写真家・足立涼の個展「Other Space,Other Points」が、三重県いなべ市のギャラリースペース・岩田商店にて6月28日（火）までの期間開催中。

足立涼は岐阜県出身で、現在は愛知在住の写真家。最近では、元シャムキャッツ・菅原慎一（Shin）率いるバンド、SAMOEDOのアーティスト写真を手掛けている。本展は、東京のコーヒーショップ・PADDLERS COFFEEの巡回展となり、足立がライフワークとして撮影している「時間」と「空間」についての一連の作品を展示。また、プリントは写真家でありプリンターの鈴木理恵が、額装はWELD SUPPLY COによるオリジナルと、細部までこだわり抜かれた表現が見どころ。

会場ではオリジナルプリント作品のほか、コラボレーショングッズとして足立が撮影したいなべ市の風景ビックポスターも販売される。

＜以下、ステートメント＞

『今生きている人間の背後には30人の幽霊が立っている』という話を聞いたことがある。
地球の上ではかつて、およそ1千億人の人々が現れては去っていった。
その数は夜空に輝く星の数と同じだそうだ。

家の前のいつもの交差点で、または異国の渇いた大渓谷に立った時にでも
彼らは何を語るでもなくそこに佇んでいる。それは喫茶店の形をしていたり
岩だったり、何かの機械だったりする。
彼らの気配を感じ取った時、心地よい孤独が僕を包み込んでくれる。
それは時間や空間を超えたコミュニケーションなのだ。

遠いの国の大きな山脈や、自分が暮らしているこの小さな街も
宇宙という枠組みの中に存在しているこの世界で
『孤独に向き合うこと』とはどういうものなのか、答えを探しているのかもしれない。