YOUR CITY IS GOOD? Tajimi Edition
昨年のコロナ禍による中止を経て、復活開催される、やきもののまち・多治見の一大イベント「たじみ陶器まつり」がいよいよ今週末4月10日(土)、11日(日)に開催される。
「たじみ陶器まつり」公式MAP
LIVERARY編集部では、同イベントのPRを兼ね、「たじみ陶器まつり」のキーパーソンから、まちの人々、作家らを取材し二本のムービーを制作(映像ディレクション:佐藤良祐、楽曲協力:Tanukineiri Records)。
インタビューを進めていく中で、多治見の街なかを盛り上げる飲食店や雑貨店など個性的な店主たちは、確実に多治見の魅力を支える存在だと感じた。そんなオリジナリティに富んだ、多治見オススメスポットを本記事にてご紹介したい。
今回紹介する店舗のうちの半数以上がここ2、3年の間にできた新しい店だ。つまり、今、多治見をおもしろがり、まちの持つ魅力に惹かれて店を出す人たちが増えてきているということ。
いずれも「たじみ陶器まつり」に訪れた際はもちろん、普段から通いたくなるようなお店ばかりとなっている。まちを散策しながら、ぜひ足を運んでみてほしい。
YOUR CITY IS GOOD?
Tajimi Edition
カレー、居酒屋、雑貨、古着、やきもの、
多治見に行ったら、絶対寄りたい個性豊かな新・旧8店を紹介。
Interview,Text : Chise Utahara(LIVERARY)
Interview,Text, Photo & Edit:Takatoshi Takebe(LIVERARY)
café NEU!
絶品スパイスカレーが味わえる、多治見カルチャーの中心地。
多治見市を流れる穏やかな土岐川を臨む「café NEU!」は、お昼時には長蛇の列ができる、スパイスカレーと天然酵母パンが絶品のカフェ。
インド哲学や音楽に興味を持ったことをきっかけに、インドへと渡った店主の笠野雄嗣さんが現地で惹かれたのがスパイスカレー。帰国後、独学でカレー作りを始め、イベント出店などを経て8年前に現在の店舗をスタート。
店内ではライブイベントなども行われる。
スパイスの香りが食欲そそるカレーは定番メニューとして固定はせず、その時笠野さんが作りたいと思うカレーを常時3種類ほど揃えている。売り切れ必須の天然酵母パンは、現在水、金、土の3日間にて販売中。また他にもバタートーストやコーヒー、チーズケーキなどのカフェメニューも魅力的だ。
どこか懐かしいレトロ感漂う店内は、笠野さん夫妻が1年ほどかけて完成させたこだわりの空間。多治見市内外から作家やアーティストらが集い、新たなカルチャー生み出している場でもある。
café NEU!
住所:岐阜県多治見市昭和町19-1
営業時間:水・木・土・日/11:30~18:00 金/17:00~22:00
定休日:月・火・第1第3水曜
TEL:0572-51-4112
HP:http://neu-river.com/
Instagram:https://www.instagram.com/cafe_neu/?hl=ja
IRISE antique
並んでいるのは、店主自身本当に欲しい物だけ。
明治初期から昭和初期にかけて建てられた商家や蔵が多く残る本町は、美濃焼の文化が培われた多治見の歴史を色濃く残す地区だ。かつては美濃焼を全国に運ぶための馬車や人力車が行き交ったこの町に、現在では本町オリベストリートと呼ばれギャラリーや陶器店、雑貨屋などの個性的な店舗が並ぶ。
そのオリベストリートに面する古民家をリノベーションし、2019年9月に春日井から移転オープンした「IRISE antique」は、店主の小林彩子さんがヨーロッパやアメリカから見つけ出してきたこだわりの品が並ぶアンティークショップだ。
店主・小林彩子さん
「もともと各地で見つけ欲しい!と思った物を収集しているうちに、気が付いたらお店を開いていた」という小林さん。「一点一点思い入れが深く手放したくないものも多い」というが、だからこそ思わず手に入れたくなる魅力ある品々が揃う。
畳張りで落ち着ける雰囲気の2階では、定期的に様々なジャンルの展示も開催。1階にあるキッチンにて時折行われるカフェ営業日には、イートインスペースとしてゆっくりと過ごすことができる場所にもなっている。
IRISE antique
住所:岐阜県多治見市本町6丁目61-1
営業時間:11:00~17:00
定休日:不定休(営業日はInstagramをご確認ください)
TEL:050-1396-9753
Instagram:https://www.instagram.com/irise_antique/
ハナタロウ商店
各地の文化と生活の知恵が集まる日用品店。
アンティークショップ「IRISE antique」からもほど近い、オリベストリートに位置する「ハナタロウ商店」は、陶器から調味料、古絵本など多様な雑貨が並ぶ町の生活道具のお店だ。
多治見の陶芸作家によるマグカップから、島根県の石見焼きによるみそ甕、奈良県のかや棉ふきん、和歌山県・北山正積商店のタワシやスウェーデンの木靴まで、各地に残る昔ながらの使いやすい日用品を揃えている。その中でもお店に並べる商品を選ぶ基準は、誰が作っているのかがわかるもの。“作る現場、作る人、作ること”を大切に3名のバイヤーが厳選した良品である。
本棚にたくさん詰められた古絵本は、大人に楽しんでもらえるようにとコレクションを持つ友人の蔵書から定期的にセレクトしてもらい、販売している。今では手に入れることがなかなか難しい児童書や絶版になってしまった懐かしい絵本も多く、手に取れば当時の何気ない日々を思い出したり、また新たな魅力に気づけたりするかもしれない。
お店では定期的にワークショップや展示、ポップアップなど、季節に合わせた様々なイベントも開催されているのでそちらもチェックしてみて。
ハナタロウ商店
住所:岐阜県多治見市本町6丁目59-2
営業時間:11:00~16:00(水曜日のみ12:00~)
定休日:不定休
TEL:080-3435-7738
HP:https://munyamunya.base.shop/
Instagram:https://www.instagram.com/hanataro_munyamunya/
PRODUCTS STORE
作家ものからプロダクトまで、美濃焼集積地・多治見を堪能。
土岐市に拠点を置き、長年にわたって産地商社として陶器の卸し業を営んできた株式会社ユープロダクツが、2021年1月に満を持して多治見にオープンさせたのがこの「PRODUCTS STORE」だ。陶器を実際にその場で手にとって買うことができる自社初の直営店として誕生した。
2階建ての店内は1Fにプロダクト製品、2Fに常時20組みほどの窯元や作家らの作品が並んでいる。
1F
2F
多治見を拠点に活動するイラストレーターによる似顔絵と作家直筆のメッセージが添えられたPOPが添えられており、作家それぞれの人となりが伺えるのも楽しい。
マネージャー・長山晶子さん。新たな試みとして地域を取り上げたフリーペーパーの発行も。
今回お店の案内をしてくれたのは、ストアマネージャーの長山晶子さん。もともと別会社でキッチン周りの小物などを買い付けるバイヤーとして活躍していたが、次第に美濃焼の魅力にとりつかれ、現在の職へ移ることを決めたという。
長山さん個人的にもオススメの作家・石川裕信さんの作品。
これまで陶器の産地で作家も多数いる多治見では、なかなか直接作品を手に取れる場所が少なかったという。そんな中、近年ようやく誕生した新町ビルの「山の花」に続いて、ここ「PRODUCTS STORE」も、作り手と買い手をつなげ、お気に入りの器がもたらしてくれる豊かさを伝えてくれる場所となっていくだろう。
PRODUCTS STORE
住所:岐阜県多治見市田代町1-59
営業時間:11:00~19:00
定休日:月曜
TEL:0572-74-7700
HP:https://products-store.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/_products_store/
CHIC…! Young Clothing Store
ファッションで日々の暮らしをちょっと楽しく、そして豊かに。
JR多治見駅ほど近く、昨年10月にオープンした「CHIC…! Young Clothing Store」は、アメリカやヨーロッパものを中心としたユーズドの洋服、雑貨などが手頃な価格で手に取れる古着店だ。
店主・二橋直之さんのモットーは、「ファッションを気軽に楽しんでもらう」こと。ヴィンテージ価値のある古着ではなく、昔ながらのしっかりとした縫製による、長く大切に着ることができるアイテムを多く揃えている。
以前から個人向けにスタイリングの提案を行っていたという二橋さん。どんなアイテムが欲しいのか、またどのような着こなしがしたいのかを丁寧に聞き出し、トータルでのコーディネートを提案してくれるのもこのお店ならではだ。中にはお客さんに似合うアイテムをわざわざ探しに行き買い付けてくることもあるという。
「多治見で生まれ育って40年、地域との繋がりも常に意識している」という二橋さん。お店のこだわりである木製のハンガーは店舗のオープンに向け、多治見市内の山本木工所と相談を重ね作ったオリジナルアイテムで「長く使うことによってどんどん味が出てくる」と嬉しそうに語る。最近では近所の若者らが「CHIC…!」に集まり、二橋さんのアドバイスを元に古着との出会いを楽しんでいるのだとか。
店主・二橋直之さん(写真左)と、差し入れを持ってたまたまやってきたお客さん(写真右)。
CHIC…! Young Clothing Store
住所:多治見市本町1-91 木塚ビル1階
営業時間:13:00~20:00
定休日:水曜
HP:https://chicycs.theshop.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/saturday_market_fever/
タネヲマク
南インドの味わいと優しさの詰まったミールス。
店主・増田若菜さん
オリベストリート近くに、今年の3月に移転オープンしたばかりの「タネヲマク」は、本格的且つ、家庭的で優しい味わいのベジミールスやビリヤニを楽しむことができる人気店だ。
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多治見のお隣、瑞浪市で7年ほどお店を営んでいた増田若菜さん。さまざまな縁もあって、多治見での新しいスタートを決めたという。自らの手でリノベーションを手がけたオリジナリティあふれる店内は、職人と相談し作ったというオリジナルの電光看板や、温かみを感じる木のカウンター、淡いパープルの壁が印象的な異国情緒とリラックスムード漂う空間に。
「コロナのこともあり、オープンのタイミングをゆっくり準備をしながら待っていた」という増田さん。無事、先日(3月16日)プレオープンを迎え、当日は多くの客で賑わったようだ。「Cafe NEU!」に続いて、多治見にまた一つ、美味しくて個性豊かなカレー店が誕生した。
タネヲマク
住所:岐阜県多治見市小路町3
営業時間:11:30~16:00(15:00LO)
定休日:不定休(営業日はInstagramにてご確認ください)
Instagram:https://www.instagram.com/tanecurry/
だいどこ やぶれ傘
創業20年、メニュー表のない多治見の名物居酒屋。
JR多治見駅から徒歩2分。ポツンと灯る看板の奥、裏路地を進んでいくと破れた赤い唐傘が見えてくる。知る人ぞ知る名店、居酒屋「だいどこ やぶれ傘」だ。
野菜、魚介、果物など地産地消を基本とし、全国から厳選した食材を使ったどこか懐かしい家庭料理と地酒を味わうことができる。店内には、決まったメニュー表は置かれていない。
メニューを出さず、どんな料理があるのかあえて分からないようにしているのは「来るたびに今日はどんな料理が出てくるのか?という刺激的な美味しい料理との出会いを楽しんでもらいたい」という思いから。みんなからママと呼ばれるオーナー・新妻一子さんはもちろん気さくなスタッフさんや、隣り合った常連客にその日のおすすめを聞いてみるのも良いかもしれない。
オーナー・新妻一子さん
また、店のもう一つのこだわりは料理を盛る器やお猪口などの陶器。新進気鋭の作家から著名な作家まで、ママこだわりの美濃焼作品がふんだんに揃っている。さまざまな器を肴に地酒を楽しみたいところ。
懐の深いママの人柄に惚れる常連客も多く、常に賑わっているため順番待ちになることもしばしばだが、多治見にいった際は、ぜひ暖簾をくぐってみてほしい。
だいどこ やぶれ傘
住所:岐阜県多治見市本町2-43-3
営業時間:17:00~24:00
定休日:水曜、第2日曜、月曜
TEL:0572−23−7408
HP:http://j47.jp/yaburegasa/
日本酒食堂hularito
ふらりと立ち寄りたい、新世代名店居酒屋。
大きなガラス戸が開放的な「日本酒食堂hularito」は、その名の通りおいしい日本酒とおばんざいが揃う、ながせ商店街通りの新たな人気店。
カウンターには店主の吉田さんが目利きした旬の食材を使ったおばんざいが並び、好きなものを一人前から人数に合わせて盛り付けてもらうことも可能。お酒に合うようにと工夫された味付けがたまらない。日本酒好きに嬉しい飲み比べセットでは、全国から取り寄せた極上の日本酒を一度にたくさん楽しむことができる。
店主・吉田雄作さん
店主の吉田さんは、多治見の名店「だいどこ やぶれ傘」で修行を積み、独立したという。これまで女性従業員しか雇ってこなかった「やぶれ傘」だったが、2年がかりで交渉を続けた結果、無事採用に。煮物を多く揃え、数種のおばんざいを大皿で並べるスタイルは「やぶれ傘」のDNAを引き継いでいる。
店舗である古民家のリノベーションは、地元の設計事務所とじっくり話し合い進めたという。古い部分の良さはそのままに、温かみのある大きな木のカウンターも特徴的。吉田さん含めスタッフの笑顔とともに、居心地の良い空間が作られ、またここにふらりと立ち寄りたくなる。
日本酒食堂hularito
住所:岐阜県多治見市本町3丁目67-3
営業時間:16:00~23:00 (料理L.O.22:00 ドリンクL.O.22:30)
定休日:月、日(※日・月が祝日の場合も休み)
TEL:0572-28-2270
HP:https://hularito.owst.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/hularito_kitene/?hl=ja
2021年4月10日(土)〜4月11日(日)
第74回たじみ陶器まつり
会場:
本町オリベストリート周辺 たじみ陶器まつりメイン会場
多治見駅周辺 大道芸見本市
ながせ商店街 みんなでてりゃあクラフトフェア
銀座商店街 たじみ陶器まつり西通り
市之倉 陶の里 倉之市
時間:
4月10日(土)9:00〜17:00
4月11日(日)9:00〜16:00
2021年4月10日(土)9:00〜5月9日(日)23:00
たじみ陶器まつりオンライン
https://minoyaki.online/0matsuri/
主催:たじみ陶器まつり実行委員会・多治見陶磁器卸商業協同組合
問合せ:たじみ陶器まつり実行委員会(多治見陶磁器卸商業協同組合内)TEL0572-25-5588
Instagram:https://instagram.com/tajimi_toukimatsuri?igshid=vg8ugtqrp3g0
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