただけですが、二人が同じ風景を共有し合えてるのが伝わってきて、こちらまで嬉しくなりました。 DVD完成したら、名古屋でも上映会やりたいですね。名古屋に来られた事ってありますか?

前田:
トリエンナーレや、愛知県美術館に何度か行ったり、「であ、しゅとぅるむ」展というグループ展に参加したことがあります。次回は、いつも時間切れで行けないON READINGさんに行ってみたいです。

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー


次回は「い」 
井本 幸太郎さん(atelier MICHIKUSA)へ、バトンタ~ッチ!!!
!!!

////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

 

これまでの糸りとり

第1回「あ」➡『赤い輪っか』成地 亜紀(2013.11.05 UP)
第2回「か」➡『風立ちぬ』遠山 敦(2013.12.01 UP)
第3回「ぬ」➡『ヌクアロファ』TMTM/Tomoe Miyazaki(2013.12.28 UP)

第4回「あ」➡『あたらしい家』松尾ミユキ(2014.2.2 UP)
第5回「え」➡『えびでたいをつる』田口美早紀(2014.3.4 UP)
第6回「る」➡『ルウェンゾリの山男』wassa(2014.4.7 UP)
第7回「こ」➡『コイル』都筑晶絵(2014.4.29 UP)
第8回「る」➡『留守の部屋』Nobue Miyazaki(2014.6.5 UP)
第9回「や」➡『やみよやまねこやすみの国』鈴木 いづみ(2014.7.5 UP)
第10回「に」➡『二期作』塩川 いづみ(2014.8.3 UP)
第11回「く」➡『鯨のランプ』nakaban(2014.9.6 UP)
第12回「ぷ」➡『プレイバック』山口 洋佑(2014.10.3 UP)
第13回「く」➡『空中分解』狩野 岳朗(2014.11.4 UP)
第14回「い」➡『意図的な神の意思』村橋 貴博(2014.12.4 UP)
第15回「し」➡『short short show』fancomi(2015.2.3 UP)
第16回「う」➡『』藤田 道子(2015.3.12 UP)
第17回「み」➡『切り身』松井一平(2015.4.18 UP)

 

PROFILE

profile2013_mono

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Photo by qp

前田ひさえ / イラストレーター

書店勤務を経てイラストレーターへ。書籍装画・雑誌挿絵・パッケージイラスト等の仕事のほか、個展等での作品 発表も行っている。「kvina」や「meme」のメンバーとしても活動中。
HP: hisaemaeda.com

maedahisae_work_liverary

 

 

 

 

 

 

 

 

お知らせ;
前田ひさえ描きおろしの絵をプリンティーロユカが手刷りしたオリジナルタイツ。 ニーディギャラリー運営「タイツファクトリー」のWEBshopです。
http://tightsfacty.theshop.jp

チャリティ展CAT POWER 2015に参加します 日時:2015年7月28日(火)~8月8日(土)12:00 – 20:00(最終日17時まで)
会場:ギャラリー・ルモンド(原宿)
http://www.galerielemonde.com/

 

企画/ディレクション:成地 亜紀
題字:遠山 敦

RELATED
あなたにオススメする関連記事


PICK UP
特集・ピックアップ記事

LATEST
特集・ニュースの最新記事

RANKING
今読まれている記事

COLUMN
最新の連載コラム記事