長者町コットンビル1階ギャラリーにて「テレビ局という遊び場を作る」をコンセプトとした、「2022 ART FARMing TV」がさまざまなイベントを企画・開催中。会場は、長者町コットンビル。

8月19日（金）〜21日（日）公開収録展覧会「テレビ・スタジオ」展では、長者町コットンビル1階がART FARMing TVによる配信スタジオに。この3日間は会場自体が放送局となり、複数の企画を断続的に公開生放送した収録イベントとしても開催される。

「Early Early Works」~今昔初期映像作品上映会~

8月20日（土）15:00〜は、「Early Early Works」~今昔初期映像作品上映会~が開催。クリエイターたちが学生・駆け出し時代の頃に制作した作品が公開される。そして初期作品を製作中の現在の学生たちの作品も公開される。昔と今の作品が交わる上映会。当日飛び込み上映も大歓迎だそう。

「Dog eat Dog」展示作品の一例

また、長谷川ひとみによるドキュメンタリー作品展「Dog eat Dog」が8月26日（金） ～9月4日（日）の期間開催される。

“Dog eat Dog”とは「食うか食われるか」という意味。舞台はタイ東北部にあるルーイ県で手織物業が盛んな村だ。この村は金の採掘開発によって環境汚染され、健康被害などが発生しており、国・会社を相手取り訴訟が続いていていた。長谷川ひとみはその公害事件の抵抗運動の中心人物であったメイ・ローズと呼ばれるベテランの織り手の女性と出会い、彼女の家に滞在した。昨年から本年にかけて撮影した写真と、作家本人によって描かれた絵画を組み合わせた作品展となっている。

10年で風化しつつある村で抵抗の姿勢を保つ彼女の姿、活動資金集めで現金に舞い上がる村の人々の姿をどこに属するわけでもなく傍観する犬と移住者である自身を重ね合わせ、この犬たちの目線で描こうとした作品だそう。

「Dog eat Dog」展示作品の一例

こちらの展示の関連イベントとして、8月27日（土）に加納 寛、長谷川 ひとみ、山田 亘によるクロストークイベントや、愛知大学国際コミュニケーション学部教授（タイ文化史研究）の加納寛による、日本とタイの両国の文化史から意外なつながりの歴史を作者を交えて話すクロストーク＆講演もあり。

また、9月3日（土）には辻 佐絵子（NHKディレクター）による「テレビ秘話ヒストリア〜「わたし」から始まる番組制作〜」（前半）と、辻 佐絵子、長谷川ひとみ、山田 亘による「私点・論展」（後半）を開催。

前半では日曜美術館など美術教育に関わる番組制作をおこなった辻 佐絵子が、番組のきっかけや制作のプロセスを具体的に話す講演と後半では作者を交え、公共放送における「私」の視点と個人目線の作家との違いを深掘りする内容に。また、同日には村田 仁（詩人・アーティスト）による「I don’t say R.I.P　追悼を言わない。」という詩の朗読も行われる。

大人食堂「Golden Bangkok」

さらに、大人食堂による（大人食堂とはアーティスト安原 弘高による食のコミュニケーション飲み屋作品）「Early Early」があり、Dog eat Dog展版の大人食堂「Golden Bangkok」も開催され、他のライブ放送や上映会などと連携し、毎回テイストを変えて開催される。「Golden Bangkok」は写真展取材のきっかけを作ってくれたタイの評論家であるThanom Chapakdee氏に捧げるアロイ（美味しいという意味）大人食堂を楽しむことができる。

長者町コットンビルを中心にアートを身近に体験できるさまざまな展示、イベント、トーク、フード出店など目白押し。オフライン／オンラインともに気になる方はチェックしてみて。