音楽の聖地として知られるテネシー州メンフィスに、数々の“生ける伝説”と呼ばれる世界的ミュージシャンたちが再集結し、ジャンルや人種、世代を超えた新たなレコーディングを行うという破天荒なプロジェクトの過程を追ったドキュメンタリー『約束の地、メンフィス〜テイク・ミー・トゥー・ザ・リバー〜』が、7月29日から名古屋シネマテークにて上映される。

当地のスタジオや伝説のレーベル「スタックス」はオーティス・レディング、アル・グリーン、アイザック・ヘイズ、ザ・ステイプル・シンガーズらのスターを生み、彼方英国のストーンズ、ツェッペリンにも多大な影響を与えた。人種差別撤廃運動中のキング牧師暗殺に続く暴動と音楽産業の巨大化により街は勢いを失う。2013年、メンフィスにかつてその音楽の洗礼を受けた様々なアーティストが集まり、ブルース、ソウル、HIPHOPの境界と世代を超えたセッションが始まる。本作は制作現場の臨場感と伝説の音楽家たちの錆びることのない情熱が21世紀の音源として昇華する感動を惜しみなく刻む傑作だ。

また、上映を記念して、8月1日（火）には、TOKUZOにてトークイベント『黒人映画講座「BLACK MOVIES joint」chapter-7「約束の地、メンフィス ～テイク・ミー・トゥー・ザ・リバー～」公開記念　～60年代メンフィスの音楽と現在～』が開催される。案内人は、音楽評論家の小川真一、TOKUZOの森田裕、nobody knows＋のノリ・ダ・ファンキーシビレサスが務める。