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FEATURE / 特集記事 Oct 04. 2025 UP
【SPECIAL INTERVIEW】
10年余りにわたる活動の軌跡を収めた初の作品集を発行した、
グラフィックデザインの雄・三重野龍に訊いた10の質問。

2025.09.13.Sat - 10.6 Mon | 末広町商店街(愛知|瀬戸)

 

「国際芸術祭あいち2025」開催地である瀬戸の商店街の一角にOPENしたLIVERARYによる期間限定のショップ「LIVERARY Extra Season 5」内にて、10月6日(月)までアーカイブ展を開催中のグラフィックデザイナー・三重野龍。同企画は、三重野の10年余りにわたる活動の軌跡を収めた初の作品集『龘|TOU』(TISSUE PAPERS刊)の刊行を記念した企画展の愛知編だ。(合わせて京都のVOU/棒の10周年ブック発売を記念したPOP UPも同時開催)

 


「作品集刊行記念 三重野龍 龘|TOU展 VOU ver.  愛知編 feat. XO棒 愛知番外編 in LIVERARY Extra」展示風景

 

彼と知り合った時はまさに10年ほど前。大学時代に仲間内で作っていたZINEを見せてもらった時の衝撃は凄かったことも思い出深い……そんな彼は活動10余年を迎えさらなる高みを静かに確実に歩んでいるように見える。いつも物静かで、どこか無骨さも感じさせる、独特な雰囲気を纏っている印象の三重野龍に10の質問を投げかけた。

 

SPECIAL INTERVIEW:

三重野龍

Interview,Text&Edit:Takatoshi Takebe[LIVERARY]
Photo:Ryutaro Endo

 


VOU/棒が各地で行ったPOP UPや周年など関連企画のポスターアーカイブと三重野龍。

 

Q1
漫画の表現が三重野君のグラフィックデザインにおける重要なソースとなっている、という話を聞きましたが、小さい頃からの影響なのでしょうか?幼少期〜小学生くらいまでを振り返ると、どんな子供だったと思いますか?

小さい頃は家にはあまり漫画が無く、集め出したのは中学生の頃です。
うちは、転勤族で、地元という地元もないくらいだったんですが。その頃は東京に住んでいて、毎年夏休みになると、神戸に住んでるいとこの家に遊びに行くんです。
その行き帰りの新幹線の時に2,3冊漫画を買ってもらえるんですが、その巻数で完結するものを探し始めた時に、松本大洋の花男や、手塚治虫の短編に出会ったのがきっかけです。

子供の頃は習い事が何も続かない、何も考えてない猿やったなと思います。
いろんなことに好奇心はあるけどきっかけがない状態だったなとも思います。

Q2
好きな漫画家、影響を受けている漫画家は?どんなところにそれが表れていると感じますか?

手塚治虫、赤塚不二夫。

当たり前みたいなレジェンドのお2人ですが、とにかく絵が上手いしトーンを使わない白黒の表現を試しまくってる。
引く線の確実さやコマ割りの自由さなど、漫画でできることを縦横無尽にやってて、やっぱすごいなと思います。
あとはなによりタイトルを手を抜かずに作ってることにかなり影響を受けています。
表紙や扉絵の強さは今の漫画にはほとんど見られない強烈なカッコ良さがあると思います。

Q3
グラフィックデザイン(特に手描き文字のデザイン)においては、各務原のWSでもご一緒していただいた、大原大次郎さんを支持されてますが、他にも好きなグラフィックデザイナーを挙げるとしたら?

特にいないっちゃいないんですが、近いところで言うとしんご君はすごいな〜と思います。
自分とは全然違う思考でものを作ってるし、そのアイデアの数もクリティカルな感じもすごい。
いろんなタイプのものがあるけど、しんごブランドの輪郭はちゃんと保ってて、しっかり考えてるんやなぁと感心します。

Q4
ここ最近、コンタクト・ゴンゾのメンバーとしてシンガポールに行っていたと聞いてますが、何か印象的なエピソードあれば教えてください。

ゴンゾのサポートで参加するのはコロナ前以来の6年ぶりでした。その間自分の状況も色々と変わり、この3年ぐらい筋トレや運動をしてませんでした。家で仕事をしていて、買い物や飲みに行く以外は家にいるので、本当に寝てるか座ってるかの生活です。
なので急にゴンゾやるってなった時に、ただジャンプするとか床に転がるとか、そういう基本的なことへの恐怖心を少し感じたことに驚きました。
ましてビンタとか普通に怖っ!って思いました。

 


Q5

コンタクト・ゴンゾでの活動など、グラフィックデザインとは関係のない活動もされていますが、全く無関係のようにも思ません。三重野君のデザインに宿る力強さだったり、フィジカル感と通ずるところがあります。ゴンゾから影響を受けている点はありますか? また、そもそもなんで参加したんでしょうか?

影響というのは特にないですが、自分の部屋にいても感じられないものはたくさんもらってるなと思います。
普段認知してない自分を知れるような感じです。
元々は運動好きで、そういう視点から作れていた部分はあったかもしれないですが、さっきも言ったように今は全く動いていないので、イメージと実際がずれて来てるような感じがあります。
取り戻せるうちに戻したいなと思ってます。

Q6
デザインを辞めたいな〜って思ったことはありますか?具体的なエピソードも教えてください。

ないですね。
デザインが好きで始めたというよりは、なんとなく自分の役割だったからやり始めたところもあるので、役割が続くならやると思います。
もともとはイラストコース志望でしたが、落ちてたまたまグラフィックデザインコースに入ったこととかも、今思うとそういう筋道だったように思います。

Q7
これまで制作したグラフィックデザインをまとめた本が出版され、今回はそれを記念した展示の愛知編というこではありますが、収録されている中で、これまで作ったデザインでBEST3を挙げるのならどれですか?

順位は付け難いですが

赤塚不二夫マンガ大学展(2011)
芸術植物園(2015)
VOU ロゴ(2015)

この3つです。

赤塚不二夫マンガ大学展は大学出て初めての仕事です。
1年目にしてはよく出来てるなと思いますし、この仕事で自分の存在を知ってくれた人も結構いたので、よかったなと思います。


「赤塚不二夫マンガ大学展」ポスター(C)赤塚不二夫

 

芸術植物園は初めての美術館の仕事でした。
なので、初めてチケットやカタログまでやらせてもらえてありがたかったです。
この時のチラシは今でもめちゃくちゃ気に入ってて、これが一番人からもよかったねって言われます。

 


芸術植物園 BETWEEN BOTANY AND ART(2015 / 芸術植物園展実行委員会)

 

VOUロゴは当時の自分の実力以上のものが作れたなぁと思います。他の案も沢山作ったんですが、段違いで今のロゴが良くて、ほんまにこれ作れてよかったなと思います。
自分史的に2015年はめちゃくちゃ波が来てて、他の仕事も調子上げてた年です。

 


VOUロゴがデザインされた棒キャップシリーズは不動の人気商品の一つ。


VOUのために制作されたロゴデザイン120点を展示。”なごや”の文字をリミックスした手ぬぐいも今回用に制作。

 

Q8
デザインをする上で、よし!できた!と思えるタイミングは、どの部分がうまくいったときに思いますか?自分のデザインの軸というか、デザインの「何」を「どこ」を重要としているか?が聞きたいです。

チラシのデザインはあんまりロジック的なものは無くて、いじくりまわして決まる瞬間を待つという感じです。
ロゴとかは”立つ”と完成が近いなと感じます。
自立するというか、物としてそこに在る感じ。
どちらにせよ僕が重視してるのは、物欲をそそるかどうかですね。チラシなら綺麗に持って帰りたい!って思って欲しいし、ロゴとかなら立体にしてポケットに入れときたい、とか。

Q9
今回の名古屋滞在中に感じたこと、面白かったこと、印象的だった出来事について教えてください。

よその土地に行くと思うんですが、街の作りや生えている植物や人など、あるものが少しずつ全部が違くて面白かったです。
瀬戸で印象的だったのはやっぱ「せともの祭」ですよね。
とんでもない数の人が集まってて、その中心にあるのが焼き物っていうのが凄いなと思いました。

 


「せともの祭り」で盛り上がる商店街にて


「ワレモノ注意」をテーマに制作されたトートバッグ。VOU/棒ロゴと三重野ロゴが叩き割られている。

 

Q10
最後に、これまで確実に切磋琢磨してきたであろう、10周年を迎えた「VOU/棒」(川良くん)へ、これからのメッセージがあればどうぞ。

まだまだ頑張りましょう。
旅行とか行こう。

 

イベント情報

2025年9月13日(土)〜11月30日(日)
LIVERARY Extra Season 5
場所:愛知県瀬戸市末広町2丁目25
営業時間:10:00~17:00
※瀬戸市のまちなか会場の開館時間に準じる
定休日:火曜日(火曜が祝休日の場合は翌水曜)
※瀬戸市のまちなか会場の開館日に準じる(11/25(火)は臨時開館)
企画・ディレクション・デザイン:武部敬俊(LIVERARY)

9月13日(土)〜10月6日(月)
「作品集刊行記念 三重野龍 龘|TOU展 VOU ver.  愛知編 feat. XO棒 愛知番外編 in LIVERARY Extra」

10月8日(水)〜20日(月)
「地想の土産屋  in LIVERARY Extra」

*以降11月30日(日)まで企画展続々開催予定。最新情報はコチラ @LIVERARY_EXTRA

三重野龍(みえのりゅう)
1988年兵庫県生まれ。2011年京都精華大学グラフィックデザインコース卒業。大学卒業後、京都にてフリーのグラフィックデザイナーとして活動開始。美術や舞台作品の広報物デザインを中心に、ロゴやグッズなど、文字を軸にしたグラフィック制作を実践。2025年、10年以上の活動をまとめた作品集「龘 / TOU」を出版。現在までなんとか生き延びている。https://www.instagram.com/mienoryu/

VOU/棒(ぼう)
2015年に京都で開業した、ギャラリーとショップが併設されたスペース。四条河原町からほど近い住宅街に位置し、元印刷所を改装した3階建ての「VOU bldg. / 棒ビル」にて営業している。展示と販売を通じて、多様なカルチャーや表現を交差させる場を生み出している。 VOU/棒の10周年を記念した、全国ポップアップツアー「XO棒 -XrossOverVOU-」を開催中。各地で出会う文化や人々と交差(クロスオーバー)しながら、 ここでしか体験できないスペシャルなコンテンツを発信する。https://www.instagram.com/voukyoto/

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