杏:よく聞かれる質問なんですが、「きっかけ」って、ひとつの出来事だけじゃなくて。毎回端的に説明できなくて困ってるんです(笑)。 企画がもちあがった当時、私たちはYEBISU ART LABO FOR BOOKS(注:ON READINGの前身。2006年9月~2010年12月。2011年1月に現在の場所へ移転、名前もON READINGへと変わった。)をオープンして1年くらいだったのですが、開店前からやりたかったことがあって。ヒントになったのは、東京のCOW BOOKSがつくっていた、BOOK SHOP MAP。青山エリアの本屋が掲載されているハガキサイズのMAPだったのですが、街を本屋で切り取ってみるという視点が面白いのと、単純に便利で、これいいな、こういうの名古屋でも作りたいな、と思っていました。
黒:そうなんです。ちょうどその頃、名古屋でもcesta(覚王山、2005年開店)やシマウマ書房(本山、2006年開店)、そしてうちが近い時期に開店して、その波を感じられる状況だったはず。でも、名古屋のメディアは取り上げなかった。先に声かけてくれたのは全国誌でしたし。自分の店を宣伝したいという気持ちはもちろんですが、もったいないな~と。
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杏:あとは、私がリブロ名古屋店のスタッフも掛け持ちしていて、新刊書店のスタッフでもあり個人で店もやっていてという中で、本屋に限らず個人のお店は個々でショップカードを作ったり、展示やイベントを開催する時にはDMを作って宣伝しますが、もちろん十分に情報がいきわたっているとは考えづらい。一方で、新刊書店は、それぞれのお店で書店員があれこれ工夫して棚を作ったりフェア展開をしたりしてるのに、チラシを作ったり、宣伝をしたりあまりしないですよね。今でこそtwitterやFacebookができたり、スタッフが直接PRすることも多くなりましたが、当時はなかった。発信していくというより、偶然ご来店されたお客様が偶然発見するようなものでした。現場にいて、それがとてももったいないな、と思って。
黒:新刊書店と個人のお店、それぞれが宣伝ということにおいて、同じフォーマットの上でPRすれば、もっとその情報を必要としている人のもとに届けられるんじゃないかなと。
杏:イベントたちあげの直接のきっかけとなったのは、リブロ名古屋店で行うフェアの企画でした。前述のようなことを話していて、当時のリブロ名古屋店の店長・辻山と、個人のお店の古本市を店内でやろう、名古屋の本屋を紹介するペーパーも作って配布しよう、と。そこから少し前に取材で知り合った、フリーペーパーSCHOPの上原さんに相談して、cestaの山守さん、シマウマ書房の鈴木さんも加わって、どんどん話が広がっていって…。リブロ内での企画にとどまらず、初回から参加店が38店舗も集まって今のような形になりました。
杏:言いだしっぺだから、委員長になってしまいましたが。勉強させていただいてます。誰か代わってくれないかな~(笑)でも本当に、毎回試行錯誤です。思った通りにはなかなかうまくいかない。難しいですね~。
ブックマークナゴヤ2013
開催期間:2013年10月12日(土)~11月4日(月祝) 会場:名古屋市内各所 URL:http://www.bookmark-ngy.com イベント:ブックマークナゴヤpresents 一箱古本市 in 円頓寺商店街 日時:2013年11月9日(土) 11:00~16:00(雨天決行) 会場:円頓寺商店街(名古屋市西区) URL:http://bookmark-ngy.com/?cat=9