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FEATURE / 特集記事 Mar 25. 2016 UP
【SPECIAL REPORT & INTERVIEW】
「アッセンブリッジ・ナゴヤ」が、この街にもたらした可能性とは?
音楽とアートが港まちに溢れた2日間をレポート!
現代美術作家 × クラシック奏者 × 港まちづくり協議会による3者対談も。

FEATURE : Assembridge NAGOYA 2016 |音楽とアートから見える港まち

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2月26日(金)〜3月27日(日)の約1ヶ月間に渡り、名古屋の港まちエリアを舞台とした音楽とアートのフェスティバル「アッセンブリッジ・ナゴヤ・プレイベント」が開催されている。3月20日、21日の2日間は、クラシック奏者など多数のミュージシャンが出演する、コンサートライブイベントが街のいたるところで催され、同イベントの趣旨である、「まちで出会う、音楽とアート」をまさに体現した2日間となったようだ。

 

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街中で行われたクラシック・コンサートは、本当に街のさまざまな場所で行われた。今回の特集記事前半では、その一部を写真と文章でレポート。そして、記事の後半には、「音楽」「アート」「まちづくり」という3つの要素が複合的に交わるこのイベントにおいて、それぞれの要素に該当するであろう、ミュージシャン、アーティスト、港まちづくり協議会の三者対談も企画。おそらく現代美術作家と、クラシック奏者、そして、まちづくりを手掛ける専門家が顔を合わせてそれぞれの思いを語り合うなんてこと、これまでなかったのではないだろうか。そんな貴重な機会が生まれたのも今回のイベントならでは。そちらもあわせてどうぞ。

 

 

SPECIAL REPORT:

Assembridge NAGOYA PREEVENT

音楽に溢れた、港まちの風景。

Text & Edit : Takatoshi Takebe [ THISIS(NOT)MAGAZINE, LIVERARY]
Live Report : Assembridge NAGOYA

Photo :©PACell & Takatoshi Takebe [ THISIS(NOT)MAGAZINE, LIVERARY]
 

 

3月20日(日)

11:50

会場:名古屋港水族館|出演:池永健二 

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名古屋港水族館は、春休みという事もあって朝から親子連れで大にぎわい。水中観覧席では午前中から300人近いお客さまが、なかなか聴く事のできない珍しい楽器、マリンバの音色を楽しんでいました。プログラムは、サン=サーンスの「水族館」やディズニー映画「リトル・マーメード」など水にちなむものが演奏され、大水槽をバックにした会場は、まるで水の中にいるような幻想的な雰囲気に。イルカたちも音に合わせて踊っているようで、演奏者の後ろを何度も泳いで行ったり来たり。そのたびに会場に歓声が起こっていました。

 

14:00

会場:港まちポットラックビル|出演:ISSAKU&SACCO

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14時から行われたヴァイオリンの松本一策さんとピアノの髙橋早紀子さんによるデュオ「ISSAKU&SACCO」は、ポットラックの入り口から人が溢れ出る程の大変な盛り上がり。超絶技巧を駆使しつつ、絶妙な掛け合いで進む二人の演奏にお客さまが、ぐぐ〜っと引き込まれていきました。

 

15:00

会場:ポートビル|出演:坂口裕子&増原英也

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プレイベントのメイン会場となっていたポートビルには、本場イタリアの歌劇場で主役として活躍するオペラ歌手の二人が登場。ねじ巻式人形に扮して歌われたオペラ「ホフマン物語」のユーモラスなアリアでは、ソプラノの坂口さんが客席内を歩きまわり、ねじが弛んで止まると、増原さんが急いで駆けつけてねじを巻くという趣向をこらした楽しい演奏。迫力ある歌声に間近で接したお客さまからはたくさんの「ブラボー」が飛んで大興奮。最後列に座っていた女性も「会場が劇場のようで興奮しました」と満面の笑み。
 


16:00 

会場:珈琲物語|出演:長坂沙織& 金澤みなつ

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コーヒーの香りが立ちのぼる、落ち着いた古き良きレトロな「珈琲物語」ではヴァイオリンとピアノのデュオコンサートが開かれました。こだわりのカップでお店自慢のコーヒーを飲みながら音楽の生演奏を聴けるということで、客席は満員御礼。リラックスした雰囲気で演奏が始まると、華やかな音色にうっとり聴き入られる方、普段は間近で見られない楽器の様子に真剣に見入る方、と思い思いにコンサートを楽しんでいらっしゃいました。
 


17:00 

会場:うどん DINNING 釜半|出演:福本真弓&福本真琴

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うどん屋さんで、コンサート。しかもワインをいただきながら、なんて案内をご覧になれば否が応でも興味をそそられることでしょう。小粋な帽子をかぶったこの店のオーナーは音楽の大ファンで、自分の店で演奏が聴けるなんてまさに天にも昇る気分だ、とカウンター越しに教えてくださいました。クラシックだけでなく、最近のポップス曲も組み込まれた多彩な今回のプログラムは最後まで聞き応え十分。チェロとピアノの姉妹デュオの音色はお洒落な店内に柔らかく響き、夜の港まちを訪れたお客様の心を癒していきました。
 

 

3月21日(月・祝)

10:00

会場:ナゴヤドーム前矢田駅〜名古屋港駅の電車内|ミュージックトレイン

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河村たかし名古屋市長が乗客たちをお出迎え。

 

2日目は関連企画として、「ナゴヤドーム前矢田駅」から、ゴール地点「名古屋港駅」までノンストップで向かう「ミュージックトレイン」が特別運行!なんと電車内で、クラシック奏者たちの生演奏を間近に堪能できる、というレアな企画。4795人もの応募者の中から、抽選で選ばれた100名余りの幸運な乗客たちを乗せ、電車は発進した。

 

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列車内には、ヴァイオリン、ヴィオラによる弦楽器隊が1両目。クラリネット、ファゴットによる木管楽器隊が3両目。そして、ホルン、トランペット、トロンボーンによる金管楽器隊が5両目といった配置で、それぞれ名古屋港駅に着くまでの約30分間生演奏を行った。

 

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1曲終わるごとに乗客たちは拍手喝采。

 

演奏終了後に、質疑応答を受け付けるなど、乗客(観客)とのコミュニケーションをとりながらも、演奏者たちもこの特殊なステージを楽しんでいたようだ。

 

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河村市長もこのレアな機会をじっくり堪能していました。

 

11:00

会場:ポートビル|出演:島田真千子

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今回プレイベントのポートビル公演には、名古屋に縁ある若手、中堅、ベテランのヴァイオリン奏者が揃って登場。2日目には、全国、そしてこの地域ではセントラル愛知響のソロ・コンサートマスターとして活躍する島田真千子さんの公演が開催されるということで、朝から多くのお客さまが詰めかけました。ヴァイオリン1本で演奏されたプログラムはバッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータなど、聴き応え充分の本格的なものばかり。ポートビルは、まるでコンサート会場のように静寂に包まれ、島田さんの紡ぐヴァイオリンの音色にたくさんのお客さまが息をのんでいました。

11:00

会場:港橋広場公園|出演:Nuovo anno

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港まち特有の海風に負けることなく、素晴らしい歌声を青空のもと届けてくれたのは、東海地方を中心に活動する若い声楽家たち。野外ステージ上を所狭しと演技しながらオペラを披露する彼らの姿に興味津々といった様子でたくさんの方から今日は演奏会があるの、とご質問をいただきました。年末恒例のヘンデル作曲「ハレルヤ」に始まり、「カルメン」や「こうもり」といった名作オペラの有名どころ、はたまたしっとりと日本の歌メドレーと豪華な曲目が次々と披露されていきました。小さいお子様連れのお母さんも、「普段コンサートはこの子を連れて聞きにいけないので嬉しいです」とヌンクヌスクの温かいポトフを頬張りながらにっこり。どの年代の方にもお楽しみいただけたコンサートとなりました。
 

14:00 

会場:港橋広場公園|出演:名古屋アカデミックウィンズ

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学校の部活動で不動の人気を誇る、吹奏楽部。そんな吹奏楽のプロたちによるファンファーレに惹きつけられて続々と港橋広場公園に人が集まってきました。ウィンドオーケストラの指揮をとるのは仲田守氏。氏による軽妙なMCと青空に響き渡るオーケストラの音色、そして午前に人気を博したポトフと爽やかな春の昼下がり。不思議とお祭りに似たような高揚感に包まれていきました。私地元民だけどね、と話しかけてくださった女性がいました。「こんな風に素敵なイベントが開かれるなんて大賛成。秋にもっとパワーアップするなら絶対来なくちゃ。吹奏楽はあまり馴染みがないけどやっぱりプロの演奏は格別だね」と花が咲いたような笑顔で話してくださいました。
 

 

19:00 

会場:釜半|出演:トリオ de ブランチ コンサート

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2日間続いた本イベントの締めは、ヴァイオリン、オーボエ、ピアノによる粒ぞろいのトリオによるコンサート。ユーモアたっぷりなMCと美味しいワインに参加者たちから自然と笑みがこぼれます。しかし、演奏がひとたび始まれば、彼らの圧倒的表現力に目を閉じ、聴き入ってしまいます。東日本大震災復興支援ソング「花は咲く」では、演奏中にうなずきながら、目頭をおさえていたおばあさんもいらっしゃいました。また、ピアソラ作曲「鮫」や前年の紅白歌合戦で話題となった「千本桜」といったアップテンポな曲目は大変な盛り上がりを見せ、拍手がいつまでもなりやみませんでした。

 

 

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イベント情報

2016年2月26日(金)〜3月27日(日)
アッセンブリッジ・ナゴヤ・プレイベント
会場:名古屋港~築地口エリア一帯

【音楽部門】
2016年3月20日(日)〜3月21日(月・祝)
時間:10:30〜19:00
会場:名古屋港ポートビル、港橋広場公園、名古屋港水族館、港まちポットラックビル、港まちの飲食店 (珈琲物語、うどんDINING釡半、いせや)他
出演:
名古屋フィルハーモニー交響楽団、 池永健二、岩崎洵奈、坂口裕子&増原英也、SAXY FIVE + 2、 島田真千子、少年少女合唱団 ~大陸間「水」プロジェクト『I Love Water』、声楽アンサンブル Nuovo Anno、竹澤恭子、徳田真侑、 名古屋アカデミックウィンズ、山形由美、 山形由美&中部フィルハーモニーのメンバーによるSQ、他
企画:中村ゆかり

【アート部門】
2016年2月26日(金)〜 3月27日(日)※休館日がありますのでご注意ください。
パノラマ庭園 -動的生態系にしるす-
時間:11:00〜19:00
会場:港まちポットラックビル 他、名古屋港エリア~築地口エリア一帯
エキシビション:城戸保、玉山拓郎、徳重道朗、ヒスロム、山本聖子、リトルビークル
プロジェクト:L PACK
ワークショップ:下道基行、トラベルムジカ
トーク:五十嵐太郎、服部浩之、米澤隆
企画:服部浩之、MAT, Nagoya(吉田有里、青田真也、野田智子)

主催:アッセンブリッジ・ナゴヤ実行委員会
構成団体:名古屋市、港まちづくり協議会、名古屋港管理組合、(公財)名古屋フィルハーモニー交響楽団、(公財)名古屋市文化振興事業団
問:アッセンブリッジ・ナゴヤ実行委員会事務局
名古屋市港区名港1-19-23 港まちづくりポットラックビル
TEL 052-654-7039(受付10:00〜19:00)
www.assembridge.nagoya

LPACK
小田桐奨と中嶋哲矢によるアーティストユニット。バックパックに詰めた最小限の道具と現地の素材を臨機応変に組み合わせた「コーヒーのある風景」をきっかけに、まちの要素の一部となることを目指す。2007年より活動スタート。2009年~横浜に仮拠点「L CAMP」を構え、廃旅館をまちのシンボルにコンバージョンする「竜宮美術旅館」(横浜/2010-2012)や、室内の公共空間を公園に変えるプロジェクト「L AND PARK」(東京/2011-2012)、みんなのアトリエ兼セカンドハウス「きたもとアトリエハウス」(埼玉/2012-)、ビジターによるビジターのためのスペース「VISITOR CENTER AND STAND CAFE」(名古屋/2013)などを展開。また、各地のプロジェクトやレジデンスプログラム、エキシビションにも参加。http://www.lpack.jp/


安田祥子
名古屋市出身。4歳よりヴァイオリンを始める。名古屋市立菊里高等学校音楽科及び、愛知県立芸術大学音楽学部器楽科卒業。同大学大学院音楽研究科博士前期課程修了。現在は東海地方を中心に後進の指導にあたるほか、ソロ、室内楽、オーケストラ等各分野で幅広く演奏活動を行っている。第21回日本クラシック音楽コンクール第5(最高位)。これまでにヴァイオリンを小澤久恵、森下陽子、服部芳子、久保田巧の各氏に師事。


古橋健一
1976年愛知県生まれ。名古屋学院大学大学院、博士(経営学)院生時代から、商店街活性化のまちづくり、愛知万博へのNPO出展プロジェクト、東南アジア地域を中心としたワークキャンプ等の実践に従事し、多忙な青春を過ごす。人と社会とその関係性に関心がある。2008年4月より、名古屋市港区にて港まちづくり協議会事務局次長。2015年より、大学の非常勤講師としてまちづくりの講義も担当している。

 

 

 

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アッセンブリッジ・ナゴヤ2016
「アッセンブリッジ/Assembridge」とは、「集める」「組み立てる」などの意味を持つ、アッセンブル/Assembleと、港区エリアの象徴でもある橋=ブリッジBridgeを組み合わせた新しい言葉。「音楽やアートが架け橋となり、まちと人が出会い、つながりが生まれ、新たな文化が育まれていくように」という願いも込められている。www.assembridge.nagoya

 


2016年9月22日(木・祝)〜10月23日(日)[予定]
2016年秋「アッセンブリッジ・ナゴヤ2016」開催 
【ART】 9月22日(木・祝)〜10月23日(日)
【MUSIC】 9月22日(木・祝)〜9月25日(日)
会場:名古屋港~築地口エリア一帯

2016年秋に開催する『Assembridge NAGOYA 2016』。世界的に活躍する国内外のクラシック音楽家たちを招き、港まちはこれまでにない規模の音楽に包まれるでしょう。海の見えるガーデンふ頭には、港まちと世界をつなぐキーワード「水」の名を冠した特設ステージ《水の劇場〈ヴァッサービューネ Wasser Bühne〉》を設置し、名古屋フィルハーモニー交響楽団によるオーケストラ特別コンサートなど、祝祭的な野外公演を実施します。現代美術展では『パノラマ庭園』をテーマに、港まち全体を会場に、さらにその規模を拡大しながら、このエリアのリサーチをもとにしたアーティストの新作やプロジェクトなど、さまざまな作品がまちへと入り込んでいきます。この秋、音楽とアートによって世界につながる港まちにご期待ください。

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