コラム「(N)ICI TO MEET YOU(ナイス・トゥ・ミート・ユー)」は、各界のクリエイターやアーティストたちが、ヘアサロンHAIR ICIのスタッフに実際にカットやスタイリングなどを受けながら、ざっくばらんにお喋りをする対談企画です。美容院に初めて訪れた時、「はじめまして」から始まって、ちょっと緊張しながらも、その緊張が徐々に解かれていき、気づいたら美容師さんとすっかり仲良くなっていた…そんな素敵な関係性がここに展開されていくことでしょう。
記念すべき第1回目のゲストは、「GINZA」や「POPEYE」などの雑誌誌面で見ない日はない、と言っても過言ではないほどに活躍めざましいイラストレーター、STOMACHACHE.の宮崎ともえ。
彼女は、HAIR ICI で行われているマーケットイベント「ICI MARKET(アイスマーケット)」に出店したり、音楽イベント「(N)ICI MUSIC DAY!!(ナイスミュージックデイ)」のフライヤービジュアルを担当したり…とこれまでもHAIR ICIとコラボレーションをしてきたクリエイターのひとりです。
そんな彼女は、5月3日(火)にオープンしたばかりのHAIR ICI グループの新店であり東京初出店となる「Fen.hair ici」オープン記念トートバッグのイラストも手掛けたのだそう。インタビュワーを務めたお相手は、「Fen.hair ici」店長・吉崎由祐。まずは、そのトートバッグのお話から2人の会話はスタート。終始、笑顔の絶えない対談となりました。
(N)ICI TO MEET YOU! #01
Tomoe Miyazaki [ STOMACHACHE. ]
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Yui Yoshizaki [ Fen.hair ici ]
Text & Edit : Takatoshi Takebe [ THISIS(NOT)MAGAZINE, LIVERARY ]
Photo : Yuko Nakamura
こちらがFen,hair iciのオープン記念ノベルティトート。写真左:宮崎ともえ(STOMACHACHE.)。右:吉崎由祐(Fen.hair ici)
吉崎(以下よ):今回のトートバック、素敵に仕上げてくださってありがとうございます。
ともえ(以下と):あ、出来上がったんですね。細かいところまでプリントがちゃんと出てますね~。よかった~。
よ:かわいいです!お客様からもすでに反応いただいてますよ~。いつも絵を描くときは、どんなものからインスピレーションを受けて描いているんですか?
と:見ないと描けないものが多いので、PCのフォルダにサンプル的な写真をいっぱい入れてあって、そこから合いそうなものを選んで描いていきます。
よ:建物とかの絵も多いイメージなんですけど、そういうのって実際に見たりしたものとかも含まれるんですか?
と:友だちがカナダのトロントに住んでいて、その友だちに連れてってもらうスーパーマーケットがお気に入りです。観光客が行くような場所じゃないんですけど。そこで写真を撮ったりしたものもたくさんあります。
よ:なるほど~。ともえさんの描くイラストって、ある意味、日本人ぽくないっていうか、海外の感覚みたいなものがありますよね~。
と:幼い時から親の仕事の都合で住む場所は転々としていて。私がまだ母親のお腹の中にいる時は、父親の仕事の都合で、フィンランドに住んでいて。で、日本に移った後、私がまだ幼い頃は周りにフィンランド人がたくさんいる町に住んでいたんです。
よ:そんな町あるんですね~!?
と:そう。父親がもともと教会関係の仕事をしていて、教会の関係者って結構フィンランド人が多くて。滋賀県に住んでいたときもお母さんがフィンランド学校に手伝いに行っていたりして。あと、お母さんが何気なく着ていたワンピースとか、お母さんが作ってくれて幼稚園の時に使ってた巾着袋とかも、今になって見てみたらマリメッコの生地だったり。家の中にある雑貨もフィンランドのものが多かったり。そういう意味では、海外みたいな環境だったかもしれないですね。
よ:へ~!ともえさんって、大学は愛知県立芸術大学なんですよね?何を専攻していたんです?
と:デザインの中の「メディア領域」っていう分野で。何をやってもいいよ~って感じでした。吉崎さんは?
よ:私は、もともと最初はメイクをやりたかったんです。でも、美容師として働いていくうちに、人の髪を切るってことがおもしろいって気づいて。だから今は、メイクもヘアも両方好きです。ともえさんは、仕事場=ご自宅って感じですよね?
と:そうですね、自宅で作業しています。お店みたいに定休日みたいなのはないんで。自分で決めて、調整して、です。
よ:自宅でお仕事してると、オン/オフの切り替えが難しそうですよね。どうやって決めるんです?
と:家に居ると、つい黙々と作業しちゃったりしてしまうんですよね。なので、例えば、夜に友だちと飲みに行く約束があったら、その前までにこれは終わらせよう!とかって決めて、オン/オフの切替をするようにしています。
よ:へ~。居酒屋とか行くんですね!?
と:居酒屋にはよく行くことがあって、うちの近所の店で武田鉄矢に会いました。この辺りに住んでるらしいって噂は聞いてたんですけど、びっくりしました。「先生!」って呼ばれていて。
よ:(笑)。なんでそこに住んだんですか?
と:今住んでいるところの近くに友だちが住んでいて、遊びに行ったりしたことがあって、雰囲気が気に入って、住み始めることにしました。吉崎さんのお店(Fen.hair ici)は、中目黒ですよね。オシャレな町ですよね。
よ:そうなんですよ。名古屋の田舎から出てきた者としては、ちょっと背伸びしてがんばってます(笑)。
と:どんなお店になりそうです?
よ:人が自然と集えるような美容室にしたいって思っていて。「ふらっと遊びに来ちゃいました」みたいなお店にしたくて。なので、ぜひ中目黒に来る時があったら、ふらり遊びにいらしてくださいね。
中央に大きなテーブルが置かれた「Fen .hair ici」店内。ゆったりとした空間設計となっている。
よ:あ、そうだ、中目黒のオススメのスポットがあれば、ぜひ教えてほしいです~。
と:カセットテープ屋さんで「waltz」ってお店があって、そこは最近気になって行ってみました〜。テープ以外にもレコードとか雑誌とかも置いてあって楽しいお店でしたよ。
よ:え~、カセット!?それは気になりますね~。ともえさんってどちらかと言うとボーイッシュな雰囲気ですが、高校〜大学時代もずっとこのままの雰囲気だったんですか?
と:そうですね〜。久々に会った友だちからは「全然変わってないね!」って言われます(笑)。
よ:飲みに行く友だちって、やっぱりイラストレーターの方が多いんです?
と:そうですね~。
よ:私もお酒大好きなんですよ。ひとりでも飲みに行っちゃうくらいです(笑)。ぜひ、いっしょに飲みに行きましょう~。
と:うれしいです。人から誘われないと、なかなか外には出ない性格なんで、ぜひ誘って下さい~。飲みに行きましょう。
よ:武田鉄矢にも会いたいです(笑)。また、そのお店もこっそり教えて下さい~。
と:は~い、ぜひ(笑)。
スタイリング終了!
よ:今回は、シアバター系のワックスで、自然な感じで抑えた感じにしました。ともえさんは自然体な感じなので、あまり作りこまない方がいいかなって。
と:いい匂い~。ありがとうございました〜!
吉崎由祐
1987年生まれ。愛知県出身。Fen.hair ici 店長。ヘア・メイク・ファッション、お客様へトータルでの似合わせを心がけています。趣味は、旅行、映画、読書。お酒も大好き。得意なのは、アンニュイショート、メイク。http://www.hair-ici.com/
宮崎ともえ
1986年7月18日生まれ。2005年、大阪市立工芸高等学校 映像デザイン科 卒業。2010年、愛知県立芸術大学 デザイン専攻卒業。オルタナ系姉妹「STOMACHACHE.」の妹。母のお腹の中でフィンランドで過ごし徳島県で生まれる。徳島では父が一から自分で建てた暖炉・サウナ付きのおしゃれな手作りの家で暮らす。小さい頃から周りにはフィンランド人がよく居た。転勤族なのでいろいろな所に引っ越し・転校を繰り返す。教会に住んでいた事もあり。小学生の頃は2週間で隣りの小学校に転校したこともあり。2004年あたりに姉と2人でSTOMACHACHE.の活動をはじめる。zineの万置き、Tシャツ・グッズ作り、展示などしている。http://stomachache.jp/