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FEATURE / 特集記事 Dec 20. 2016 UP
【#LIVERARY_TOYOTOMI 】
古き良き文化を受け継ぎ、新たな価値を創造する。
ストーブを通じて考える、本当の豊かさについて③
原佳希(magic children / studio truss)

ストーブを始めさまざまな冷暖房機器メーカーとして、愛知を代表すると言っても過言ではない「TOYOTOMI」。その歴史は旧く、創業から今年で67年。そんな老舗メーカー「TOYOTOMI」が2014年から発売開始した石油ストーブの新シリーズは原点回帰的アプローチのものに。

かつてのストーブが持っていたデコラティブな装飾なども取り入れ、古き良き時代を思わせるあしらいが施されたこの新しくて懐かしい新機種は、灯した炎が七色に見える名機RB-2「レインボーストーブ」、そして月明かりのような炎が特徴的なML-20「ムーンライター」という2つの炎を受け継ぎ、復刻デザインされたもの。その名も「クラシック」(略称:CL)。

 

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左から順に、「レインボーストーブ」、「ムーンライター」、そして、「クラシック」。

「CL」に込められた思い。それは、昔懐かしい「ストーブのある風景」を思い起こさせるノスタルジーだけではない。とことんまで無駄を排除していくコスパ重視の世の中に対する提案のようにも感じられる。「本当の意味での豊かさとは何か?」そんなことまで考えさせてくれる。

LIVERARY編集部では、〈古き良き伝統を受け継ぎつつ、新たな価値を見出していく〉という意味でのCLのスタイルとリンクする、6つの場所をセレクト。西アサヒCULTURE CLUBCafe DufiSTUDIO LA CAUSE、THE APARTMENT STORE、そして同店のオーナー宅……この6つの場所の主たちがどんなことを考え、今を生きているのか?「CL」の七色に輝く、優しい炎で暖まりながら、じっくりお話を伺ってきました。

※各お店の店頭では実際に「CL」を使用していただいています。実際に足を運んで「CL」の炎をご体感ください。

 

LIVERARY × TOYOTOMI |その③

YOSHIKI HARA [studio truss / magic children co.,ltd ]

Text & Edit : Takatoshi Takebe [ LIVERARY, THISIS(NOT)MAGAZINE ]
Photo : Takayuki Imai

 

時代を超えるモノの魅力、その強さ。

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原佳希さん。

 

LIVERARYTOYOTOMIの共同企画シリーズ最終回は、名古屋を拠点にセレクトショップ運営〜空間デザイン業までを手がける、原佳希さんのお宅訪問取材。

 


原佳希/アンティーク家具・雑貨、古着〜デザイナーズものまでのアパレルを取り扱うセレクトショップを名古屋に4店舗運営(前回掲載したTHE APARTMENT STOREも系列店のひとつ)。近年ではさらに活躍の場を広げ、販売業だけでなく「studio truss」名義で結婚式場やヘアサロンといった商業施設の内装デザイン〜什器のセレクトなどの空間設計業も。TOYOTA ROCK FESTIVAL、SOCIAL TOWER MARKETといったフェスのステージ装飾も担当。


 

今回は、そんな原さんが普段、奥さんの真由美さんや子供たちと生活を共にする住まいにお邪魔した。名古屋市の中心地からやや南進した住宅街の一角にある彼の住まいは豪勢な戸建て住宅などではなく、アパートの一室を改装したリノベーション物件だ。

 

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写真左が奥さんの真由美さん。2人が腰掛けているソファは岡崎市の家具職人「CARAVAN FURNITURE」さんと原さんが共作したオリジナル。 

 

「もともとこのマンションは、僕が幼少期を過ごした実家なんですよ。」と原さん。両親が別の家へ転居しこの場所が空き、再び自分が住んでいた場所へと戻ることにしたのだそう。リノベーションの施工は、原さんを含めた会社のスタッフ、そして友人の家具職人らとともに行われ、4ヶ月を費やしてようやく完成に至った。敢えて古いマンションを利活用した原さん夫婦の思い、ユニークなアイデアやDIYな施工の魅力、さまざまなモノのディティールに光る物語がこの空間の中にしっかりと存在している。

 

隠さず見せる、オープンであることを徹底した空間デザイン。

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もともとの間取りは部屋が複数に分かれていたが壁をとっぱらい、キッチン、ダイニング、リビング、子供部屋をひとつの空間にしたことで、開放的なワンルームとなっている。

 

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キッチンの水道管がむき出しになっているスタイルはアメリカではよく見られるという。「水道管って壁や床下に隠されてしまっているのが普通だと思うんですが、むき出しにしてあえて見せるとかっこいいんですよね。」と原さん。

 

“古き良き”プロダクトが部屋中に! 

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手挽きのコーヒーミルは1930年代のもの。

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こちらは仏製「Gras」lamp。近代建築の三大巨匠・コルビジェも愛したという名機。

 

1920年代に開発されたこちらのグラのライト。ヘッドだけを奇跡的に見つけたため、アーム部分は鉄管を溶接して復元/改造したのだそう。「本物と比べると、実はこれアーム部分を少し長く付けてあって。どうせなら本物を超えてやろう!みたいな(笑)」と原さん。「でも、今となっては長いアームのほうが使いやすくてよかったよね。」と真由美さん。

人間の関節のように動き、光を当てたいポイントだけ的確に照らすことができるこのグラのスポットライトはコルビジェのような建築家の図面台の上や、医療現場では手術台を照らすライトとして重宝されていたのだそう。「モノの形状とかの裏にある理由とか物語のディティールが好きなんですよね。」と原さんはまじまじとライトを見つめながら語った。

 

壁一面の本棚は見た目のかっこよさだけでなく「家族みんなの棚」として機能。

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「子どものおもちゃとか絵本とかも全部片付けて見えなくしてしまうオシャレなことはしたくなかったし、ショウケースの中におもちゃとかがごちゃごちゃって並んでるのってすごくかわいくてもともと好きでさ。だから、ディスプレイとして見せちゃえばいいかなって。」と原さん。原さんの本や書類棚も兼ねており〈家族みんなの本棚〉といえる。「生活感があったっていいじゃないっていう考え方は私も共通していて。」と真由美さん。

さらにこの本棚の奥を覗くと、そこには子供たちのベッドルームが。「このアイデアは、ドラえもんが押入れで寝てるところに着想を得たんです(笑)」。デッドスペースの活用法としても魅力的。夜になったら子供たちが読んでいた本や教科書を棚に片付けて、本棚を通り抜けて眠りにつく、そんな何とも可愛らしいシーンが目に浮かぶ。


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DIY精神とひらめきを形にするおもしろさ。

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「玄関を入ってすぐのところにある、このロッカーはすごいよ(笑)」と原さん。

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「もともと他のドアはすべて統一された木製のものに揃っていて、ここだけ変な色が塗ってあって『さてどうしようか?』ってなって。でも、戸びらそのものを付け替えるのもお金がかかるしな〜ってなって。『よし、裏返しちゃおう!』って塗装面を中面にしたんだよね。『これは相当な荒業ですね(笑)』ってみんなに言われたけど、言われないと気づかないしイイ感じでしょ? もちろんお客さんの家でこれやったら怒られちゃうかもしれないけど、予算が決まっていてその中でどうするか?って考えて、やれる範囲で最善を尽くすってスキルも大事なことだよね。」

 

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CL-25E(A)
「ストーブで料理をする母の姿で冬を感じた」「家族や友人とストーブを囲んで談笑をした」現在では、なつかしい存在となっている石油ストーブ。炎の優しいあたたかさや、その上に置いたポットから立ち上る湯気、石油ストーブには他の暖房機器にはない「ぬくもり」があります。“心まであたたかくなる炎”をコンセプトに、CL-25Eを通して石油ストーブの良さを知ってもらえたらと思います。懐かしさのあるデザインは、和・洋のどちらのお部屋にも馴染みます。また、お部屋に置いておくだけでもアクセントになります。あなたのお部屋にもぜひ「CL」をどうぞ。
http://www.toyotomi.jp/design/cl/

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