2026.08.28.Fri - | 伏見ミリオン座(愛知|伏見)

ブラジルを代表する女性作家、クラリッセ・リスペクトルが1977年に遺した最後の小説を映画化した『星の時』が、4K修復版として日本で初めて劇場公開。伏見ミリオン座では、8月28日からの上映となる。1985年に製作された本作は、ブラジル映画における女性監督の先駆者、スザーナ・アマラウの長編監督デビュー作。40年近い時を経て、いま改めてその魅力に触れる機会が訪れる。
主人公は、ブラジル北東部の貧しい土地からサンパウロへやってきたマカベーア。身寄りもなく、読み書きもままならない彼女は、安い給料で働きながら、3人の女性と粗末な下宿で暮らしている。自らの貧しさや境遇にも無自覚なまま、恋に憧れ、映画スターを夢見る日々。そんなある日、占い師から「あなたの人生は変わる」と告げられる。しかし、その言葉が示す「運命の瞬間」は、思いがけない形で訪れる。
原作は、「ブラジルのヴァージニア・ウルフ」とも称されるリスペクトルの代表作『星の時』。日本では2021年に初邦訳され、第8回日本翻訳大賞を受賞するなど、大きな反響を呼んだ。小説では謎めいた存在として描かれるマカベーアを、アマラウ監督は、特別な人物としてではなく、毎朝早くから働きに出る名もなき女性たちのひとりとして見つめる。社会のなかで見過ごされてきたひとりの女性の人生を、ユーモアと哀しみを交えながら、瑞々しく描き出した。
本作はブラジリア映画祭で主要6部門を受賞し、第36回ベルリン国際映画祭では主演のマルセリア・カルタッショが銀熊賞(女優賞)を受賞。近年では「ブラジル映画史上ベスト100」や、英国BFIによる「The female gaze:女性監督による、見過ごされてきた100本の映画」にも選出されるなど、公開から長い年月を経た現在もその評価は続いている。
さらに、フェルナンダ・モンテネグロが占い師役で出演しているのも見どころのひとつ。『セントラル・ステーション』でブラジル人として初めてアカデミー賞主演女優賞にノミネートされ、近年では『アイム・スティル・ヒア』への出演も記憶に新しい名優が、マカベーアの運命を告げる人物を演じている。
貧しさや孤独のなかにいるひとりの女性を、決して遠くから眺めるのではなく、その息づかいや夢、ささやかな幸福まで含めて見つめた『星の時』。40年という時間を越えてなお色褪せないその輝きを、4Kの美しい映像とともにスクリーンで味わってみてはいかがだろうか。
2025年8月28日(金)~
『星の時 4K』
公式HP:https://alfazbetmovie.com/hoshinotoki/
監督:スザーナ・アマラウ
原作:クラリッセ・リスペクトル
出演:マルセリア・カルタッショ、フェルナンダ・モンテネグロ、ジョゼ・ドゥモン、タマラ・タシュマン、ウンベルト・マニャーニ、デノイ・ジ・オリヴェイラ
1985年/ブラジル/ 96分 /1:1.43/カラー/ステレオ/原題: A Hora da Estrela /英題: Hour of the Star
配給:alfazebet
上映劇場:伏見ミリオン座 名古屋市中区錦二丁目15-5 (地下鉄[伏見]駅1番出口から徒歩1分)
http://www.eigaya.com/
問:052-212-2437
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