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WHAT ABOUT YOU? #18 / 東口和貴子

Interview by YOSHITAKA KURODA(ON READING)

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東山公園のbookshop&gallery ON READINGでは、定期的に様々なアーティスト、クリエイターが展示を開催しています。 このコーナーでは、そんな彼らをインタビュー。

今回は、カートゥーンと呼ばれる一コマ漫画の手法で、イラストレーションの作品を発表している東口和貴子さんにお話を伺いました。


—絵を描くことを意識したのはいつ頃でしょうか?

小さい頃から絵を描くことは好きで、小中学校では率先して配布物や修学旅行のしおりのイラストを描いたりしていました。そこで先生や同級生に褒めてもらったのが嬉しかったのを覚えていますね。あと、歴史の資料集に描かれていた、説明のカットがすごく好きでした。

—今の作風になったのは、どういった経緯なのでしょうか?

私はもともと絵本作家になりたかったので、カートゥーン(一コマ漫画)を勉強すると力がつく、とアドヴァイスを受けて京都精華大学マンガ学部のカートゥーン学科に入りました。学校の授業の中で、久里洋二さんの作品と出会って大きな影響を受けました。久里さんの作品は、ユーモラスで、ナンセンスで、ちょっとエッチ。その時に見た作品は、裸の女性が寝ていて、鳥が飛んできて、下の毛に卵を産んで、その卵で目玉焼きを焼くっていうような(笑)ただそれだけのマンガで。紙やペンも、これじゃないとっていう感じはしなくて、「なんて自由なんだ!」と衝撃でした。卒業後ですが、当時開かれていた久里洋二さんが自ら教えてくれるアニメーション塾にも通って、そこでもいろんな刺激も受けました。他にもサンペとかスタインバーグなどの作家を知って、カートゥーンの面白さにどっぷりはまりました。その面白さを自分のものにしていろんな人に見てもらいたいと思って、社会人になっても個展は定期的に開催し活動を続けています。

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—じゃあ全くぶれずに、ここまで来ているんですね!カートゥーン学科というものが存在している割に、現在日本で、カートゥーンを主な表現として活動している人ってあんまりいないような気がします…

そうですね、当時はイラストレーション学科がなかったので、イラストレーターになりたい子や私のように絵本作家になりたい子などいろんな子がいました。でも、今でも同じスタイルで続けてやっているっていう人は…そんなにいないかも。私は頑固なんでしょうね。(笑)

—カートゥーンというと、風刺を含んでいるものも多くて、社会情勢や政治と密接にかかわっている表現だと思いますが、東口さんの作品では、そういう強い表現はあまりないですね。

昔は、ナイフをモチーフにしたりブラックな作品が多かったんですけど、震災のあとちょっと怖くなって、変わってきたように感じます。それまでは、あまり考えずに自然に描いてたのですが、そこに意思がないとウソになっちゃうなと思うようになって。今は、できれば、ナイフを描かずにシニカルでブラックなユーモアを描けたらと思っています。

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—むしろ、おっぱいとかお尻が多いですよね。

単純に、好きなんです。モチーフにしやすくて、わかりやすくて、子どもから大人まで年齢も性別も問わずにみんなちょっと笑える。不思議ですよね。自分の身体の一部のことなのに、笑えるって。いいですよね。

—子どもが好きなものがそのまま大人になっているみたいな、子どものままじゃなくて、そのまま持って大人になっているっていう感じがします。絵以外に、今の自分に影響を与えたものや、10代のころ夢中だったものってありますか?

いや~私、いたって普通で、恋愛話とか好きでしたよ(笑)とにかく友達は多いほうで、友達にくだらないいたずらしたりとか、だらだら話したりとか。あ、関西なので、新喜劇が好きでした。 私、特にひとつのものに熱中したり、夢中になったりっていうことがほかになかったんですよね。若手のお笑い芸人とかジャニーズとかひととおり通ってはいるんですが。ただ、今もずっとそうなんですけど、世の中的に流行しているものについては、どんなもんかな~と調べます。三代目J Soul Brothersとか、なんでみんなそんなに好きなんやろう、と思ってライブの映像見たりとか。なるほどな~こんな男っぽい人、周りにおれへんな~とか、こういうとこにみんな魅力を感じてるんやろうなとか。観察はけっこうしてます。そこの興味は忘れたくないなと思って。流行りものには意味がある、と思っているので。

—世俗を観察する視線は、作品にもつながっていますよね。日常のシーンからほんの少し逸脱しているような作品が多いですが、こういうネタはどんな時に思いつくんですか?

普段仕事をしていると全然思いつかないんです。起き抜けのぼや~っとした頭のときに浮かんだり、疲れすぎてぼーっとしている電車の中で考えているような気がします。こうやったらおもしろいな~とか。これって○○ぽいな~とか、常に考えてます。似ているものから連想したり、ニュースとかテレビとか、友人とのたわいない世間話から、モチーフが生まれることが多いです。

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—今回、初の作品集を出版されての展示なのですが、印刷物向きの作風ですし、初作品集というのは意外でした。

出版社のBOOKLOREの中島さんとは以前から面識があって、「本作ったらいいのに」とよく言ってくださったんです。でも自分だけではなかなかやれなくて。一緒に作品集をつくろう、という話になったのは三年前です。そこから、描きためた作品を、どさっと中島さんにお渡しして作品の選定から並びからほぼお任せでやっていただきました。私の作品は、展示でもそうなんですけど、量が大事だと思っているので、300枚を目標に描きました。中島さんのおかげでいい作品集になって、今まで展示を観られなかった遠方の方が見てくださったり、こうやって名古屋と徳島で展示が出来たり、どんどんつながっていくな~と感じています。

—本ができたことで、また新しい展開も起きそうですね!今後やってみたいことはありますか?

今回の展示で、初めて大きいサイズの作品を描いたんです。リオ五輪ずっと見てて。感動して泣きながら描きました。今までひとつずつ描いていたひとコマや4コマがゆるやかにつながっていくのは自分でもとても面白かったので、今後も続けて描いていきたいです。あとちょっと苦手としていた社会情勢や政治の風刺作品も描いてみたいと思っています。

イベント情報

2016年8月31日(水) 〜 9月12日(月)
東口和貴子 初出版記念個展『DONKOH』in NAGOYA
会場:ON READING  名古屋市千種区東山通5-19 カメダビル2A
営業時間:12:00~20:00
定休日:火曜日
問:052-789-0855
http://onreading.jp/

東口和貴子 Higashiguchi Wakiko
1983 大阪生まれ
2006 京都精華大学 卒業
2016 「DONKOH」東口和貴子 イラスト集 出版
http://hi-waco.pupu.jp/

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