【RENEWAL OPEN】ノリタケスクエア名古屋(愛知|名古屋市西区)
国内外において著名な陶磁器メーカー「株式会社ノリタケカンパニーリミテド」が運営する、陶磁器に関する複合施設「ノリタケの森」。その敷地内にある食器直営販売店「ノリタケスクエア名古屋」が、8月19日(金)大規模な改装オープンを遂げた。
今回のリニューアルでは〈ノリタケが提案するテーブルから広がる心地よい暮らし “DIAMOND DAYS(ダイヤモンドデイズ)” 〉をコンセプトに、「ノリタケ」ならではの視点を持った〈ライフスタイル提案型ショップ〉として生まれ変わりを図るという。旧くは工場として使われていたこの建物内にはショップだけでなく、カフェも併設され、イベントを行うことのできるスペースも設けられる。また、「ノリタケ」のシリーズがずらり並ぶギャラリーのような空間もある。
明治から続く老舗陶磁器メーカー「ノリタケ」。すでに確固たるブランディングを果たした企業が、あえて今、挑戦する新展開「ノリタケスクエア名古屋」に賭ける想いとは? その企画/運営に携わるスタッフ4名にお話を伺った。
FEATURE:
NORITAKE SQUARE NAGOYA
Interview, Text & Edit : Takatoshi Takabe [ THISIS(NOT)MAGAZINE, LIVERARY ]
Photo : Kazuhiro Tsushima [ TONE TONE PHOTOGRAPH ]
写真左から順に、「ノリタケ」営業企画チームのマネージャー・落合由香利さん。カフェ部門を担当するシェフ・黒沢一美さん。「ノリタケスクエア名古屋」の販売部門を担当する店長・伊藤麻衣子さん。そして、商品企画グループ/アートディレクター・加藤智博さん。
品格はそのままに。若者世代もカジュアルに楽しめる、生活美を提案。
−「ノリタケ」と言えば、「高級品」というイメージがありますが、今回のリニューアルで目指したのは「ライフスタイル提案型ショップ」ということなんですが、なぜあえて今そういった店に?
落合:これまでの「ノリタケ」ブランドのイメージは、今おっしゃったように、高級品であり、フォーマル/クラシックの精神といったキーワードを重んじたものだと思います。実際、国内外において支持してくださるファンの方々はありがたいことに多くいらっしゃいます。しかし、私たちの現代生活の中で高級な食器を使って食事をしたり、お茶をしたりってことは頻繁にはないですよね。事実、一般のご家庭で「ノリタケの食器を使っているか?」と問われたら、特に若者世代に関してはそんなに使ってもらえていない…。「高価な贈答品」というイメージが先行してあって、そのニーズへの対応が私たちのこれまでのメインターゲットだったこともあり、若い世代にはなかなか認知されていないのが現状です。
−陶磁器ブランドとしては国内外で愛用されるのに、日本の若者たちの実生活では使われていない寂しい現実がある、と…。
加藤:「ノリタケ」ブランドの歴史を辿ると、明治の時代まで遡ることになります。当初は貿易商だったんですが、自分たちのオリジナル製品を海外へと輸出できないか?ということで生まれたのが「Old Noritake」と現在では呼ばれるラインナップです。1950年代では、アメリカの一般家庭でほぼ日常的に使用されるような、手を伸ばせば届くくらいの価格帯のものを多く製造していた時代もあったんです。そして、日本国内の食卓の欧米化にともなって、国内でも評価を高めていくとともに、1980年代頃から現在のようないわゆる「高級品」とされるような製品が主力となっていきました。
広い店内にはまるでギャラリーのようなスペースが。中には、1点で数百万円という値段の大花瓶や、29pc一式で1200万円というセットも。
−1950年代当時、食卓におけるライフスタイルを提案していた、という事実があるんですね…。実際のところ、主力商品は高級なものが多いかと思いますが、今は、よりカジュアルなラインナップもあるんですよね?
伊藤:そうなんです。「ノリタケ」ブランド=高級品というイメージの先行もあって、国内では百貨店さんを中心とした売り場展開が多いのですが、百貨店さんではなかなか提案しきれない手頃な日用食器も時代の流れとともに作り出されました。例えば、こちらの「アルタ コレクション」というシリーズはただ単にカジュアルで価格が手頃、というわけではなく、「ノリタケ」が積み上げてきたこれまでのノウハウと技術力が詰まっています。非常に薄く軽さを追求した形状なんですが、丈夫で割れにくいというポテンシャルを秘めているんです。また、重ねやすさにもこだわっていますし、一枚ではわかりづらいかもしれないですが、何枚か重ねて持った時にその軽さが理解してもらえると思います。
4色展開のパステルカラーは違う色を組み合わせてもすっとハマる。こちらのグリーンのプレートは「アルタ(ピスタチオ)17cmプレート」税込1728円
カジュアルなラインナップといえども、高級感や気品は損なわないのが「ノリタケ」ブランドの特徴といえる。
−なるほど〜。パッと手にとってその時の気分でも買えてしまうくらいの価格帯ですね。
落合:そうなんです。しかし、こういった商品を欲しいと思ってくださるようなお客様の目に触れる現場(売り場)に展開できていないのが、歯痒いところで。そこで、今回、ここ「ノリタケスクエア名古屋」をリニューアルし、これまでずっと思い描いていた自分たちならではの展開が自由にできる場としました。さらに、カフェも内包する形態にしたことで、より新しいお客様たちと出会うことができる場にしていけたら、と考えました。
−これまでのメインターゲット層とは違う客層に届いてほしい、ということですね。
落合:これまでの高級志向の商品の主要購買層は国内ですと、40代以上が中心でした。リニューアル後の「ノリタケスクエア名古屋」では20代〜30代の方にも届けたいと思っています。
−かなり年齢差があるんですね。では、今回のリニューアルで掲げている〈DIAMOND DAYS〉というコンセプトの目指すところについて教えてください。
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2016年8月19日(金)~9月4日(日)
リニューアルオープン記念イベント情報(1)
ポップアップストア
会場:ノリタケスクエア名古屋・イベントスペース
定休日:月曜
出店店舗:THINK TWICE、cafe re:Li、Rietto、他
2016年8月19日(金)~21日(日)
リニューアルオープン記念ノベルティ特典あり
※10,000円(税込)以上お買い上げの方(各日先着50名)が対象
2016年9月4日(日)
リニューアルオープン記念イベント情報(2)
CHALKBOYライブペインティング
会場:CAFE DIAMOND DAYS(ノリタケスクエア名古屋内)
ライブペインティング:CHALKBOY
2016年8月19日(金)リニューアルオープン
ノリタケスクエア名古屋
住所:愛知県名古屋市西区則武新町3-1-36(ノリタケの森内)
営業時間:10:00~18:00、月曜定休
問:TEL 052-561-7290
http://www.noritake.co.jp/mori
株式会社ノリタケカンパニーリミテド
1904年に洋食器の製造を目的として創立され、その直後よりセラミックスの技術を核として新たな事業を開拓してきました。現在は、4つの事業を通じて、食卓から自動車・鉄鋼などの基幹産業や太陽電池を始めとするエネルギーやエレクトロニクスなど先端技術産業に至るまで、幅広い分野に製品や技術を提供しています。また、創立の当初から輸出を通じて海外と深く関わり、各国に営業や製造の拠点を持ってきました。その中でいつの時代、どの事業、いずれの場所においてもノリタケの根底に流れてきたもの。それは、「至誠事に当り、もって素志を貫徹し、永遠に国利民福を図ることを期す」という創業者の精神です。http://www.noritake.co.jp/