名古屋音楽シーンの新たなるコンピ『753812』が発売！
脈々と繋がる、名古屋アンダーグラウンドというDNA。

2005年〜06年、『7586』（”なごやろっく”と読む）というコンピがvol.3までリリースされたのがもう10年前のこと。のうしんとうや6EYES、Jaaja、Ett、Gofish…などが参加したこのコンピ、今そのラインナップを眺めても、自分が好きな豊潤な名古屋音楽シーンはそこに詰まっている。その数年後に、現在はSummerOfFanというレーベルの構成員としても暗躍しているS氏キュレーションによる名古屋コンピ『裏7586 Vol.2』が2012年こっそりリリースされた。

（写真左から3枚）『7586』シリーズ三部作は、すべてcoupレーベルより発売された。（写真右端）テン年代の名古屋シーンを切り取った（？）『裏7586 vol.2』

S氏がよく言う「アーカイバー（記録する人）」たちが、これまでずっと名古屋アンダーグラウンド音楽シーンを取りまとめようと奮闘？してきたが、常々、名古屋インディーシーンというのは、よくわからないままで、結局まとめきれないまま。だいたいがジャンルに囚われることなく自由奔放、そして異ジャンルのバンド同士でも仲が良かったりして、対バンの音楽性が全然似ていなかったりする。一括りにできない＝パッケージしにくい＝地域性があるのかないのかよくわからない。そうなってくると外部のメディアが取り上げにくくなり、フックアップされることはなく、広くマスへと伝わることが難しくなってくる。しかしながら、名古屋の素晴らしいミュージシャンたちは健在で、マイペースに日々音楽制作を続けている…。この静かなる熱量が外の人たちや一般の音楽ファンの耳になかなか伝わりにくい現実は、近くで現場を見ている人たちにとっては歯痒いものだ。が、やはりそれがローカルで活動している音楽家たちの絶対的なオリジナリティにつながっているのも事実だろう。実生活に寄り添った音楽活動スタイルからにじみ出る正しい狂気性と純粋な音楽性を感じずにはいられない。

その魅力にとりつかれたのであろうアーカイバーが性懲りもなく登場した。現在進行形の名古屋宅録シーンの片隅から切り出されたコンピ『753812』（”ナゴミハイツ”と読む。数字の語呂合わせの継承はこれまでリリースされてきた名古屋コンピ『7586』への敬意と、そこから派生したことを表しているように思われる）が、2枚組で1620円という価格（やはり名古屋の人はコスパを求めるからなのか）で今秋、リリースされる。

この作品を紹介するにあたって、同コンピにソロ名義で参加した、イラストレーターとしても活躍中のてんしんくん（彼がフロントマンを務めるバンド、ジョセフ・アルフ・ポルカ名義では、『裏7586』に参加している）に「すべて絵で感想を描いてみて。」という無茶なレビュー形式で全曲解説をお願いしてみた。

Text & Edit : Takatoshi Takebe [ THISIS(NOT)MAGAZINE, LIVERARY]

こんにちは、てんしんくんです。 

今回、僕も参加しているおもしろ宅録コンピ「ナゴミハイツ」が9月20日に発売！

ということで、その紹介も兼ねて僕の独断と偏見で収録曲のイメージイラストを描きました。

イメージイラストを見てピンと来た方は是非「ナゴミハイツ」を買って聴いて下さい。

よろしくお願いします。