2025.09.13.Sat - 11.30.Sun | 愛知芸術文化センター、愛知県陶磁美術館、瀬戸市のまちなか、他(愛知)
9月13日(土)~11月30日(日)の79日間に渡り開催される、国際芸術祭「あいち2025」。メインとなる会場は、4月1日(火)にリニューア
愛知県陶磁美術館
本展は、2024年のアート界の影響力ランキング「Power100」(※イギリスの美術雑誌『ArtReview』が毎年発表)で1位に選出されたフール・アル・カシミが芸術監督を務める。「灰と薔薇のあいまに」というテーマのもと、世界中からアーティストを招き、私たちが生きる環境について、二項対立の議論ではなく、「あいま」にあるニュアンスに富んだ思考の道を探ろうと試みる展覧会だ。
また、会期中は、参加アーティスト15組程度の作品が県内4カ所(豊田市、設楽町、大府市、豊川市)を巡回展示する「ポップ・アップ!」も開催される。
開幕まで約6カ月に迫ったこのタイミングで、全参加アーティスト60組が決定。これまで発表した36組に加え、今回新たに24組(現代美術23組、パフォーミングアーツ1組)のアーティストがラインナップに加わった。
<以下、追加発表アーティストの作品例>※掲載作品は、「あいち2025」出品作品とは異なる 場合があります
ハイブ・アース《Eta’Dan Wall for Sharjah Archietecture Triennal》 2023 Photo: Sharjah Architectural Triennial
panpanya「家の家」(7/8ページ)単行本『商店街のあゆみ』 2022 所収
フォスタン・リニエクラ『My body, my archive』 2023 Photo: Sarah Imsand
杉本博司《シロクマ》 1975 © Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi 作家蔵
なお、今回新たに発表されたアーティスト陣の中、地元愛知より出展参加となったBarrack(古畑大気+近藤佳那子) の二人にインタビューを実施。その内容をここに掲載する。
SPECIAL INTERVIEW:
Barrack(古畑大気+近藤佳那子)
Interview&Text:Takatoshi Takebe[LIVERARY]
Art Space & Cafe Barrack(撮影:三浦知也)
ー今回、2人1組での参加形態となりますが、それぞれ簡単な自己紹介をお願いします。
今回参加するユニット以外に、それぞれがペインターとして個人の制作も行なっています。古畑大気は主に路上観察をベースとした絵画作品をiPadや油彩という方法で制作し、またインストーラーとしても本芸術祭や美術館の展覧会に関わってきました。近藤佳那子は螺旋的に続く生活の中で繰り返される無駄なようで進んでいく力の美しさを絵画の中に落とし込んでいます。
古畑大気による作品一例
近藤佳那子の作品一例
これに並行して、Barrackという名義で8年前からユニット活動をスタートさせました。普段は国際芸術祭「あいち2025」の会場の一つである瀬戸市にある、せと末広町商店街の近くでカフェ&ギャラリー「Art Space & Cafe Barrack」を運営しています。
写真左から近藤佳那子、古畑大気(撮影:今井隆之)
「Art Space & Cafe Barrack」ではギャラリーのディレクションを古畑大気が、カフェを近藤佳那子が担当しています。そこをベースに、美術と食、時に音楽を起点としてユニットであることも含め、人との関わりの中で様々なプロジェクトを展開してきました。
底に触れる 現代美術 in 瀬戸」関連プログラム「坂道まぼろし夜市」を企画。
図書館入り口スペースを使用し、井出健介、Etranger、小池喬の3組による音楽ライブも行われた。
ー国際芸術祭「あいち2025」出展する作品について、コンセプトや、どんなプロセスのもと、今回の内容に行き着いたのか?教えてください。
なるべく全ての人がリラックスして過ごせること。お客さんが芸術祭を見て回る中で感じたことなどを自分の中に落とし込む時間が持てたり、誰かと共有したり、より深く参加アーティストたちの事を知れるような場づくりを目指します。また、地元愛知の作家たちをBarrackの出展を通して少しでも紹介できればと思います。
基本的には、私たちがこれまで大切にしてきた見ること、食べること、それぞれが過ごす時間を大切にすることを美術やご飯、音楽などで多くの人の助けを借りながら表現することになると思います。
Barrackの料理一例
ー地元愛知での芸術祭に参加する、という意味合いについて。何かあれば思いを聞かしてください。
自分たちがまだ愛知芸大の学生だった頃に、この国際芸術祭が始まりました。当時、愛知芸術文化センターの会場に入ってすぐに掛けられていた登山博文さんのとても大きな絵画を見て美しさに圧倒されて、愛知の絵描きはすごい……!とドキドキしたことを思い出します。
また、その後の芸術祭でNAKAYOSIの「VISITOR AND STAND CAFE」やザ・ウィロウズの「WE-LOW HOUSE」を見たことも、食事を共にしたり、空間を楽しく誰かとシェアするといった自分の中の美術体験を豊かにしてくれました。
愛知に拠点を持ち活動する中で、幸運なことに出会いに恵まれ今まで自分たちの美術を続けられてきたことをなるべく楽しく、よい形でお客さんと共有できるような関わり方が出来るといいなと思います。
ー最後に、LIVERARY読者へのコメントをお願いします。
芸術祭の会場の一つでもある瀬戸市には素晴らしい作家が大勢アトリエをもち、生活拠点にしています。ぜひ何度もいらしてください。そしてどこかのお店に入ってみてください。素敵な出会いがあるかも。会期中は末広町のArt Space & Cafe Barrackもオープンしています。(古畑作品の元にもなっている街並みも必見です!)
Art Space & Cafe Barrack(写真:三浦知也)
2025年9月13日(土)~11月30日(日)[79日間]
国際芸術祭「あいち2025」
会場:愛知芸術文化センター/愛知県陶磁美術館/瀬戸市のまちなか、他
主催:国際芸術祭「あいち」組織委員会(会長 大林 剛郎(株式会社大林組取締役会長 兼 取締役会議長))
公式Webサイト:https://aichitriennale.jp/