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FEATURE / 特集記事 Nov 01. 2013 UP
現代美術作家が生み出した、白と黒のパブリック・アート!?「オカザえもん」とは何なのか?

Special Interview : 斉と公平太

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Interview & Text :Takatoshi Takebe ( THISIS(NOT)MAGAZINE )
 
名古屋から東京へ向かう途中、なにか手みやげでもと思って立ち寄った、高速のサービスエリアに「オカザえもん」のグッズがどっと並んでいる状況を目の当たりにした時、ここまできたか!?と思った今年の夏。

社会現象とまではいかないにしても、すでにFacebookの「いいね!」の数は2万を越え、現在の名古屋カルチャーを取り上げるのであれば、外せない存在となってしまった「オカザえもん」は愛知県岡崎市公認のキャラクターである。その作り手は、愛知県在住の現代美術作家・斉と公平太さん。栄・三越での「オカザえもん展」や、日々の関連業務で多忙すぎる斉とさんですが、少々無理を言って取材させていただきました。

 

―そもそも岡崎市からの依頼があったから制作されたのでしょうか?どのようないきさつでこのキャラクターは制作されたか、教えて下さい。

岡崎市から依頼があったわけではありません。2012年に岡崎市が会場となった展覧会「アート&ジャズ2012」に出品の依頼があり、そこに作品として、展示しました。展覧会の性質上、他の出品作家も場に合わせた展示をしたので、僕だけが特別なものを提示したわけではありません。キャラクターの制作の依頼があったわけではありません。

―どうしてこのようなビジュアルに行き着いたんでしょうか?

 
ビジュアルは、文字をモチーフにするということと、the pop group「Y」のジャケとThe Flaming Lips -「Do You Realize」のMVにでててくるウサギに影響を受けています。
 
 
―一部、ネット上での辛口な批判があったりしたのも、逆に肯定するひとたちや、おもしろがってくれるひとたちの増員につながったのではないか?と僕は思いますが、ご自身では、どうして「オカザえもん」は人気に火が付いたと分析されますか?
 
どうして人気がでたかどうかは、正直わかりません。岡崎と関係の無い、全くのオリジナルのキャラクターだったらここまで人気はでなかったと思います。
 
―最近では、名古屋のバンド「6EYES」にテーマソングをつくってもらうなんてこともありましたが、そういったアクションは自発的に行ってきたんでしょうか?
 
単純に、6EYESは好きだから、頼みました。本当に曲を作ってくださると思いませんでした。感謝してます。アクションというか、自分が面白いと思うことやるというだけで、それはいままでも、やってきたわけです。たまたま「オカザえもん」がメディアにとりあげられただけで、僕には、わかりません。

 
ー世間・社会とアート作品との距離感というか、評価されるということに対してどのようにお考えですか?作家さんの中には、世間からの評価などを全く気にしない、そこを重要視しない方もいらっしゃると思うのですが。齋とさんはどうお考えですか?
 
僕も世間からの評価は全く気にしてません…と言うと、何かカッコつけてるみたいですが。少なくとも作ってるときは考えていません。しかし、作品が完成したあと、現実的に制作し続けるなかで(金銭的にまわしていかなければならないとき)対外的にそのようなことをプレゼンするときだけ、どのように評価されるのか、ということは考えます、それは制作しつづけるためで、作品の形とは関係ないです。
 
ー徳島県から「オカザえんぬ」なんていうキャラクターも出てきたわけですが(笑)。今後、オカザえもんはどうなっていくのでしょうか?予期せぬところでの様々な影響や、派生的な現象が起きていきそうですが。
 
「オカザえんぬ」とか、他にも「基礎ざえもん」「宮ざえもん」とかいろいろ出てきています。が、僕は何もやってません。すごく嬉しいですし、面白いと思います。今後どうなるかは、僕にもわかりません。もともと、本物より偽物のほうが、面白いこともあるので、いろいろ出てきてほしいです。
 
ー一般的に考えて、ブームには終わりがある、と考えられると思います。その点については、どうお考えですか?やはり寂しい、とかっていう感情はあるんでしょうか?
 
まだまだブームと呼べるレベルじゃないと思いますが、もともと、ブームを期待してたわけではないので、(ブームは)終わってもいいですが、PRのキャラクターなので、その役割は果たさなければならないと思っています。マークみたいに定着できたら良いと思っていますが、そのレベルにもってくのは、ものすごい労力が必要です。
 
ー新聞記事などでは、「作品は作った時点で終わっている」という齋トさんのコメントを読みましたが、明らかに、オカザえもんは、作品ができてからのその後の派生や拡散があったし、そこは重要な要素だったと思うのですが、その点についてご意見おきかせください。
 
作品のビジュアルや形に人気が出たからといって、「形」に変化が表れるわけではないですよね。なので、やはり作った時点で「作品」としては終わっています。しかしながら、「作品」に付随する「意味」は変化していきます。例えるなら、+(プラス)の文字の前後に「1+2」と数字を置くと+(プラス)と人は認識するわけですが、「日」をつけると「+日」で、10と認識するわけです。前後に配置する文字で、意味が変わります。このような意味の変化が誘発されるように想定して作りました。
 
ーなるほど。塗り足しの可能性を想定しての「白黒」で「単純」なビジュアルだったともとれますね…。ところで、斉とさんの作品づくりに対する、モチベーションはどこから生まれてくるのでしょうか?また、どのようなところで、作品づくりに影響を受けたり、インスパイアされたり、するのでしょうか?具体的に教えて下さい。
 
モチベーションは、自分がおもしろがれるかどうかでしょうか。あと、これしかできない、というのもあります。影響を受けたものは、いろいろありますよ、漫画とか音楽とか…でも全然詳しくはないです。最近は、現実に自分の身に起きていることがネタになってます。
 
 
 
ー「オカザえもんは現代アートだ」って新聞記事で見た覚えがあるんですが、そもそも、斉とさんがつくる「オカザえもん」や「LOVEち」くんといったキャラクター作品はアートなのでしょうか?
 
いや僕がやってることは全然ARTじゃないです。「オカザえもん」もARTじゃないです。便宜上、ARTだと言わなければならないことがあるだけで、全然ちがいます。むしろ、ARTだといって見てもらいたくないです。ARTという言葉をつまらなさの言い訳にしたくないです。ただ、逆に他のいわゆる一般的に「ゆるキャラ」と呼ばれているものの方がよっぽど本来の意味でARTだと思います。
 
ー過去には、「ゆるキャラ」というアウトプット以外の作品も発表されていますが、自分はどのような作家である、と思ってらっしゃいますか?目指すべき理想のアーティスト像などあればあわせて教えて下さい。
 
自分がどうゆう作家かは自分でもわかりません、売れない作家であることは確かです。目指す理想の作家はいません、いたら、自分が何か作ってないような気がします。昔はいたような気もしますが忘れました。というか、自分が好きな作家はだいたい売れてなかったり、不幸だったりして、目指しようがないです。
 
ー今後の作家活動の展望や、現在企画中の新たなプロジェクトなどあれば、教えて下さい。
 
展望はないです。作家活動とは関係ないですが、2007年から「世紀マ3」というバンドをやっているので来年は、そのCDを自主制作したいです。
 
ーなるほど…ちょっと話を変えまして、今年の愛知トリエンナーレはどうでしたか?斉とさんの個人的な見解で結構ですので、教えてください。
 
非常に言いづらいですが、面白かったと思います。こんなキャラクターが宣伝する芸術祭は他にはないと思います。
 
―名古屋のアートシーンは、斉とさんの若かりし頃(大学生時代)から比べて変化していますか?僕個人としては、全くそういった現代アートなどの情報を追っていないこともありますが、盛り上がっているのか?有望な作家がいるのか?など、正直わかりません。どうなのですか?
 
アートシーンについては僕も正直わかりません。まあKDJapon(鶴舞のライブハウス)に出ているバンドに「名古屋の音楽シーンについて」を聞くのと、他のライブハウスのバンドに聞くのとでは全然違う回答がくると思うんですが…。もちろん、有望な美術作家も沢山いると思いますが、僕がどうこう言える立場ではないので割愛させてください。まあ、でも、名古屋というか、愛知はおもしろいと思います。
 
ーありがとうございました。では、最後に、無茶ぶりなんですが、僕ら「LIVERARY」のキャラも考えてもらいたいです。名前は「らいぶー」くんというのを思いつきました。どうでしょうか(笑)??
 
考えてみます!


後日、らいぶーくんというjpgデータが斉とさんから送られてきました。

斉と公平太/

1972年、愛知県生まれ。名古屋造形芸術大学卒業の現代美術作家。ご当地キャラ総選挙2位という快挙を成し遂げた「オカザえもん」の生みの親。過去の受賞歴としては、第8回 岡本太郎記念現代芸術大賞展 特別賞受賞を受賞(2005年)。あいちトリエンナーレ2010出品

オカザえもん

1972年7月1日(岡崎市制記念日)生まれ。身長180cm。性格は、やさしくて短気。血液型は、O型(OKAZAKIだから)趣味:ジャズ音楽鑑賞、現代美術鑑賞。特技:自己流ダンス。好きな食べ物:岡崎まぜめん、八丁味噌を使った料理。

オカザえもんの最新情報は、こちらで

岡崎市ホームページ「オカザえもんに関する情報」http://www.city.okazaki.aichi.jp/menu12834.html

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