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WHAT ABOUT YOU? #21 / 箕輪麻紀子

Interview by YOSHITAKA KURODA(ON READING)

 

東山公園のbookshop&gallery ON READINGでは、定期的に様々なアーティスト、クリエイターが展示を開催しています。

このコーナーでは、そんな彼らをインタビュー。 今回は、書籍や雑誌、ファッションなどの分野で活動中のイラストレーター、 箕輪麻紀子さんにお話を伺いました。


 

 

―箕輪さんの絵からは、映画や音楽からの影響を感じます。そういったカルチャーとはどうやって出会ったんですか?

音楽は、中高一貫校の女子高の頃に、友達と一緒に、当時新宿にあったリキッドルームにミッシェル・ガン・エレファントとかthe pillowsとかスピッツ、スーパーカー、とかを見に行ったりしていました。クラスの子はジャニーズに夢中だったんですけど、馴染めなくて。進学校だったので、それが勉強以外の唯一の楽しみでした。大学に入ってからは、クラブカルチャーにはまって、プログレッシブ・ハウス、テック・ハウスのDJをやってました。John Digweed 、Thomas Fehlmann、LUCIANOとか硬派な感じの音が好きで。30歳くらいまでは月1位でクラブやカフェでDJをしていました。

―渋いですね~!あ~、でも何となく合点がいきます。箕輪さんの絵って、ちょっとアンニュイというか、哀愁も見え隠れしますもんね。大学は武蔵野美術大学ですよね。どうして美大に行こうと思ったんですか?

映画が好きだったので映像科に行きたかったんです。でも落ちてしまって、芸術文化学科という学芸員とかキュレーターを育成する学科に入りました。大学3年になるとゼミ毎に分かれて研究テーマをそれぞれ掘り下げていくことができて、視覚伝達デザインから来た先生のゼミでデザインを勉強しました。いい先生に出会えたことはとても大きかったと思います。卒業制作は、文字のない木製の長い絵本をつくって賞もいただきました。真面目に勉強していたと思います(笑)

―じゃあ当時から絵を描いていたんですね。

そうですね、絵はずっと描いていました。イラストレーションとしてというよりはもうすこし概念的というか…デザインとしての絵を描いていました。

 

 

―なるほど、作品としてというよりは、研究テーマやメソッドに沿った、必要な要素としての絵ということですね。こうやっていろんな方にお話を訊いていると、ちょっと遠回りに思えることを、ある時期みっちりと叩き込まれるというのはひとつの大事な要素になっている気がします。卒業後はどうやってイラストレーションの仕事を始めたんですか?

卒業してからは映像制作の会社でPM(プロダクションマネージャー)という仕事をしていたんですが、一年で心と体がボロボロになってしまって、次に新聞系の広告代理店でデザインの仕事をしていました。その時に先輩から「このまま普通のOLになっちゃっていいの?」と言われて、イラっとしたんですけど、でも図星だから腹がたつんだろうな~と思って、もっと自分が本当にやりたかったことを考えたいなと思ったんです。それで、憧れていた広告のお仕事をしていた方がイラストレーション青山塾で教えているということを知って、仕事をしながら、そこに3年程通いました。

―イラストレーターになりたい、と思ったんですか?

その時は、絵を描く感覚を取り戻したいな、という感じでした。カルチャーセンター的なクラスなのかな、と思って入ったのですが、結構本気の学校で(笑)通い始めて3年目のときに鈴木成一さんにファイルを見てもらって、2012年に青山七恵さんの『魔法使いクラブ』(幻冬舎文庫)の装丁に使っていただいたのが最初で、徐々にイラストのお仕事をいただけるようになりました。

―素敵だなって思うイラストレーターって、たいてい鈴木成一さんとお仕事してるんですよね~。本当に素晴らしいデザイナーさんだと思います。。。 当時はコンペとかも出してたんですか?

結構がんばってコンペに出してた時期もありましたね。でもなかなかひっかからなくて。2011年にルミネでアッシュ・ぺー・フランス企画のZINEのイベントに誘ってもらって、そこでZINEがたくさん売れたんです。自分でZINEを作って販売するのってコンペで賞をとることをめざす、ということとはまた全然違って、どんな人が手にとってくれるのかが目に見えるし、とても楽しくて。2013年にcommuneで初めて個展をしてZINE「Silver Screen」を作ってもらいました。そこからは、有り難いことに毎年個展を開催することができています。

 

 

―今回の展示のお話を聞かせてください。箕輪さんといえば“女の子の絵”というイメージだったので、「今度は風景だけで作ります。」と聞いたときにはとても驚きました。ON READINGから見える景色が作品になってきた時にはもっと驚きました!私たちは毎日見ている風景なのですが、こんな風に作品になるととてもうれしくて、特別に感じます。

初めてON READINGに遊びに来た時に写真を撮って描きました。今回の「Float」のきっかけは、前の個展「Cyan」では、人物が中心だったのですが二点だけ風景の作品があって。sunny boy booksの高橋さんが、それを気に入って下さり、風景を描いた作品で展示をやりませんか、と誘ってくださったんです。作品集はDOOKSから出しているんですが、“ひとりの主人公が、どことない場所を移動している”というコンセプトで編集してもらいました。

 

 

―人物が描かれないことで、不思議と逆に存在を強く感じます。私たちが見ているのは、主人公の目にうつった景色なのかもしれない、と。箕輪さんの作品は、とても映像的だなと思います。物語性があるというか、前後を感じさせるというか。なので、今回のような風景の作品は、ばっちりはまってる!と思いました。

実は私自身、ずっと人物を描いていたので、人物を描かなかったら自分らしさが失われるんじゃないかな、と不安で、悩みながら描いてたんですけど、気づいたら風景を描くのが楽しくなっていました。あとは、青山塾の頃から、わざと個性を出そうとしなくても、対象をそのまま描こうとすることで、おのずと自分の線になってくるから、と言われたことがあって。わざと個性を出そうとしなくても個性は出る、ということを学びました。今回の作品も、人物がいなくても箕輪さんの絵だな、と思っていただけたならとても嬉しいですね。

―その人が持っているバックグラウンドって、どうしたって出てきちゃうもんですよね。特に十代の多感なときに、何に夢中になっていたかって、後々すごく大きなものになっている気がします。箕輪さんがこれまでに特に影響を受けてきたものって何ですか?

やっぱり音楽や映画からは影響を受けていると思います。高校生の頃「ベルベット・ゴールドマイン」が大好きで、何度も繰り返し観ていました。昨年、観た映画で「キャロル」がとてもよかったんですが、あとで同じ監督(トッド・ヘインズ)だと気づいて、「好きなものは変わらないんだな」と改めて思いました。あとは、女の人が佇んでいるシーンとかをよく描きたくなるのですが、映画もそうですけど、雑誌がとても好きだったので、雑誌のファッション・フォトなどにも影響を受けているのかな、と思います。

―今後やってみたいことなど教えてください。

とにかくたくさん仕事をしていきたいですね。雑誌や書籍など紙媒体のお仕事ができると本当にうれしいです。作品制作としては、年に1冊を目標に作品集を出したり、個展を開催したりして、いいペースで長く続けていけたらと思っています。

 

イベント情報

2017年3月8日(水)~3月27日(月)
箕輪麻紀子 個展 『Float』
会場:ON READING  名古屋市千種区東山通5-19 カメダビル2A
営業時間:12:00~20:00
定休日:火曜日
問:052-789-0855
http://onreading.jp/

作家在廊日:3月8日(水)、3月18日(土)

SPECIAL EVENT: 箕輪麻紀子 ”someone/somewhere”
日時:2017年3月18日(土) 13:00~18:00
料金:1000円+税(お一人様)
※予約優先・申込:http://onreading.jp/exhibition/makiko_minowa_float/
※所要時間15分程度
コースターに、あなたの似顔絵orあなたの思い出の風景や場所などの絵を描きます。 写真をお持ちいただいてもOKです。

箕輪 麻紀子 / makiko minowa
イラストレーター
東京都出身、在住
武蔵野美術大学造形学部卒業
イラストレーション青山塾修了
2011年よりhpgrp GALLERY(アッシュ・ぺー・フランス株式会社)キュレーション、LUMINE meets ART MeganeZineShop、TokyoArtBookFairなどイベント、グループ展に多数出展。広告、書籍、雑誌、ファッションなどの分野で活動中。
http://makikominowa.com

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