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FEATURE / 特集記事 Sep 14. 2016 UP
【SPECIAL REPORT:アッセンブリッジ・ナゴヤ2016】
切り出した丸太とともに、川沿いを移動し、港まちに上陸!?
前衛集団・ヒスロムが企てた、壮大なるフィールドプレイ。

Assembridge NAGOYA 2016

 

 

ヒスロムのプロジェクト初日に密着同行!

大自然と遊んでいるように進行していく彼らのプロジェクトは、〈フィールドプレイ〉と称される。※劇団維新派の故・松本雄吉氏がヒスロムの遊びをそう呼んだ。今回、スタートは岐阜県多治見市の愛知県との県境付近。そこから約1週間かけて、ヒスロムは川沿いに丸太を運び、入水ポイントの度に〈丸太との遊び〉を繰り返しながら、展示会場であるゴール地点である港まちへと移動していくという…。彼らの大掛かりなその活動を写真とともに時系列でレポートしていこう。

 

10:00 

山間の無人駅に集合

彼らと落ち合った場所は、山間部に位置するとある無人駅のロータリー。

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10:15

採石場へ

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採石場の従業員たちが山を削ることを、「山を喰う」と表現したのは印象的だったという。

 

今回の滞在制作を行ううえで欠かせなかったのは地元の方々との出会いだった。現地調査をしていたヒスロムたちは庄内川の上流を探る途中にあった、この採石場を偶然見つけた。「山から勝手に丸太をもらうことはできないが、山を切り崩していく採石場であれば、どちらにしても木を切り倒していく。そこだったら、丸太をもらえるかもしれない。」そんな軽い発想で、従業員に頼んでみたのだという。

 

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ヒスロム・吉田

 

「最初、採石現場なんで身体のごっつい人たちが『なんだ?』って感じで出てきて。で、専務という人を呼んでくれて。そしたら、その専務が気さくで若い感じのお兄さんで。」(吉田)

その専務の好意により、切り崩す途中の山へ入れてもらった彼らは、一本の木を見つけた。

 

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ヒスロムがゲットした丸太はこちら。皮は剥いた状態にして保管。

 

「今から、この丸太といっしょに川で遊んだりしながら、港まちへ持って行くわけです。もともと丸太って樹液を抜くために水に漬けたりするらしいんですよね。」(星野)

 

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ヒスロム・星野

 

5人全員でなんとか持てる重量の丸太を担ぎ上げる。

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用意した車になんとか丸太を積み込み、結びつけ固定する。

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そして、最初の入水ポイントへと出発。

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11:30

土岐川に到着。

庄内川の上流は「土岐川」と呼ばれる。事前に調査した最初のこの入水ポイントに停車。まずは記録撮影のために使うゴムボートを膨らます作業に。

 

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12:00

ボートが完成

続いては、丸太を全員で降ろし、いよいよ川沿いの入水ポイントへ。

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そして、ウェットスーツに着替え、

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続いて、さきほど膨らましたボートも搬入。

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12:30

いよいよ出発の時

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12:45

丸太と遊び始める

全員で川へ丸太ともに入ったヒスロム。探り探り、〈丸太との遊び〉を始めた。

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上に乗ってみたり、しがみついて回転させたり。

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転がしてみたり。

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シーソーのようにして遊んだり。

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丸太と戯れながら、感触を確かめているヒスロム。彼らがどんどんと自然の中に溶け込んでいく。その姿を眺めていると、彼らの行動はまるで意味のないことのようにも見えたが、同時にどこか知らない村の〈神事〉のようにも見えてきた。巨大な大木を複数人で山から運び、担ぎあげたまま草むらを抜け、丸太とともに川に入水し、まるで川の流れで清めるかのようにひたすら転がし続ける…このある種〈儀式的な行い〉をこの記事を書いている今も、彼らは人知れず執り行い、港まちへ向かっているのだ。

なんだか想像するだけで笑えてくる。すべてがシュールで、そしてフィクションのようにさえ思えてくるこのヒスロムのプロジェクト。展示初日までの、彼らのアクロバティックな道中については、LIVERARYにてレポートしていってもらう予定なので、今後の記事更新もお楽しみに!

さらに、彼らの今回のプロジェクトの前編として位置づけられる映像作品の上映会&トークイベントが9月22日(木・祝)にMinatomachi POTLUCK BUILDING 1Fにて行われる。またその1ヶ月後の会期最終日前日にあたる10月22日(土)には、ヒスロムたちによるパフォーマンスも。

果たして単なる遊びか、愚行か、芸術か?そして、そもそも無事に港まちへたどり着けるのか?この丸太はどんな形で展示されるのか?そして、展示された後はどうするのだろうか?

どう考えても気になって仕方がない。この気持ちは、彼らが人知れず開拓され、自然物から人工物へと変化していった山の風景に気づいたときと似た気持ちなのかもしれない。

 

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イベント情報

2016年9月22日(木)〜10月23日(日)
Assembridge NAGOYA 2016
会場:名古屋港〜築地口エリア一帯
休館日:9月26日(月)、10月3日(月)、10月11日(火)、10月17日(月)
※名古屋港ポートビル展示室は10月17日(月)のみ休館
主催:アッセンブリッジ・ナゴヤ実行委員会
構成団体:名古屋市、港まちづくり協議会、名古屋港管理組合、(公財)名古屋フィルハーモニー交響楽団、(公財)名古屋市文化振興事業団
問:アッセンブリッジ・ナゴヤ実行委員会事務局
名古屋市港区名港1-19-23 港まちポットラックビル
TEL 052-654-7039(受付11:00〜19:00)
http://www.assembridge.nagoya

【音楽部門】
2016日9月22日(木)〜9月25日(日)
ピクニックに出かけるように、港まちで音楽を。
港まちに、総勢200名の奏者が集結!

会場:つどいの広場特設会場 水の劇場<ヴァッサービューネ>、名古屋港ポートビル、ポートハウス、港橋広場公園、名古屋港水族館、港まちポットラックビル、港まちの喫茶店、居酒屋 ほか
出演者:名古屋フィルハーモニー交響楽団、ジャン=マルク・ルイサダ、ミシェル・ベロフ、円光寺雅彦、なぎさブラスゾリスデン、三浦一馬、村治奏一、中部フィルハーモニー交響楽団、セントラル交響楽団、茂木大輔、大宮臨太郎、島田真千子、宮坂拡志、朴葵姫、赤坂智子、高橋礼恵、辻本怜、山根一仁、今峰由香、岩崎洵奈、名古屋ダブルリードアンサンブル、名古屋アカデミックウインズ、愛知室内オーケストラ、Arion Saxophone Quartet、弦楽アンサンブルフルール、Nuovo anno、La la quart、Fleurs、トリオ de ブランチ、Trio Reson、ISSAKU & SACCO、加藤恵利子、佐藤光、佐野功枝、安田祥子、吉田絵奈、KASH ほか
料金:無料 ※ヴァッサービューネでは一部サポーター席(有料)、ポートハウスの公演ではアッセンブリッジサポーター限定公演があります
企画:中村ゆかり

【アート部門】
2016年9月22日(木)〜10月23日(日)
パノラマ庭園─動的生態系にしるす─
会場:港まちポットラックビル、旧・名古屋税関港寮、名古屋港ポートビル、ボタンギャラリー、旧・潮寿司 ほか
時間:11:00〜19:00
パスポート料金:700円(「あいちトリエンナーレ2016」のチケット提示で600円)
※名古屋港ポートビル展示場入場券を含む
※中学生以下は無料(名古屋港ポートビル展示室はのぞく)
※パスポートは、ご本人に限り会期中何度でも入場可(名古屋港ポートビル展示室は1回のみ)
参加アーティスト:碓井ゆい、臼井良平、L PACK.、遠藤俊治、オル太、城戸保、クリス・チョン・チャン・フイ、コラクル+渡辺英司、ゴードン・マッタ=クラーク、下道基行、鈴木悠哉、玉山拓郎、徳重道朗、トラベルムジカ、中尾美園、ヒスロム、山本聖子
企画:服部浩之、Minatomachi Art Table, Nagoya [MAT, Nagoya](吉田有里、青田真也、野田智子)

2016年9月22日(木・祝)
ヒスロム関連イベント1:ヒスロム「美整物̶〈例えば〉を巡る」 映像上映会
本展出品作の前編として位置づけられる映像作品《美整物 <例えば>を巡る》を上映。
会場:Minatomachi POTLUCK BUILDING 1F
時間:19:30〜21:00
定員:30名(予約不要)
講演:ヒスロム(聞き手・服部浩之)

2016年10月22日(土)
ヒスロム関連イベント2:
ヒスロムパフォーマンス
会場:旧・名古屋税関港寮
時間:19:30〜20:30
定員:30名(予約不要)
参加費:500円

ヒスロム

hyslom/ヒスロム(加藤至・星野文紀・吉田祐)は山から都市に移り変わる場所を定期的に探険している。2009年から始動。この場所の変化を自分たちが身体で実感する事を一番重点に置き、その時々の遊びや物語りの撮影を行う。ここでの記録資料を作るにあたり、映像、写真の他に出会った人々を演じることや、日記、スケッチの作成、立体物の制作やパフォーマンスなど様々な方法を試みている。2012年第6回AACサウンドパフォーマンス道場で優秀賞を受賞。http://hyslom.com/index.html

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