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FEATURE / 特集記事 Nov 11. 2013 UP
【SPECIAL INTERVIEW|森、道、市場実行委員会】
これは、音楽フェスではない。
森、道、市場という名の“市場”の作り方。

Special Interview : 森道市場実行委員会

 

ー今回は、河川での開催ってことですが、台風が接近しているようなので心配ですね。

岩瀬:そうですね…当日は晴れていても、前日に雨風が強かったら会場準備ができないので…。

・・・

なんていうお話もインタビュー中に実際あったんですが、10月26〜27日に開催予定だった「森、道、市場 2013 川へ旅へ」は、まさかの天災(台風のW接近)により、残念無念。幻のイベントとなってしまいました…。(※こちらの記事は、2013年10月19日に取材されたものです)

 

 

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2011年の初回から、これまで急速に動員を増やしながらも、ゆるゆるな雰囲気は保ちつつ、まったくゆるくない強力過ぎるライブ出演陣に加え、カフェ/クラフト系が好きな人はたまらない出店ラインナップの妙。さらにはこの内容でこの価格?!と目を疑う程に割安なチケットで、イベント関係者はびっくり!お客さんはにっこり!な、巨大野外マーケットとなった「森、道、市場」(以下テキスト中は、「森道」と略しています)。

 

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いつの間にか全国規模で注目を集め、東海圏を代表する野外イベントのひとつとなったこのイベント、いったいどんな人たちが、どういった思いで続けているのか?…ということで、森道のこれまでと、これからを聞いてきました。

 

SPECIAL INTERVIEW : 

「森、道、市場」実行委員会
 
Interview , Text & Edit  by  Takatoshi Takebe [ THISIS(NOT)MAGAZINE , LIVERARY ]
Photo by : HADA(interview photo) , Tomoya Miura(live photo)

 

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ーそもそもどうして「森、道、市場」というイベントがスタートしたのか?教えて下さい。
 
岩瀬:まず、三ケ根山(愛知県蒲郡市にある山)に初めて行ったときに、こんなおもしろい場所があったのか!って思ったのがきっかけですね。で、この場所をみんなが見に来たら、おもしろがってくれるんじゃないかな?という、単純な思いで。※「森、道、市場」初回〜数回は三ヶ根山で開催されていました
 
ーちなみに、三ケ根山へは何しにいったんです?
 
岩瀬:たまたまなんです。道を間違えてしまって、行き着いたところにあったのが三ケ根山でした(笑)。森の中に廃屋がたくさんあって、なんだここは!!っていう。森道も初回は、規模も今の3分の1くらいで、出店も70店舗ぐらいの小さなイベントでした。音楽ステージもいまほど県外のゲストもいなかったし。結果、予想以上の人が来てくれたんだけど、初めてのイベントで見えない部分もあったので、今度はもっとちゃんとやろうと思って。で、これまた、たまたまなんですけど、堀田君主催の「リゾームライブラリー」で彼に知り合って。ほんと軽いノリで音楽ステージを強くしよっか、って頼むことになって、結果、初回よりも大きなものになっちゃったんです。
 
ーじゃあ、もともと森道に出店しているようなお店とかには興味があったんですか?
 
岩瀬:僕は、もともとマクロビとか、ベジタリアン(菜食主義)とかの存在すら知らなかったんです。僕自身、「森、道、市場」を通じて、新たな発見の連続ですよ。「あれ?まだこの世の中にはこんなにも自分が知らない考え方や、生き方があるのか!?」って。で、この感覚をもっと多くの人に味わってもらいたい!っていう…森道を続けている本当の意味はそこですね。だから、いろんなジャンルのお店に出店してもらいたいし、音楽も然り、で、例えば「ロック」っていうジャンルのバンドだけを集めるのではなく、いろんなジャンルのアーティストさんに集まってもらうことで、あ、こんな音楽もあるのか!って知ってもらえるかなと。だから、森道に来てもらえれば、誰もが新しい発見が必ずあるはず、というか。単に目に見えるモノが買えるだけじゃない市場だと思ってます。
 
ーなるほど。そこに集まった人たちの「考え方」や「生き方」といったモノが、森道では手に入るかも、ってことですね。
 
岩瀬:僕は、もともと基本的にはフラットに物事を考える方なんです。これはダメあれはダメとかっていう偏見は取っ払って考えてます。だから、イベントをやるときも、森とか、今回で言えば、川でやることになったんだけど、いい場所があれば、それが誰のものとかどんなふうに使われている、とかを一旦おいて、すべての可能性を探ってみたい。その中で、街の人や自治体の人たちとの連携や協力が必要になってきて。森道が街や行政とうまくやっていけたら、僕らの他にもいろんな人たちがこういった企画がやりやすくなるってきっかけにもなるし、もちろん、アーティスト活動をしている人たちにとっても、表現の場が増えることにつながるかもしれないなって。そういう思いで続けてますね。だから、まあ、自分自身も「森、道、市場」に出会った、という感覚というか。森道を通して、いろいろ知るようになりました。
 
ー最初は小さなマーケットイベントだったのが、いつの間にか、規模が大きくなっていって。。。
前回は、2日間で延べ9000人の集客という規模のビッグイベントになってしまったわけですが…いつ頃から「これはもうフェスなんだ!」って意識し始めたんでしょう?
 
岩瀬:いや、それは今でも思ってないんですよ。「フェス」っていうものには僕自身、一度も行ったこともないってのもあるんですけど。実行委員のメンバーもほとんど行ったことないんですよ。
 
堀田:映画の「モテキ」を見たんですよね?(笑)
 
岩瀬:そうそう、僕の中でのフェスのイメージはあれしかないんです(笑)。森道は「フェス」ではないんですよ、あくまで「市場(いちば)」なんです。
 
堀田:森道の雰囲気は、いわゆる「音楽フェス」とは違うよね。

 

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岩瀬:実は、お客さんの集客目標ってのがあって。でも、大事にしているのは、人数ではなく比率なんです。全体のお客さんの半分は「出店を楽しみに来てくれる人たち」で、残り半分が「音楽ステージを楽しみに来てくれる人たち」っていう。この割合になるように、広報活動なんかも気をつけていますね。届くべきところに届ける方法をとって。むやみやたらに宣伝しまくるとかはしていません。地方新聞とか、フリーペーパーとか、こちらのイメージが崩れちゃいそうなところからの取材は断っちゃってるし。
 
堀田:僕も、CINRA.NETとナタリーとRO69くらいかな?。あと、サイゾーにも(資料を)送っちゃったけど載らなかった(笑)。
 
ーサイゾー(笑)。
 
岩瀬:やはり、ある程度、同じ考え方や、同じライフスタイルの人たちが集まる場所を作りたいし、その方が楽しいじゃないですか?
 
ー出店も音楽もジャンルの幅は広いけど、フラットに楽しめる、比較的、感度の高いお客さんが集まっている…と。
 
岩瀬:そうですね。森道のちょうどいい空気感に合ったお客さんに来てもらって、その人たちが楽しめる場所になって欲しいっていう思いが強いんです。極端な話、例えば森道に、チェーン店が出店してくれても、誰も食べないんじゃないですかね?
 
堀田:たぶん、食べますよ(笑)。
 
岩瀬:それは、個人の判断なので、僕もどっちでもいいかも(笑)。
 
ーちなみに、チケット代についても聞きたいんですが。かなり安い設定で、これで大丈夫なの?!って思ってる人たくさんいるんじゃないですかね。
 
岩瀬:やっぱりそれは、”市場”目当てのお客さんが来れなくなっちゃうからですね。基準は、あくまで映画館で映画を見に行くくらいの感覚にしたくて。
 
ーあ〜なるほど、音楽フェスによく行く人からしたら、安い!かもしれないけど、マーケットイベントに行く人にとっては普通の価格帯なんですね。
 
岩瀬:逆に無料イベント多いからね。だから、チケット代がもし5000円とかに上がったとしても、音楽ファンのひとたちは来るかもしれないけど、出店を楽しみに来てくれる人たちの割合が減ってしまうのは避けたいんですよね。継続していくことが何より大事なんで。続けていく中で、やはり準備とかも大変なんですけど、変化していくことが大事かな?って思っていて。新鮮味が薄れていってしまうとおもしろくないですからね。毎回、前回のプラス10%くらいの新たな楽しみや試みを追加していきたいと思ってますね。
  
ーそれで、今回は場所を森から川へ?会場ごと変えちゃうって、プラス10%どころではないですね(笑)。

岩瀬:まず、前回まで開催地とさせてもらっていた三ケ根山が使えなくって…というのも、駐車場に使用させてもらっていた競艇場が工事中で使えなくて。で、もともと今年は秋にやる予定ではなかったんですが、岡崎市の河川敷の有効活用のお話がありまして…ちょうどあいちトリエンナーレも開催されていた岡崎での開催となりました。

 ーやはり、地域貢献したいっていう思いもあるんですか?
 
岩瀬:はい。できれば。開催地は固定していないので、必要とあらば、呼ばれればどこへでも行きますよ、森道は(笑)。
  
ーなるほど。では、次は、また川から違う場所へ変わっていくとか??
 
岩瀬:今は理由があって三ケ根山でできないので、次は、山でも川でもない場所へ行きたいと思っています。海とか(笑)。自然が好きなんで…。

 

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冒頭にも書いた通り、「森、道、市場2013 川へ、旅へ」は、前日の台風により、河川でのイベント開催は危険という判断が下り、岡崎市と協議の結果、あえなく中止となってしまった。

だが、当日は、皮肉にも台風一過の秋晴れ。当日を楽しみに出店準備していた各出店者たちは、そのやりきれない気持ちを、ポジティブに転換し、数店で集まり小さなマルシェを開いたり、森道に出演予定であったアーティストのライブを行ったり…とそれぞれにイベントを開催。森道のブログでは、中止のお知らせとともに、「それぞれの街へ」というタイトルのブログを掲載し、各店のイベントインフォメーションを丁寧に紹介していたのは印象的だった。

次回の森道市場はどこで開催されるのか?公式アナウンスを楽しみに待っていよう。

 


 

岩瀬貴己(いわせたかみ)
岡崎市在住。野外イベント「森道市場」を主催。映画「モテキ」は一回だけ見た。
森道市場HP http://mori-michi-ichiba.info/

堀田佳佑(ほったけいすけ)
愛知県在住。君と響きあうライブイベント「jellyfish」「リゾームライブラリー」などを主催。「森道市場」では持ち前のナイスブッキングを発揮。今まで、森道に出演したアーティスト・ラインナップは以下の通り。
ZAZEN BOYS / 在日ファンク / 清 竜人 / LITTLE CREATURES / TOKYO No.1 SOUL SET / bonobos / THA BLUE HERB / YOUR SONG IS GOOD / toe / OGRE YOU ASSHOLE / ヒカシュー / PE’Z / SCOOBIE DO…etc
jellyfish HP http://www.jelly-fish.org/

 

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