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LIVERARY
FEATURE / 特集記事 Oct 07. 2015 UP
【SPECIAL INTERVIEW】『murmur magazine』編集長・服部みれいが美濃ではじめた、かっこよくて、心地よい、新しい田舎暮らし。

NEW OPEN! エムエム・ブックス みの(岐阜|美濃市)

Interview,Text : Cobo Sato
Photo,Edit : Yoshitaka Kuroda[ON READING , LIVERARY ]

歴史のある街で自分たちを試してもらってるというのが、すごくやりがいがあります。

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_なるほど~。今のみれいさんにとって本当にいい環境なんですね。美濃ってどんなところですか?暮らしてみてわかってきた魅力などありますか?

1300年以上の歴史がある美濃和紙をはじめ、すごく古い歴史のある街です。街の人は、みんなその歴史に誇りを持ってる。(美濃に住んで)50年経った人でも「まだわたしたちもよそ者扱いだよ」と言う方もいて。歴史のある街ってそういうムードがあって、わたしはそれを心底「すてきだな」と感じています。わたしたちのお店のことも、「どれどれ、どういうお店?」とどこか探られてる感じで、それが心地いい。イージーに入っていける場所よりも、歴史のある町で自分たちを試してもらってるというのが、すごくやりがいがあります。

_「ようこそ若者!」みたいな歓迎ムードは・・・ ?

うーん。まわりの方々にはとってもやさしくしていただいていますけれど、町全体からは「やれるもんならやってごらん」みたいな、すごい大先輩たちが距離を置いて見守ってるみたいな感触をもっています。そんな中で、50年後かもしれないし100年後かもしれないけど「ようやりんさったなも」って認められるような状況を目指していくのは、やりがいがありますよね。

_町とのそういった関係性も素敵ですよね。この場所ならではという感じで。お店としてはどんな展開を考えているんですか?

地方に暮らしてみて、オーガニックとか自然のものへの共感がまだまだ高くないのを感じます。みんな買い物は大きいスーパーで、という生活だから。テレビや新聞の世界に住んでいて、添加物を摂って化学繊維の入った服を着て。でも、もともと美濃和紙も天然素材で作られているものだったりするし、みんな体や感性では、わたしたちなんかよりずっと天然のものの良さをわかってると思う。だから、「本当にいいのものってこういうものだよ」ということを、少しずつ地道に紹介していく場所になっていきたいなと思います。自然食材も積極的に扱いたいし、天然素材の服とか、引き続き冷えとりグッズも・・・・・・。ホリスティックな、良質な情報や知恵を発信する場所にしていきたいですね。

実は、地元の人はなかなかこのお店で物を買わないんじゃないかな、と思ってたんです。でも、そんなことなかった。「絹の靴下よかった」ってクチコミで紹介してくれたり。近所のおばさま方もすごく熱心に買い物してくださるんです。すごくやりがいがあります。 

_きっと、扱ってるものや発信してることが、人が本来求めてるものに基づいてるからですよね。そこの部分は誰でも本能的に理解できるのかもしれないですよね。

そうなんですよね。だからわたしたちも、全方位的にオープンにして、どんな人にも自然のもののよさを説明するようにしてます。もう少し落ち着いたらワークショップやお話し会もやりたい。それから、メルマガなどでやっている悩み相談を、町のみなさんにもできたらすてきだな、と。聞き役しかできないけど。私自身もすごく気づきがあると思うんです。

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(陽のひかりが気持ちよい、洗練された印象の店内。デザインは、COSMIC WONDERの前田征紀氏が手掛けている。)

_町の人の悩み相談、すごくいいですね!駆け込み寺みたいな。場があるからできることですね。

ちょっとほっとするスポットっていうのかな、そこに行くと自分が本当のことを話せるというか、そういう場所が町の人たちにとっても『murmur magazine』の読者の方々にとっても、あるといいんじゃないかなと思ってるんです。いずれカフェもやりたいんです。カフェが成功したらゲストハウスもやりたくて。さらに、移住誘致も。美濃には空き家がすごくあるし農地もたくさん空いていて、しかも家賃がとても安いんです。だからみんなでそういうところに住んで・・・・・・。あとは仕事の問題だけ。それも考えれば出てくると思っています。食料は畑である程度賄えば、そんなにお金っていらないんですよ。おばあちゃんたちもみんな畑やっていて、とっても楽しそう。マイペースに自分のやることがあるって、すごく健康的です。だから、みんなが畑を駐車場1枚ぶんくらいずつ持って耕して、あとは好きなことやるっていう、今までと違う感覚で暮らせて、しかもおしゃれでたのしい、みたいな世界を美濃をベースに提案していけないかなあと思ってます。もう、これは、超・長期計画ですけど。

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エムエム・ブックス みの
岐阜県美濃市俵町2118-19
営業時間:水~金 12:00~17:00、土・日 10:00~17:00
定休日:月・火
問:0575-46-8168
http://murmurmagazine.com

 


 

服部みれい
文筆家、『murmur magazine』編集長、詩人。2008年春に『murmur magazine』を創刊し、2011年12月より発行人に(2015年から夫の福太郎が発行人)。冷えとりグッズと本のレーベル「マーマーなブックス アンド ソックス」主宰。あたらしい時代を生きるための、ホリスティックな知恵、あたらしい意識について発信を続ける。近著に『わたしの中の自然に目覚めて生きるのです』(ちくま書房=刊)。10月末~11月初旬には新刊『わたしのヒント』(大和書房=刊)、『わたしの手帖 2016』(エムエム・ブッブックス)が発売。忍田彩(ex.SGA)とのバンド「mma」では、ベースを担当。メルマガ「服部みれいの超☆私的通信ッ」発行中。岐阜県生まれ。

 

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