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WHAT ABOUT YOU? #31 / 川瀬知代 & 間芝勇輔

Interview by YOSHITAKA KURODA(ON READING)

 

東山公園のbookshop&gallery ON READINGでは、定期的に様々なアーティスト、クリエイターが展示を開催しています。

このコーナーでは、そんな彼らをインタビュー。 今回は、イラストレーターでありフード活動「粒粒」などでも知られる川瀬知代さんと、イラストレーション、映像、シルクスクリーンプリントなど、多彩な活動を行っている間芝勇輔さんにお話を伺いました。


 

 

―私たちは、ON READINGに移転する前のYEBISU ART LABO FOR BOOKSで大阪のiTohenさんの出版レーベルSKKYから出されていたお二人の作品集やレターセットを取り扱っていました。お二人とも最初は大阪で活動されていましたよね。 

間芝勇輔(以下、間): 僕は、大阪の専門学校でイラストレーションの勉強をしました。その時の担任が、今iTohenをやっている鰺坂さんだったんです。鰺坂さんは全然“描き方”を教える授業をやらなくて、実験的な映像作品を見たりとか、技術ではなく考え方とか表現についての授業ばかりでした。それが面白くて、単なるイラストレーションというよりも、いわゆる作品を描きだすようになりました。鰺坂さんは2003年にiTohenをやり始めて、僕もちょっと手伝ったり、展示をするようになりました。

 川瀬知代(以下、川): 私は大阪芸術大学のデザイン学科で、デザインとイラストレーションを学びました。私はその頃、ミュージックビデオを作る仕事をしたいなと思っていたので、コンピューター寄りのコースを選択していました。でもそのコースにはアニメとかゲームをやりたい人ばっかりだったので、なじめなかったですね(笑)もちろんそれ以外にも、版画とか、絵本作ったり、いろいろやれたのはよかったです。卒業後は1年間はそのまま大学に研究生として在籍して、その後は副手という助手のバイトをやりながら制作をしていました。

 

 

―お二人はどうやって出会ったんですか? 

間:iTohenでの2回目の展示の時に川瀬が見に来てくれて、知り合いました。 

川:1回目の展示の時に間芝さんが『はないが』という本を作っていたのをどっかで見て。私もそのころ、ドローイング作品を集めた本を作ろうと思っていたので、すでに同じようなことをしている人がいる!と思って気になっていたんです。

間:「私こういうの作ってるんです」と、『知らぬが仏』っていう本を見せてくれて。「似てると思うんです」って言われて。 

川:「いや、全然似てないし」って言われました。(笑)

 

―絵で身をたてよう、っていうのは二人とも思っていたんですか? 

間:僕はただ絵を描くのが好きで。建築、デザイン、漫画、イラストとコースがあって、漫画も好きだったから、漫画コースに行こうか迷ってたんですけど、姉と一緒に見学に行ったとき、ここにしたらと言われて。ほんとになんにも考えてなかったんです。そもそも僕、美大っていうものがあるって知らなくて。大学行っとけばよかったわ~(笑)

 川:そんな人います?(笑)

 

 

―大阪ではどんな活動をされてたんですか?iTohenさんのイメージがやっぱり強いですが。

間:大阪では、展示をするのは、iTohenが多かったですね。あとPANTALOONとか。それ以上あんまり広げようというのもなくて、僕があまりにもiTohenでしか展示をしないので、鰺坂さんに「iTohenでは、もうせえへん」って言われて。「どうしようかな~」と思ってました。 

川:大阪では、作家やものづくりしている人とか、iTohen経由でいっぱいつなげてくださって、よくもわるくもみんな知り合いみたいになっちゃって。あと、大阪に限らず、地方で活動している人たちはみんな多かれ少なかれ、東京へのあこがれとかコンプレックスみたいなものがあると思うんですけど、それを抱えたまま、30代を迎えてしまって、どうする?って。それぐらいないと、動けない性質なんですよ。二人とも。

 

 

―大阪から東京に移住されたのはいつでしたっけ? 

間:2010年の秋です。とにかく一回行ってみよう、と3年という期限をつけていくことにしたんです。 

川:そうだったっけ? 

間:川瀬は、いずれは三重に戻らないといけないっていう想いもあって。3年は頑張ろうって。そしたら、「東京めちゃめちゃ楽しい」って言いだして(笑)。それで結局今も東京で活動しています。

 

―その頃、絵の仕事は結構あったんですか?

間:大阪では、たまにあるぐらいで、それでは全然やっていけなかったです。東京に行くときも、全然仕事もないし、友達もちょこっとしかいなくて、なんにもないまま行って。 

川:二人とも無職だったので、家も借りれないくらいでした。私は、友達がバイトしているところで一緒に働かせてもらって仕事見つけたんですけど、間芝さんはどうお願いしても働いてくれなくて(苦笑)。 

間芝:東京ではバイトしないって決めてたんです。言葉も違うし、若干、怖かった部分もあって(笑)

 

 

―絵以外にも、川瀬さんはおにぎり中心のフード活動「粒粒」、間芝さんはシルクスクリーン工房「OYA PRESS」、お二人とも所属されている金箔・銀箔のワークショップユニット「金箔寺」と、いろんな活動をされています。それぞれの活動についてお伺いしてもよいですか?

川:「粒粒」は、最初は美術家の益永梢子ちゃんと、なんか面白いことしよう、と話していて。二人とも料理は好きで、食とアートで何かできたら、と考えて、おにぎりっていろいろできるしいいんじゃないだろうかって。そのころ、ケータリングっていうのも今ほど一般的じゃなかったので、展覧会のオープニングを中心に活動できたらなと思ってました。タンブラーにおにぎりの写真をあげたりしていたら、当時、thorn tree galleryにいた内田有佳さん(編集者、baci books主宰)が、大森純(fancomi)くんの展示のオープニングでケータリングしてほしい、と呼んでくれて。そこから、活動や、交友関係が広がっていきました。梢子ちゃんは仕事や美術活動との両立が難しくなって卒業することになって、2013年からは私が一人でやっています。間芝さんにも裏で手伝ってもらって。 

間:「OYA PRESS」は2012年からやっているんですが、僕は大阪時代にシルクスクリーン工房で仕事をしていたので、その時に技術を身につけました。結構いかついとこで、徹夜も多かったし、大変でしたけど。前から自分でグッズ作ったりしてたんですけど、自分のだけじゃなくて、他の人の作品づくりの手伝いもできたらなと、「OYA PRESS」を立ち上げました。「金箔寺」は、伊藤ガビンさんがイベント用にTシャツを作りたい、ということになって、その時、ガビンさんと一緒にやっていたのがもう一人のメンバーのたなかともみさんで。箔でやってみたら「めっちゃいいやん」となって、そこからワークショップを中心に僕らとたなかさんと3人で活動しています。

 


―きっと思いついてからやるまでが早いんですね。

間:そうですね、面白いかもって思ったら、どうにかできないかなって方法を探しますね。

 

―今回の展示では、京都のバンド、unizzz…のMVも流していますが、このアニメーションは全部ひとりで作ったんですよね。アニメーションも独学なんですか?

間:そうですね。自分のホームページや過去の展示でも、動画は作ったことあったんですが、今回のようなアニメーションは、初めてです。全部で1000枚くらい書きました。アニメーションは、やりたいとずっと思ってたけど、やってみたらむっちゃ大変で、今後は、作業面でもアイデア面でも、ひとりじゃなくて、もっといろんな人と話して一緒にやりたいなと思っています。

 

 

―お二人ともゆるやかに絵は変わってきましたよね。

間:そうですね。昔…どんな絵描いてたっけ?(笑)銀を使うようになったのは、金箔寺の流れです。黒と銀はすごく相性がいいと気づいて、そこからはずっとこの感じで描いています。昔は、色使ってたんですけど、ものすごい苦手で、もう黒だけにしようかな、と。あと、僕は結構神経質で、シンメトリー癖があって、丸を真ん中に書いて、ちゃんと対称をとって、というのが好きで描いてたんですけど、最近は、計算していないような形とか線とか、有機的なものを描くようになっていて、ちょっとずつ崩しつつ整えつつで、自分にとって気持ちよいバランスを探っているという気がします。

 

―川瀬さんはどうですか?

川:変わってるかな?どうだろうな。私は、何かを描こうっていうのはできないので、山とか草とか花とか石とか、そういうものみたいな感じ、で。なにかわからないような、なにかの背景みたいなのが好きですね。今回、絵本を作っていて思ったのは、親になったことで、前だったら描かなかったものや、子どもや母親の目線とか、そういうものが自分の中にもできてるのかな、というのは感じます。

 

 

―今回の展示「ANDSAND」のもとになっている絵本『なにになる?』はどのように生まれたんでしょう。

間:『なにになる?』は、昨年のSUNNY BOY BOOKSで二人展に合わせて制作しました。その前に、TOKYO ART BOOK FAIRでSUNNY BOY BOOKSが出展するからそこにあわせて何か作れないか、ということになって。そのお題が「変化」だったんです。僕が線を描いて、次のページで川瀬が絵を加えて、「なにか」になるっていう構成にしました。

川:先に、何を描こうか二人で決めて、間芝さんはそこから要素をひいていって、想像できそうなできなさそうなギリギリのところを、線だけで描いて。私はそこから、色や形をたして絵にしていく、という役割分担で作りました。今回の展示では、同じ手法で描いた新作も発表しています。東山動植物園にちなんだモチーフもあります。

 

―TUMBLEWEEDで同時開催中の、「mt.M NAGOYA」についてはいかがですか?

間:この展示は、編集・ライター「ぽけっつ」の松永大地さんが企画してくれたものです。僕の作品に登場する“ひも”の絵を、松永さんがすごく気に入ってくれていたところから、“ひも”で山の稜線を描いたシリーズが出来ました。「mt.M」は昨年、京都の誠光社で展示を開催し、作品集も作ったのですが、今回は新作も描きました。是非、あわせてみていただけたら嬉しいです。

 

イベント情報

2018年8月25日(土)~ 9月9日(日)
間芝勇輔個展『mt.M』
会場:TUMBLEWEED 名古屋市中村区元中村町3-15
営業時間:10:00〜18:00
定休日:月・火曜日
問:052-471-7820
http://tumbleweedppp.net/


2018年8月25日(土)~ 9月9日(日)

川瀬知代 & 間芝勇輔 展覧会『ANDSAND』
会場:ON READING 名古屋市千種区東山通5-19 カメダビル2B
営業時間:12:00〜20:00
定休日:火曜日
問:052-789-0855
http://onreading.jp

間芝勇輔(ましば・ゆうすけ)
1979年京都生まれ。現在東京を拠点に活動中。イラスト、ペインティング、インスタレーション映像など様々な形で制作活動を行っている。またシルクスクリーンによる印刷工房「OYA PRESS(オヤプレス)」も運営する。
http://www.mashiba.jp
http://www.oya-press.com/

 

川瀬知代(かわせ・ともよ)
ドローイングを中心に絵を描く。切絵、布を使った作品、インスタレーションの制作も行う。おにぎり中心のフード活動・粒粒でも活動する。
http://www.kawasetomoyo.net/
http://tsubutsubutsubu.tumblr.com/

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