Text & Photo by Ayaka Torii

仕事を辞めずにバックパッカー。
名古屋在住アラサーOL海外一人旅日記
ヨーロッパ編10 西欧諸国に突入、北イタリア・ミラノへ。ミラノで食べるミラノ風ドリア、イタリアの教会建築との出会い。
2024年9月25日〜9月27日
夕方、スロバキア・ブラチスラヴァからイタリア・ミラノへ向かうためバスで空港へ。
夜のブラチスラヴァ空港の様子。人が全然いない。
これまで中央アジア、東欧、北欧と東側から徐々に西に移動してきたが、これからついに西欧諸国に入っていく。西欧といえばイタリア、フランス、イギリスなどなど…。いわゆるヨーロッパの中でもメジャーな、日本人にも馴染みのある国々だ。
正直に言うと旅に出る前はジョージアやスロバキアのような旧ソ連国への関心が強く、これから残り1ヶ月の間、西欧諸国を回るにあたって消化試合のような気分にならないか不安だった。
もちろん西欧も楽しみではあるけれど、個人的に期待値のピークが旧ソ連諸国だったため、見てみたかったブルータリズム建築の数々を見終えてしまった今、感動センサーが麻痺し、西欧の街を歩いた時に退屈だと思ってしまう自分がいたらどうしようと考えていた。
一方で金銭面の懸念もあった。スロバキア・ブラチスラヴァは1泊3千円だったがこれから向かうイタリア・ミラノは流石に観光地なだけあってドミトリーでも1泊1万円はした。同じユーロ圏でもスロバキアとの物価の差が大きい。
若干の不安を感じながら、ヨーロッパの格安LCC・ライアンエアーの飛行機に乗ってブラチスラヴァを発った。
0時頃、ベルガモ・オーリオ・アル・セーリオ空港に到着。バスでミラノ中心部まで向かい、1時間くらいでミラノ中央駅前に着き、すぐ近くのドミトリーにチェックインし就寝した。
翌日、起きると外では雨が降っていた。
朝食を買いに近所のスーパーへ。
多くの日本人にとってミラノといえば、サイゼリアのミラノ風ドリアが頭に浮かぶのではないだろうか。ミラノに何があるのかまだよく調べていない私にとって、ミラノといえばサイゼのミラノ風ドリアだった。
ミラノでミラノ風ドリアを食べてみようか。そう思い立ってネットで調べていると、なんとミラノにはミラノ風ドリアという料理は存在せず、サイゼリアが考案した日本発祥の料理であることが判明した。
そうだったのか。味仙の台湾ラーメンのように、日本国内で根付いた和製メニューだったとは全然知らなかった。ミラノに来ることがなかったら生涯この事実を知ることなく過ごしていたかもしれない。
ミラノにドリアはないが、調べているとリゾット・アッラ・ミラネーゼというミラノ風ドリアならぬミラノ風リゾットが郷土料理として存在していることがわかった。スーパーの陳列棚を物色していると、早速インスタントのリゾット・アッラ・ミラネーゼがあったので購入。
クノール製のリゾット・アッラ・ミラネーゼ
サイゼのミラノ風ドリアは黄色いターメリックライスにクリーム、ミートソース、焼いたチーズが乗っているが、一方でミラノ風リゾットはサフランライスにバターとパルミジャーノチーズが入った、材料の少ないシンプルなものだった。
ドミトリーに戻り、共有キッチンで調理。インスタントの米と、粉末状になった調味料とお湯を入れてしばらく煮ると完成。

朝食にちょうどいい、優しい味のリゾットだった。ちなみにイタリア語で米のことを「riso」と表記するらしく、リゾット(risotto)はその派生語のようだ。
ミラノに来て早々ミラノ風ドリアのルーツを辿り、早速外に出て散策に出ることにした。
タイムリーなことに、このコラムを書いている間に公開となった映画「プラダを着た悪魔2」はミラノが舞台だ。私も先日映画館で観てきたところであり、訪れた場所を思い出しながら鑑賞していた。
以下で紹介する「サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会」、「ヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア」、「ドゥオーモ」は劇中に登場している。
レオナルド・ダ・ヴィンチの壁画「最後の晩餐」がある「サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会」の外観を見に行く。
サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会
中に入るには完全予約制で、しかもそのチケットは予約開始となった瞬間に完売になるほど人気らしい。私はチケットを予約していないので建物を外から眺めるだけだった。
その後広場へ。奥には、ドゥオーモというミラノを象徴する大聖堂が。


ドゥオーモを横目に、アーケード「ヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア」へ。
このいかにも世界史の教科書に出てきそうな名称をGoogleマップで見ていると、今自分は西欧にいるんだということを改めて実感する。
プラダ本店

このアーケードの中にあるプラダが本店らしい。そのほかルイ・ヴィトン、ディオール、グッチなどなどハイブランドの店舗が並んでいる。
ディズニーランドの入り口にみたいだなと思っていたら、ディズニーは本当にこのアーケードをモデルにしているらしい。
休憩しつつ、フォカッチャサンドを食べる。

宿に戻る前に、ミラノ中央駅を見に行く。



かなり天井が高く、公共の場と思えないような厳かな雰囲気の建物。このような建造物が駅として機能し、人々の生活の中に溶け込んでいることに驚く。これを無料で見ていいのか。
西欧に入って好奇心が失せるんじゃないかという心配は杞憂のようだった。むしろこれまで東欧にはなかった、というかこれまで人生で見たことがなかった規模の、巨大で豪奢なつくりの建築物に圧倒されていた。
ふと、父が若い頃ヨーロッパを訪れた際に、イタリアが良かったと言っていたのを思い出した。
父は建築の仕事をしていた。業界の人がそう言うのであれば間違いない。あとでイタリアのおすすめを聞いてみようと思いながら、ミラノ初日を終えた。
翌日は晴れ、天気が良かったのでもう一度ドゥオーモのある広場に行って晴れたミラノの街を見に行くことにした。
道中で教会を見つけたので、ふらっと入る。



これまでも他のヨーロッパの国で教会があれば入ってみるということを繰り返してきたが、イタリアの教会は別格だった。フレスコ画と彫刻が至るところに並び、壁のレリーフには細かい模様が施され、中央の祭壇は大々的で存在感を放っていた。そしてやはり天井が高い。
こんなに豪華なのにあまり人がおらず、教会らしい静謐な空気が保たれているのも良かった。イタリア人にとってはこれが普通であり、日常なのか。なんとなく見かけて立ち寄った教会がこの規模ということは、ドゥオーモの中は一体どうなっているんだろう。

ドゥオーモの中が気になった私は、チケットを買って内部へ。
たくさんの窓口があるチケット売り場
大聖堂の中に足を踏み入れると、そこにはとんでもない規模の巨大な柱が何本も天井に伸び、その天井の位置は果てしなく高かった。


果たしてこの写真で伝わるだろうか。
繰り返しになるが、イタリアの建物はとにかく天井が高い。ミラノのドゥオーモはこれまで人生で訪れた大聖堂の中で最大規模だった。
イタリアは観光客が多いと聞くが、その理由が分かった気がする。
西欧に来る前は、良くも悪くも整備され観光産業が成熟しきった土地の、多くのツアー客に揉まれるような環境の中で果たして感動を得られるのかどうか疑問だったが、私の考えが間違っていた。人の多い観光地は、たくさんの人が訪れるだけの価値があるのだ。
階段を上がり、屋上に行ってみる。



ドゥオーモの屋上テラスの様子
真っ青な空に向かって伸びる白い塔たち。なんだかファンタジーの世界みたいな光景だ。
あまりにもドゥオーモが良かったので、家族のライングループに写真を送って絶賛すると父から返事が来た。
「ローマのサン・ピエトロ大聖堂の方がいいよ」
普通こういう場合は相手の感動に寄り添い、「楽しめたようで良かったね、サン・ピエトロ大聖堂もおすすめだよ」などと言うのが令和のコミュニケーションの最適解のような気がするが、父はよく言えば正直者で、嘘を吐かず、共感性を持たず、お世辞や愛想笑いといった処世術とは無縁で生きている(ように娘からは見える)ので、本音100%のピュアなコメントを受け取った私は拍子抜けしつつ、ローマのサン・ピエトロ大聖堂のことが気になっていた。このドゥオーモ以上のものがローマには存在しているのか。
ローマ。世界で最も観光客が多い都市のひとつ。
それゆえに巨大観光都市をなんとなく避けてきた私は当初ローマを訪れる予定はなかった。しかし、イタリアの建築に魅了されてしまった今、ローマのサン・ピエトロ大聖堂のことが気になって仕方なかった。
ただ次の国への航空券をすでに買ってしまっていたので、ミラノの後にローマに向かうのではなく、このヨーロッパ旅の終盤で日程を詰め、できればどこかのタイミングでもう一度イタリアを再訪したいなと思い始めていた。
続く。
yaka Torii / 鳥居 絢香
1992年生まれ。名古屋在住の会社員。LIVERARYスタッフ。
海外旅行と名古屋のカルチャー、飲食店が好き。
沢木耕太郎と誕生日が同じ。
Instagram: ayaka_10r
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