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【SPECIAL REPORT】“愛知県らしさ”とは?ロングライフデザインを考える「d design travel WORKSHOP AICHI」参加レポート。

2016.03.21.Mon | アートラボあいち大津橋(愛知|丸の内)

d&Dtravel

 

「あいちトリエンナーレ2016」(8月11日〜10月23日開催)の現代美術部門で作品を展示するD&DEPARTMENT PROJECT(ディアンドデパートメントプロジェクト:以下d&d)がその出品冊子の公開編集会議を兼ねたワークショップを3月21日(月)に開催した。会議の議題は、デザインの視点から見た“愛知の魅力”。今回のイベントが、「あいちトリエンナーレ2016」で彼らが発表する愛知県の観光ガイドブック「d design travel AICHI」の制作に向けた第一歩となる。

d&dは「ロングライフデザイン」をテーマに、デザイナーのナガオカケンメイによって2000年に創設され以降、ショップや出版、イベントと幅広く活動してきたデザインプロジェクトである。新進気鋭のデザインよりもその土地に深く根付く“その土地らしいデザイン”を見つけ、伝えることを目的とし、これまでさまざまなローカルに内在するロングライフデザインを紹介してきた。

 

 

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d&dが発行している『d design travel』は、「息の長いその土地らしいデザイン」という切り口で各都道府県のスポットを紹介する観光ガイドブック。「あいちトリエンナーレ2016」では、『d design travel AICHI』の制作やその取材を通して出会った魅力あるアイテムを展示する予定だという。今回のイベントは、その制作に一役買うことができるとあって、募集開始からわずか数時間で定員に達する人気ぶり(当日参加した人数はなんと90名!)。白熱の愛知トークが繰り広げられた会場の様子をお届けしよう。

 

SPECIAL REPORT :

愛知県のデザイントラベルを考える
「d design travel WORKSHOP AICHI」

Report & Photo: Yuka Hara [ LIVERARY ]
Edit : Takatoshi Takebe [THISS(NOT)MAGZINE, LIVERARY ] 

 

 

流行ではなく、その土地に秘められた個性を伝えたい。

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第1部は『d design travel』編集長・空閑理(くがおさむ)によるトークショーが行われた。

2ヶ月間自費でその土地に住み、様々なスポットを巡って掲載するモノ・コトを決めるという驚きの取材方法で制作しているのだとか。掲載するのは24箇所程度だが、実際には180箇所ほどをリサーチにまわり(1日5食の日もあったのだとか!)、その土地らしいものを探し続けているという。

「本当に感動したものしか掲載しない」と話す、空閑編集長。

原稿確認時に取材先にチェックしてもらうのは事実確認のみ。「このような紹介の仕方をしてほしい」という要望には一切応じないのだとか。その代わり何度も足を運び、地域の人と交流をしながら現地の人の話をじっくり聞く、そして担当者の本音を原稿にする。決して誇張せず、その町の日常を切り取るのがd&d流だ。発行後も、d&dの店舗で行う企画展やワークショップに取材したお店を招き、交流を続けてきた。

 

愛知県は山盛り文化!?

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第2部は、「d design travel」が採用している6つのカテゴリー(観光/レストラン/ショップ/カフェ/宿/人)に分かれて、愛知の魅力について参加者が議論。

各チーム2つ該当スポットを選び、最後に理由を含めて発表する。用意されているものは、該当箇所を記入する紙と付箋。思いついた場所や人を各々付箋に書いていき、その付箋を並べて議論していくのだ。

 

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様々なチームのディスカッションを見ていて感じたことは、そこに住んでいる人の情報は、人の思いや歴史、地理が含まれている、ということ。学生時代の思い出を交えながらその場所について話す人や過去のバックグラウンドや歴史について話す人、「ここに行ったら、こことここも寄るべき」など地理情報を加味して話す人もいて、長い間愛知県を見てきたからこそ出てきた意見が目立つ。

「愛知県は山盛り文化なのかもしれない」

全チームの発表を聞いて、空閑編集長はそう話す。確かに、”一つの場所でたくさんの魅力を堪能することができる”というプレゼンテーションが多かった。2ヶ月間の取材を経た後、d&d編集部は愛知県に対してどのような感想を持つのか?「d design travel AICHI」をぜひチェックしたい。

発表も含めて約1時間という短い時間だったが、「愛知について知ってほしい!」という参加者の熱意が存分に伝わってきたワークショップとなった。

 

“愛知県の可能性を感じた2時間”

盛りだくさんな内容だった今回のイベント。発表を終えた参加者に話を聞いてみた。今回取材をしたのは、このお二人。大ナゴヤ大学理事長の加藤幹泰さん(写真左)と、広告代理店勤務の早瀬裕章さん(写真右)。

 

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―今回のイベントの、どの部分に興味をもって参加しましたか?

もともと、D&DEPARTMENT PROJECTに興味を持っていました。今回のワークショップに参加した理由は、愛知県のロングライフデザインについて議論することで、自分の暮らしの視点が変わるのでは…と思ったからです。(早瀬)

―あなたなら、愛知県のどこを紹介しますか?

味噌おでんの「島正」です。地元の人ならではの赤味噌の使い方、お店の雰囲気などをぜひ感じてもらいたいと思いました。(加藤)

堀田にある「どての品川」です。八丁味噌をベースとした味噌カツです。昔ながらの赤ちょうちんの屋台のような雰囲気が名古屋らしい。(早瀬)

 ―本日の感想を教えてください。

「愛知号のキックオフをd&d編集部の皆さんと、愛知を盛り上げたい皆さんとともに、情報や意見を交換できたいい場になりました。”愛知県は何もない”という言葉も聞く中、愛知はいいところだよ!と笑顔で話している参加者をたくさん見ることができました。完成した『d design travel AICHI』を持って、県外の人が遊びにきてくれるのを楽しみにしています。」(加藤) 

 


今までも同様のワークショップを多数開催してきた空閑編集長は、イベントが終わった後「愛知県の人は明るく、積極性がありますね」と話した。今後2ヶ月間、d&d編集部が本日のワークショップで話題に挙がったスポットや人物など、愛知県の様々な場所を訪れ、取材していく…。日常のどんな風景が彼らにとって“愛知らしい”と感じるのか?本気ですばらしいと感じるのはどこなのか…?当たり前すぎて私たちが見過ごしてしまいがちな“愛知の魅力”とは?なお、編集部はSNSでも進捗報告を伝えていくのだという。今後の動きにも注目していきたい。

 

イベント情報

※このイベントは終了しています。
2016年3月21日(月)
愛知県のデザイントラベルを考える「d design travel WORKSHOP AICHI」
会場:アートラボあいち大津橋
時間:14:00〜16:00(参考資料:『d design travel』既刊号1冊付き)
http://aichitriennale.jp/index.html

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空閑理(くがおさむ)
『d design travel』編集長。1983年生まれ。2010年より、D&DEPARTMENT PROJECTに参加。ナガオカケンメイが創刊した、47都道府県ごとの個性を「ロングライフデザイン」の視点で編集するトラベルガイド『d design travel』を手がけ、これまでに18冊(18都道府県)を発行。2013年6月より編集長。http://www.d-department.com/jp/d-design-travel

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ナガオカケンメイ
d design travel 発行人。1965年北海道生まれ。2000年デザイナーが考える消費の場を追求すべくデザインとリサイクルを融合した新事業「D&DEPARTMENT PROJECT」を開始。2009年d design travel創刊。

posted by LIVERARY

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