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FEATURE / 特集記事 Mar 08. 2017 UP
【SPECIAL INTERVIEW|cafe TSUNEZUNE / トコナメハブトーク 】
地方だからこそ生み出せる、余剰スペースの使い方。

まちのメディアピープル#05:cafe TSUNEZUNE(愛知|常滑)

「おすそわけ」と「まかないめし」。
人と人、常滑と外を繋ぐ、集合と拡散の”場”。

 


<トコナメハブトークの様子>

 

―ハブトークもたくさんお客さん入ってますよね。毎回、すごく興味深いゲストの人選をされているようですが、どういう流れでゲストの方は決められるんですか?

水野:まあ、TSUNE ZUNEで捕まえたりとか。(笑)

:蜘蛛の巣のように…(笑)

―捕まえる!?

水野:そうです。偶然も多いです。面白い人が常滑に来てくれるっていう時に、「ハブトークっていうイベントがあって、地域の人とも仲良くなれるし、料理も美味しいし…」って口説いて、セッティングしています。あとは、まち歩きとセットで企画したこともあるし、カフェに来た人が面白い話してる時にお願いしたり。

:ハブトークってすごく便利で。もっと話が聞きたくても、個人だと専門的なお話は聞ききれなかったり、でも好奇心が収まらないときに、いいツールなんです。たぶんハブトークがなかったら、触れることのできなかった分野の話は多いです。

水野:そうですね。トークイベントをやっていることで、声をかけやすくなる。哲学者の鞍田崇さんの時は本当に連携プレーでした。

:鞍田さんがとこなめ陶の森に来た際にカフェに寄ってくださって。私は営業があるから水野君に「今から来れる!?」って電話をかけて。

水野:すぐ来て、そのまま常滑のここぞという場所に僕が案内して回って(笑)

―すごい、偶然ですね。

水野:そういう偶然も、このスペースとカフェがあるから、引き寄せているんでしょうね。

:それはお店の良さで、アポイント取らなくてもいいから。

―ハブトークはもともと、お店の計画とともにあった訳ですか?

河合:お店が完成します、っていうくらいの時に、こういうことできたらいいよねっていう企画を太史君が持ってきてくれて。

 

 

水野:最初はこのイベントの名前とロゴみたいなものを書いたメモを一枚ぺらっと持ってきて。これでイベントやりましょうみたいな。

:その時のメモありますよ。

―あ、こんなかわいいメモなんですね。(笑)

水野:大体今もこんなイメージのままやってますね。

―もともとは、常滑の周りにいる人を、外の人につなげようというようなイメージだったんですか?

水野:いや、僕のイメージは、外から来る人が結構重要で…「耕す」イメージだったんです。中の人だけだと、おらが村自慢みたいになったり、変に外を意識しすぎたりすると思ったので、外からやってくる人が常滑について話して、中の人もそれについて話すっていう、その会話を通して常滑の次のコンセプトが練られていくし、聞いてる人にもだんだん共有されてくるんじゃないかと思いました。両方ともにメリットがあるといいですよね。色んな波及効果があって、しかも楽しければいいなっていうイメージはしてましたね。

:若い作家さんの中でも、ちょっとこういうイベントを求めていたような感じはしています。

河合:同じ町に住んでいても交わらない人たちが新しく出会ったり、再会できてまた何か生まれる場になったら嬉しいです。

―それは、素晴らしい…真に拓けた場所ですよね。

水野:年齢層も幅広いですね。それは、地方でやってる良さなのかもしれない。自分もトークイベントに呼ばれていくんですが、テーマがデザインとかだと、どうしてもデザインの専門の人や学生だけが集まっていることが多くて。だから、色んな人が来るような場所になると、面白いなと思ってやっています。

 

 

―トークイベントって、色んな所で山ほど多発してると思うんですよね。けれど、こうやって連続してひとつの場所でやるという、「場」が変わらないこととか、お客さんがリピートして来てくれるっていうのはいいなと思って。自然と、みんなの勉強会…寺子屋みたいになっていくじゃないですか。ここの場所があるからですよね。

水野:場所の力っていうのもあります。もともと、始めた時は、こんなにお客さん来ると思っていなくて。僕らが興味のある人を呼んでそれを記録してアーカイブとして公開すれば、影響力持つんじゃないかなっていうくらいの気軽な気持ちで始めたんです。

河合:今vol.7までやってて、映像も撮ってるので、写真と執筆を加えて、アーカイブを開放したいと思っててるところだよね。

―ハブトーク、前回と前々回にお邪魔したんですが、ゲストの方も凄い方ですし、何よりこの内容で、無料のイベントということが驚きです。集客率も高いですし。普通イベントやろうと思うと、集客に苦労すると思うんですが…。

:無料でってことは最初からこだわってるよね。

水野:ゲストに有名な方が来てるのもあって、集客の多い回が続いてるんですけど、集客を意識してるっていういうのは、あんまりないですね。それこそ、自分たちが聞きたい話を、自分たちだけで聞くのはもったいないから、みんなで聞こうっていうことで。「おすそわけ」と「まかないめし」って言ってるんですけど。遠方から来た方だと「おすそわけ」、近場の方だったら実験的に、あんまり構えた感じでやらなくても済むように「まかないめし」っていうイメージで。

:主催者の私たち3人が、純粋にゲストの話を聞きたい!って思ってやってるから、実行できるのかもしれないですね。

水野:めんどくさがりだから、なるべく小さなエネルギーで大きな効果を得たい、みたいな感覚があって(笑) 来てくれた人の話を、自分たちで居酒屋とかで聞くよりは、こういうパブリックな場所でしゃべってもらったほうが絶対面白いし、ご飯も美味しいし、ゲストも楽しいと思う。こっちも有意義なことができる。お客さんも面白い話聞けるんだったら、みんな得するじゃないですか。アーカイブするっていう目的もあるし。だから、ひとつのことを色んなことにつなげて、「捨てるところない」みたいな感じで有効利用できるといいなっていうのは考えながらやってるかな。ゲストも、営利目的じゃないということを分かってくれていますからね。中途半端にギャラを払って、有料のイベントになるよりは、なるべく喜んでもらえるようにおもてなしをして、この場所を好きになって帰ってもらえるほうがいいと思って。

河合:夜中に太史君から「今こんな面白い人と飲んでるから来ない」って電話かかってきたりして。面白い人や話を誰かにつなげるのが、太史君のライフワークなんだよね。

 

 

―なるほど~。おすそわけ上手なんですね。

河合:当日もざっくりした予定だけ決めて、綿密なプログラムはなし。後はどんどんアドリブで進めていってます。一応、前打ち合わせはするんだけど、太史君がその場で聞くのがもったいないから当日までとっておこう、っていうことになって。

―打ち合わせが一番面白いとき、ありますよね。

水野:役者じゃないし、新鮮なリアクションが再現できないんですよね。お客さんも初めて聞くから、司会が知っちゃってると、質問がとんちんかんになっちゃったりするだろうなと思って、そこは気を付けてます。

―じゃあ単純に、初めて聞く面白い話を60人で聞いている、みたいな感覚ですかね?

水野:うーん、でも、それもそこまで厳密にはやってないですけどね。コンセプチュアルにもやってないし。

―そうなんですか。今までのテーマを追っていくと、”建築”、”地域”、”まちづくり”、”デザイン”、”民藝”と、テーマの流れが繋がっているように思えたので、コンセプトがあるのかと。

水野:まあ、それはメンバーの趣味とか仕事柄もあるのでそうなっているんだと思います。あとは、常滑を訪れるゲストの人の共通点もあるかも。

 

 

―へえ~。じゃあ、自然にいい感じにつながってきているってことですね。お客さんは常滑の人が多いですか?

忍:回によりますね。前々回の、「まちライブラリー」の磯井さん回は、女子率がぐっとあがったり。ちゃんとタイトル見て来てくれてるんだなっていうのが分かります。

―コンテンツがあっても、それを必要としてる人に届かないっていうのが、集客事をやってる人の悩みで。名古屋でも、トークイベントだと50人以上のお客さんを集めようと思うとなかなか難しいんですよね。言ってみればプレーヤーって、お金を出せば外からでもいくらでも連れてこれる。だけど、そこに住んでいる人の意識や興味ってなかなか変えられない。どうやったら興味を持ってもらえるかっていうのは、いつも課題だと思っていて。

河合:今まで7回やってきて、ある程度地域の人の認知度とか、地域だけに限らず、常滑で何か面白そうなことやってる、みたいなイメージが外の人にも少しずつですが持ってもらえるようになってきてて、回を重ねる意味を感じています。

:タイトルに「トコナメ」って付いてるのもよかったと思います。内輪感がちょっと無くなるというか…

水野:そうだね、ちょっとパブリックな感じにしたいっていうのはあります。

河合:「瀬戸内ハブトーク」もあるんだよね。

水野:そうそう。ゲストに来てくれた人が、ハブトークを観て自分もその町でも始めてくれて。

―そうなんですか!それって、こういうの求めてたけど無かったから、ハブトークをモデルケースにして自分の町でもやろう、ってことですよね。地方に住んでいると、例えば面白い活動をされている方がいても知る手段があまりなくて。だから、ハブトークのようなイベントがあると、こういう人がいるんだと知ることができます。

河合:知多半島でも、ハブトークvol.5のゲストがこのハブトークに感化されて、「545 まちばなし」っていうトークイベントをスタートさせて。ハブトークにも来てくれるし、僕たちも行くし、繋がりつつあります。

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cafe TSUNE ZUNE
住所:愛知県常滑市栄町7 丁目164
営業時間:10:00~17:30
定休日:火・水曜日
http://tsunezune.jp/

トコナメハブトーク
常滑内外のいろんな分野でおもしろい活動をしている人を交えて、その活動のことや常滑のことなどを、ざっくばらんに語り合うイベントです。中部国際空港がハブ空港であることから、集合と拡散する場所(ハブ)をイメージしてハブトークと名付けました。気軽で楽しく良い刺激になるような、「まかないめし」であり「おすそわけ」のようなイベントにしたいと思っています。「まかないめし」というのは、そこにあるもので、肩肘張らず内容(おいしさ)重視、時に実験的、という意味です。「おすそわけ」というのは、常滑の人や、常滑に全国・海外から来るおもしろい人たちに話してもらい、それを共有する場になれば、という意味です。そうして聞くほうは何か良い刺激になったり、話すほうはそれが広く伝わったり考えていることがまとまったり、またその話を受けて参加者どうしが話すことで交流や新しい動きが生まれたり、何かのかたちでアーカイブすることで、常滑の現在が見えてくるような、一石が二鳥にも三鳥にもなるようなイベントにしたいと思っています。
<トコナメハブトーク製作委員会>
水野太史/水野太史建築設計事務所
河合忍/TSUNE ZUNE〈常々〉
河合秀尚/Design IROHA

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