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FEATURE / 特集記事 Sep 04. 2018 UP
【FEATURE:蓮沼執太|前編|INTERVIEW 】
蓮沼執太フィル愛知公演を間近に控える、蓮沼執太に10の質問。
次回後編では、蓮沼執太×津田大介による対談レポート記事を公開。

9月16日(日)、蓮沼執太フィルが単独公演としては3度目となる名古屋公演を、ナディアパークデザインホールにて行う。今回の公演タイトルは「アントロポセン-Extinguishers 愛知全方位型」。演奏者を中心に置いてその周りをぐるりと観客が囲むスタイルの文字通り360度全方位型の公演となる。

蓮沼執太フィルは、蓮沼執太がコンダクトする、総勢16名が奏でる現代版フィルハーモニック・ポップ・オーケストラ。メンバー構成は、蓮沼執太(conduct, compose, keyboards, vocal)、石塚周太(Bass, Guitar)、イトケン(Drums, Synthesizer)、大谷能生(Saxophone)、葛西敏彦(PA)、木下美紗都(Chorus)、K-Ta(Marimba)、小林うてな(Steelpan)、ゴンドウトモヒコ(Euphonium)、斉藤亮輔(Guitar)、Jimanica(Drums)、環ROY(Rap)、千葉広樹(Violin, Bass)、手島絵里子(Viola)、宮地夏海(Flute)、三浦千明(Flugelhorn, Glockenspiel)から成る。

 

 

この公演のプレイベントとして、急遽決まった対談企画が819日(日)に開催されたのが、蓮沼執太×津田大介という組み合わせのトークイベントだった。

音楽だけでなく現代アートの領域にも踏み込んだ活動をしてきた蓮沼執太と、来年開催の「あいちトリエンナーレ2019」の芸術監督も務めるジャーナリスト/メディア・アクティビストの津田大介。互いにボーダーなど気にしないスタンスで同時代的で多角的な活動を経てきた彼ら。一体どんなクロストークを繰り広げたのか? 

アートファンも音楽ファンも、津田ファンも蓮沼ファンも、興味津々であったろう今回の貴重なトーク内容を「LIVERARY」にて掲載させてもらうことに(【FEATURE:蓮沼執太|後編|TALK SESSION REPORT 】はコチラ。)。

 


対談が開催されたのは「あいちトリエンナーレ」を機に生まれた施設「アートラボあいち」。

 

LIVERARYでは、この対談レポートの編集作業をしながら、9月16日(日)の愛知公演のことを考えながら、思いついた10の質問を蓮沼執太にぶつけてみました。

 

SPECIAL INTERVIEW:

蓮沼執太
Shuta Hasunuma

Interview & Text : Takatoshi Takebe [THISIS(NOT)MAGAZINE,LIVERARY]

 
 

Q1_愛知、名古屋の印象、地域性や県民性、などについて思うところがあれば、教えてください。
 
地元への愛情がたっぷりですよね。「森、道、市場」あいちトリエンナーレ」など、県外の多くの人が自分の土地を訪れる機会を作っていることも素晴らしいです!アーティストの友達も多く暮らしているし、独特な音楽が生まれているし、ごった煮な雰囲気もありますよね。
 
Q2_新作アルバム『アントロポセン』は、チームからフィルになって、ラップが増えてボーカルパートが増えていって、という蓮沼さんが多人数で作り上げる音楽プロジェクトチームの進化過程の集大成?総決算的な内容のように感じたんですが、次なる進化のビジョンはありますか? また、つくるまえにアルバムのテーマや、ミッション、もしくは何かしらのイメージはあったんですか?
 
音楽の成長が最新作から感じ取ってもらえるのは嬉しいです。『アントロポセン』はプロジェクトの集大成という認識ではなくて、蓮沼フィルの現在地という感じです。「今の蓮沼フィル」という感じです。メンバーや僕もどんどん変化していくことで、音楽も変化していきます。そういう流動的な音楽形成を楽しんでいます。次の進化のビジョンはあまり見えていませんでしたが、8月に行ったコンサート『フルフォニー』で実現した26人編成での新曲たちはとても手応えがありました。アルバムを作る前のテーマやイメージの有無っていうのは、作品ごとに異なるのですけど、基本的にコンセプトがあり、漠然としたイメージもあったりはします。でも、事前にきちんとした青写真を作って、それを実行していくような作り方は一切しないです。
 
 
 
 
 
Q3_蓮沼執太フィルは、メンバーがたくさんいて、年齢もバラバラで、男性も女性もいるわけなので、ツアー中やスタジオ内で、仲間割れや人間ドラマみたいなことって起きたりはしないんでしょうか? 実際あったドラマチックな人間臭いエピソードがあれば教えてください。
 
仲間割れは無いですよ。毎日一緒にいるわけでもないからケンカもしないですし。一週間くらい一緒に生活してたら不穏な空気が流れるかもしれませんね(笑)定時制高校って言われるくらい、みんな服装も性格もバラバラですから、あまり他人に干渉しないのかな(笑)。
最新アルバム『アントロポセン』のミックス確認をメンバー集まって銀座にあるONKIO HAUSで12時くらいから始めたんですね。それが終わってみんなで打ち上げと称して、三州屋っていう昔ながらの大衆割烹屋さんで15時くらいから飲み始めたんですね。その後、4件はしごして、最終組は朝5時まで呑んでたみたいです。僕は2時くらいまで付き合ったかな(笑)。
みんなリハーサル終わったらご飯行くし、打ち上げも豪快だし、仲良いですよ。
 
Q4_蓮沼さんって、いつもサラッとクールに何でもこなせてしまうような印象があるんですが、震えるほど緊張したり、動揺して慌てふためいたり、憤った経験談があれば、思い出す限りで結構ですので教えてください。
 
パブリックイメージあるあるですね(笑)。大人数で音楽を演奏する時はいつも緊張しますし、胃が痛くなります……。蓮沼フィルの初演からずっとそうです。あと、ホントちいさい人間なので、いつも小言言ってますよ(笑)
 
Q5_最近どんどん新しい音楽との出会いが減っていくように感じてしまうのですが、蓮沼さんはどうですか? 最近知って、気になる音楽家、バンドがパッと思い浮かべば、教えてください。できれば国内と国外それぞれで。
 
新しい音楽の出会いって減ってますか??僕は出会い多いです!
国内だとアルバムの特典リミックスに参加してくださった takaoさんhttps://takaoostmusic.bandcamp.com/releases)。今年リリースされたアルバム『STEALTH』はめちゃかっこいいです。国外だとアメリカ・テネシー州のラッパー・Cities Avivhttps://citiesaviv.bandcamp.com/album/raised-for-a-better-view)。友達に教えてもらったんですけど、トラックメイキングが個性的で、なにより声がいいなぁと。
 
Q6_音楽以外で今、最も気になる事は?? また、自身の活動と今後、つなげていきたい、アプローチしてみたい、異ジャンルな表現で興味があるとしたら?
 
今年同じ時期に読んでいた本で、下西風澄さんの『10才のころ、ぼくは考えた。』伊藤亜紗さんの『どもる体』があります。ずっと考え続けていく可能性みたいなことに興味があります。自分の活動に置き換えると、異ジャンルとの共同作業というよりも、もっと自分の本質的な部分から生み出される音楽を作りたいと思っています。
 
 
 
 
Q7_もともと音楽を仕事にして食べていきたい、とは考えていましたか? 日本だと特に好きなことで生計をたてることは難しいことだとされていると思いますが、音楽で食べていきたい、好きなことをやって食べていきたい、と蓮沼さんのような生き方に憧れている若者たちに、今、アドバイスするとしたら?
 
音楽で食べていきたいとは全く考えていませんでした。僕はアドバイスする大人をあまり信用しないのですが(笑)。単純に思うのですが、いま色々な社会環境で複業が盛んですよね。専門的にひとつのことを行うことも大切ですが、自分の可能性を色々な環境で試して生きていくことって現代的だと思います。僕の活動は中心に「音楽」というものがあるけれど、それが異ジャンルと結びつくというのは、ある意味では複業的とも言えると思います。生計をたてることが目的ではなくて、作品を作ることが一番の目的になるような活動になるといいですよね。
 
Q8_では、逆に現時点での蓮沼さん個人の夢について、あれば教えてください。(個人的には、完全にソロで、原点回帰的な電子音楽ジャンルに該当するような、(CM音楽とかではなく)作品として向き合った音楽作品集も聞いてみたいし、ライブもどう変化するのか?見てみたいです ) 
 
タブラ奏者・U-zhaanと一緒に作ったアルバム『2 Tone』は結構電子音が使われていているんですが、なぜかその部分が目立ってないですよね(泣)。今の自分と向き合ったソロ作品は考えています。環境音と電子音が中心に構成されているようなものを考えています。あとは蓮沼執太フルフィルという26人に向けて作曲した楽曲もレコーディングしたいですね。
 
Q9_蓮沼さんが10代、20代において、最も影響を与えられたと思える、自身の音楽活動にとって大きなきっかけとなった音楽家やバンドについて教えてください。(昔、MENS’NONNOか何かファッション雑誌のインタビューでFUGAZIって答えていたような!?)
 
雑誌で答えてたのは、マイナー・スレットだと思いますイアン・マッケイについて語っていたと思う。もちろん、FUGAZIィスコードもよく聴いてました。
影響を受けている音楽はたくさんありますね。その中でも、蓮沼フィルのように大人数で音楽をする集団ということで、影響を与えた音楽を挙げてみると……。ヴァン・ダイク・パークスのような楽器編成が変わった編成のオーケストラ、サン・ラ・アーケストラのような集団演奏もかっこいいです。シカゴのバンド、トータスはいつまでもカッコいいパンク上がりのオジさんバンドで大好きです。ャヴィン・ブライアーズが作ったポーツマス・シンフォニア、コーネリアス・カーデュースクラッチ・オーケストラ武満徹さんの『秋庭歌一具』伶楽舎の演奏も常に聴いています。
これらの音楽は過去の音楽ですが、現代でも電子音楽家のActressLondon Contemporary Orchestra とコラボレーションした新作『Lageos』も今年よく聴いています。こういった今の音楽にも僕は影響を受けています。
 
Q10_では最後に、愛知公演に向けてコメントを下さい。
 
本当に久しぶりに蓮沼フィル16人全員で名古屋で演奏します。「また次があるでしょ!」と思いがちなんですが、意外と4年があっという間に経ってしまいます。蓮沼フィルの現在地を名古屋で一緒に奏でたいです!ご来場お待ちしております。僕らも全力でいきます!
 
 
 
 
 
次回、【FEATURE:蓮沼執太|後編】では、蓮沼執太×津田大介による対談レポート記事を公開。>>> Coming Soon!
 
イベント情報

2018916日(日)
蓮沼執太フィル「アントロポセン-Extinguishers 愛知全方位型」
会場:ナディアパークデザインホール
時間:開場 16:30 / 開演 17:00
料金:全自由席 4,500円 当日5.000円 学生割引3,000(Peatix申込は、学生証提示でキャッシュバック) 未就学児入場可
出演:蓮沼執太フィル
主催:のわ蓮沼執太/ VINYLSOYUZ
企画制作:蓮沼執太/ VINYLSOYUZ
特別協力:ユネスコ・デザイン都市なごや推進事業実行委員会
問合せ:のわ(担当:新見)canolfan@mac.com

蓮沼執太
1983年、東京都生まれ。音楽作品のリリース、蓮沼執太フィルを組織して国内外でのコンサート公演をはじめ、映画、演劇、ダンス、音楽プロデュースなどでの制作 多数。近年では、作曲という手法を様々なメディアに応用し、映像、 サウンド、立体、インスタレーションを発表し、個展形式での展覧会やプロジェクトを活発に行っている。

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