「出張版 月光密造の夜 ~名古屋編~ 」NAGOYA CLUB QUATTRO(愛知|矢場町)
先日、LIVERARY記事内でお伝えしたとおり、来る8月24日(月)名古屋クアトロにてライブを行う、スカート、ミツメ、トリプルファイヤー。それぞれのバンドでボーカリストを務める、澤部渡(スカート)、川辺素(ミツメ)、吉田靖直(トリプルファイヤー)の3人、通称「東京インディー三銃士」が8月11日(火)に来名。名古屋クアトロ公演の1週間以上前という早すぎる前夜祭(?)が、円頓寺の喫茶店兼宿泊施設「西アサヒ」にて3名それぞれの弾き語りスタイルで行われた。
実は、同日昼間にLIVERARY編集部は、名古屋プチ観光ツアーを企画。真夏の太陽が照りつける中、編集部オススメの3スポットを三銃士とともにまわってきました。「写ルンです」片手に写真撮影しあったり、夏休み感たっぷり!な笑い声と汗にまみれた、はじめての名古屋観光レポと、赤裸々に語り合った三つ巴インタビューをどうぞ。
東京インディー三銃士が名古屋・栄で、ぶらり観光ツアー!?
彼らの三者三様の音楽性と、相思相愛な関係性を紐解く。
栄の中心地からほど近いところにある喫茶ボンボン(駐車場)にて集合。
14:00 PM
喫茶ボンボン 泉本店
1949年(昭和24年)創業の老舗・喫茶ボンボン。名古屋在住の方なら知っている方も多いであろう、人気喫茶店のひとつ。同店は、種類豊富で目移りしてしまう絶品ケーキがリーズナブルな価格帯でいただける洋菓子店でもある。メニュー表に載っていないケーキもあるため、ショーケースからケーキを選んで注文もできる。
ちなみに、三銃士はそれぞれに名物ケーキを注文。
さて、全員のケーキがテーブルいっぱいに出揃ったところで、三銃士の関係性を紐解くためインタビューを開始。
音楽性の全く違う3バンドが相思相愛な理由とは?
「もともと僕がミツメ、トリプルファイヤーのファンだったんです。(澤部/スカート)」
澤部:俺たち3人とも87年生まれで、同い年なんですよ。
―へー。意外!なんとなく、澤部君が年上かと思っていました。
川辺:最初、下北シェルターでスカートと対バンして。その後、シェルターの店長から「一日空いてるからなんかやらない?」って言われて…。それでこの3バンドでライブすることになって…。
―三銃士結成?
川辺:(笑)。いや、そのときは「フラットスリー」でした。
―すでに名前があったんですね(笑)。
吉田:自分は、フラットスリーの意味わかんなかったんですよね(笑)。
澤部:それが2012年くらいの話で。その翌年、その3組でまたやったらおもしろいんじゃないかってなって。もともと「月光密造の夜」ってスカートの自主企画タイトルだったんですけど、それがだんだん乗っ取られていったって感じです。シェルターの後に、WWWでやって。
―で、その後、京都、沖縄とやって、今回名古屋でやるんですよね。でも、普通に考えて、集客面を考えても、あまり何回も同じ組み合わせでイベントってやらない気がしますが(笑)。
川辺:この3組が集まると、毎回、妙なお祭り感が出るんですよ。今回だったら「東京インディー三銃士」っていう言葉ができたり。変なトピックが持ち上がって、本人たちレベルではすごい盛り上がるんですよね。だから、毎回場所を変えつつ、時期を見てまたやろうか!みたいなノリで。
澤部:あと、そもそも僕がミツメ、トリプルファイヤーのファンだったってのがきっかけです。スカートがいわゆる王道のポップスをやっているとしたら、ミツメとトリプルファイヤーってそこからは少しだけ離れたものだと思うんですよ。そこを軸にしたとき、もともともちろん音楽性は違うんですが、ミツメとトリプルファイヤーの音楽性がどんどん離れていく感じが非常に痛快で。独自の進化を遂げていったというか…。そこが面白くって。
―なるほど。ちなみに、吉田君も毎回ノリノリでこの企画に参加してるんですか…?
吉田:毎回けっこーノリノリです(ぼそぼそ)
澤部:言わされてる感!(笑)
―僕的にはこの3バンドが仲が良いってのは全然知らなかったんですよね。ネットとかで情報は見てはいるんですが…。
澤部:まあ、インターネットも村社会ですからね(笑)。
―3組とも、他に仲の良いバンドとかってのはいない感じですか?
吉田:僕はここがホームですね。
澤部:え、そうなの!?(笑)
川辺:シャムキャッツとはよく対バンしてて交流がありますね。
―プライベートまで仲が良いみたいなバンドはいなさそうっすね?
澤部:僕らも別にプライベートまで仲良かったりはないっすね。「東京タワー行こうよ〜」みたいなのはないっす(笑)。3つの共通項的なバンドは、昆虫キッズだったかもしれない。
―澤部君も他に仲良いバンドとかっていないんですか?
澤部:そんなに思いつかないんですよね~。。。一方的に仲良いつもりでいたりしたら恥ずかしいし。。。でもNRQの牧野さんは個人的に仲いいと思い込んでます(笑)。
「澤部君は、初めて対バンしたときに、リハ聞いただけなのに物販にあった音源、全部買ってくれてて…(川辺/ミツメ)」
―3つともそんなに仲良くしてるバンドがいなさそうって思ってました。あんまりどこかに所属してる感がない、つながりが見えない、徒党を組まない活動の仕方をしてるな〜ってのが、共通項かなとも思ったり。
川辺:あ〜。
―逆に言うと孤独なのかもしれないですけど(笑)。
澤部:ミツメもスカートもトリプルファイヤーもみんな自主レーベルでやってるってのも影響してるのかも。
―じゃあ、お互いのバンドのどこが好きなのか?を言ってもらっていいですか?吉田君からお願いします。
吉田:いやあ、恥ずかしいですね…。スカートは、音楽愛みたいなのを感じますね、澤部くんはいろいろ知ってるんで、音楽をよく知っています。
澤部:そんな言い方(笑)。
吉田:あと、気遣いとかすごいできるんですよね。
澤部:人間性(笑)。
―でも、ほんと全然違いますよね、人間性含め。澤部君とかってめちゃ熱い感じじゃないすか、音楽的にも。でも、ミツメ、トリプルファイヤーってどちらかというと陰な感じで、クールなイメージで。お互いに似ていないからこそ、惹かれ合ったて感じですかね?
澤部:そうかもしれないっすね〜。でもほんとどちらのバンドも最初に聞いた時はめちゃめちゃ衝撃的で。
川辺:澤部君は、まず僕らと初めて対バンしたときに、リハ聞いただけなのに物販にあった音源、全部買ってくれてて(笑)。
澤部:バッジとかもね(笑)。でも、ほんと87年代生まれの同世代バンドでシンパシーを感じられるバンドがなかなかいなくって。僕らがほそぼそとやってたときに、下からの突き上げがすごくて。僕の大学の後輩バンドで言うと、KEYTALKとかね。
―トリプルファイヤーとの出会いはどんな感じだったんですか?
澤部:まず、音源からの出会いでしたね。アルバムが出た時に、いいから歌詞カード読んでみなよって知り合いに勧められて、歌詞カードを読んだら「今ではこうしてロシア文学を嗜むこともできる、ほんとによかったガンダーラ〜」みたいな詞が書いてあるわけですよ!これはヤバイ!ってなってその足でJET SET行ってCD買いに走りましたね!トリプルファイヤーって歌詞から入ったらもう想像できないんですよね。これいったいどういう音楽になってんだ!?って。
「歌詞を書くときはわざと難しい本とか読んでます。(吉田/トリプルファイヤー)」
―なるほど。
澤部:やっぱ「何これ?!」っていうのが好きで。ミツメも、はじめて観た時にメンバー全員がギターとかベース以外にシンセ持ってて、それってもう見た目だけで最高!ってなって。どういうことだ?これは!?っていうのに舞い上がっちゃうんですよね。
―川辺くんから見て、スカートはどうですか?
川辺:最初は、澤部君のツイッターの副アカウントがあって、それのアイコンが中学生の時の写真みたいなやつなんですけど、それが、秋葉原グッドマンの周年イベントのポスターの出演者のところに載ってて、「なんだこれ!?」ってなって、家帰って曲をネットで探して聴いてみたら、ええ!これ!!ってなって。で、初めてライブ見た時は往年のロックスターみたいな迫力で(笑)。うちのバンドってメンバー揃ってみんなが好き!みたいなのってあんましないんですけど、スカートはみんな好きなんですよね。
澤部:あ〜むちゃくちゃ嬉しいね。
歌詞との向き合い方も三者三様。
―ちなみにトリプルファイヤーってどうやって歌詞作ってるんですか?
吉田:なんか歌詞を書くときはわざと難しい本とか読んでます。昔の哲学書とか。難しい文章を読んでると、歌詞書くことが簡単な気がしてくるんで…。
澤部:そういうことか!(笑)
―なるほど、なんか哲学的なものを感じさせる匂いの部分は残ってますよね。歌詞に。
澤部:一周回った何か、みたいなのがあるんですよね。吉田君は、根が哲学家なんじゃないか?っていう気がしていて。だから、どんなチャラいことを言ってる歌詞であっても、哲学に聞こえてしまうというか。
―深いですね…。二人は歌詞とかどうやって考えてるんですか?
澤部:僕は漫画がすごい好きなんで。なんとかしてこの漫画のこのコマを歌詞に落とし込めないだろうか?みたいなことを考えますね。実際にそれができてるかどうかは別として、やってみるだけやってみるみたいな。最近だったら、入江亜季さんの『乱と灰色の世界』ていう漫画とか。魔法使いの家系の子が主人公の漫画ですね。
―好きなシーンとか説明してもらえますか?
澤部:最終巻の7巻の裏表紙の絵がすごくよくて。これ、なんとか歌詞にできないかなって思って、スカートの新曲はできましたね。
―川辺君はどうですか?
川辺:僕は……言いづらいですけど、歌詞を書くためになんかするってのはないっすね。曲にハマる歌詞を作るって感じで。ハマった!っていう瞬間があるんで、それを目指して試行錯誤し続けるっていう書き方なんですよね。
―ミツメって、三組の中でも歌詞の重要性が一番低い感じがしますよね。音として歌詞を入れてるっていう感じがして…。だから、今の話は納得がいきますすね。
川辺:あ~。そうかもしれないっすね。何でもいいわけでは無いんですが、しっくりくるところを目指して、最後の最後でワッと作る感じあります。
お互いの曲をカバーし合った、相思相愛な三つ巴カバーアルバムについて
「6曲入りのカバーアルバムの3分の2がトリプルファイヤーなんですよ(笑)。」(川辺)
―それぞれの曲をカバーしあってみてどうでした?
澤部:トリプルファイヤーに関して言えば、感情移入とかはできないっすよね(笑)。ミツメのカバーは比較的すんなりできたんですけど。逆に言えば、普段はメロディーを歌わない吉田があんなまっとうに歌ってくるとは!って思いましたね。
―吉田君はどうですか?
吉田:いやぁ、勉強になりました。
一同:(笑)
澤部:もうトリプルファイヤーはずるいっすよね。誰の曲やってもトリプルファイヤーになっちゃうんで。
吉田:あんまりその…失敗とか気にしないっていうか。転んでもいいっていうか…。キムタクとかが転んだら失敗ってわかっちゃうんですけど…。
一同:(爆)
吉田:ミツメの曲ってさらってしてるんですけど、「なんかこれ、恋の歌なんだな」って気づいて。なんかあったのかな〜って想像しちゃいました(微笑)。
―(笑)。
川辺:もう吉田君の歌い方が耳についちゃって、自分の歌なのにメロディラインが吉田君のカバーに引っ張られちゃうみたいな(笑)。それくらいトリプルファイヤーは、ミツメの曲もスカートの曲もトリプルファイヤーになっちゃってて、俺らとかスカートがトリプルファイヤーの曲カバーしてもトリプルファイヤーの成分が強すぎて、残っちゃってるから…もう、6曲入りのカバーアルバムの3分の2がトリプルファイヤーなんですよ(笑)。
澤部:全く別物にしてやろうとかって思ったんだけど、トリプルファイヤーの哲学を取り除くことができないってことがわかった、負けですよ我々の(笑)。
澤部君はおみやげに、ボンボンのキャラクターであるクマを型どったちょっとシュールな「くまちゃんサブレ(150円)」を購入。これはかなりかわいい。
最後に、優しい笑顔と花柄シャツが素敵なボンボンのママさんと記念写真をパシャリ。
お腹を満たした三銃士、次なる場所へ…。
喫茶ボンボンは、独特の雰囲気があり、東京の好きな喫茶店、タイムスを思い出しました。ケーキの値段設定にも驚きです。シンプ ルながらも愛される理由がわかる素晴らしいお店でした。その場でインタビューだったんですが場の雰囲気もお店の雰囲気もいいから話が弾みました ね。僕はお土産に「お元気」と書かれたくまのサブレを購入。すっごくいいです。食べるのがもったいない。
澤部(スカート)
2015年8月24日 (月)
出張版 月光密造の夜 ~名古屋編~
会場:名古屋CLUB QUATTRO
OPEN 19:00 / START 19:30
前売り2800円 / 当日3300 円(別途1ドリンク代) ※学割前売2000円(別途1ドリンク代)
税込・整理番号付・スタンディング、入場時ドリンク代別途500円が必要です。
一般発売日 2015/07/18 (土) チケット販売 e+ / チケットぴあ / ローソン / タワーレコード 名古屋パルコ店 店頭
お問い合わせ先 ジェイルハウス TEL 052-936-6041
料金:前売2000円(ドリンク代別途500)
出演:
スカート
ミツメ
トリプルファイヤー
学割 学割専用メール予約アドレス gekkoumitsuzou@gmail.com
<学生の方で予約ご希望の方>
件名「8/24 月光密造の夜 学割予約希望」 、氏名 (フルネーム<カタカナで>) 、電話番号 、枚数
※ 予約受付期間:〜8/23(日)23:59