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FEATURE / 特集記事 Jul 09. 2015 UP
【SPECIAL INTERVIEW】三重在住の幼なじみ4人組インストバンド、tioから溢れ出る等身大の音楽。

TOKUZO(今池) | tio New Album「1984」Release Tour Final

 

桑名のプライベートスタジオを出発。一路、四日市へ。

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四日市という街から生まれた音楽

―今回、四日市は4人の地元ということで、思い出の場所を巡って撮影しようと考えていたのですが…。

水谷:思い出の場所はあるんですけど、ほとんど無くなってしまったんです。初めてライブさせてもらったのが「アンサイクルレコード」っていうレコ屋だったんですけど、そこももう無くて。
新美:
駐車場みたいになってました。
水谷:
他にも、初めてギャラをいただいたお店とかも候補にあったんですけど、もう違うお店になっちゃってて…(笑)。


四日市のコンビナートをバックに撮影されたMVは、物悲しさとエモーショナルな感情が入り交じる。

―思い出の場所が次々と無くなっていった…?

新美:実は、僕たち3人(新美・水谷・下田)が昔バイトしていた寿司屋もちょうど更地になっちゃってて、売りに出てました。
水谷:
cafe MONACAはまだ新しい店なんですけど、前にいたレーベルの館さんがそのカフェのオーナーで。とにかくお世話になったから、お店にも思い入れがあります。
新美:
そのオーナーはもともと四日市の方なんですけど、東京でカフェをやっていらして、その繋がりで地元に帰ってくるときにアーティストを連れてきて、僕たちが対バンでイベントに出るっていう流れに。そういうきっかけをつくってくれた恩人という関係ですね。それと、「四日の市」っていうイベントも主催している方で。そのイベントがきっかけで、僕らの「四日のマーケット」っていう曲も生まれました。

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四日市駅から歩くこと5分。

tioの育ての親(?)とも呼べる、前所属レーベルのオーナー・さんの店「cafe MONACA」に到着。

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「Cafe MONACA」。四日市駅よりほど近い所にあるビルの2Fに店を構える。

久々の再会に少し照れ笑いを浮かべながら、「まあ、座れよ」。5人の間に、“いつもの感じ”な時間が流れる。

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写真右端:tioの前レーベル主宰の舘則之さん。四日市出身。現在は、レーベル運営とともに東京でもカフェの経営など行う。四日市駅前でマーケットイベントを開催したり…と地元貢献への思いも強い、温かい人柄。「お前アクションスターか?なんやこの格好は!?」と隣に座った伊藤さんにすかさず突っ込みを入れるひょうきんな性格も素敵。

―ここ(café MONACA)でもみんなで飲んだりとかするんですか?

伊藤:みんなでっていうのはないですけど、個々で遊びに来て飲んでたりとかは。で、たまたま会ったりとか、ね?
下田:たまたま僕がごはん食べに来て、帰りにチラッとみたら(伊藤が)ベロベロに酔っぱらってました(笑)。
伊藤:いつものスタイルでやっちゃってました(苦笑)。

―酔っ払うとどうなるんですか?

伊藤:明るくなるんですけど、記憶がなくなります(笑)!

―えー、危険!(笑)

新美:ある一定のラインを飛び越えてしまうと、こいつは記憶がなくなるんです。
下田:次の日とか、練習しとったら「あれっ!?」って。レシートかと思って出したらくしゃくしゃの4000円出て来たわ!みたいな

―(笑)。


恋人、家族、会社!? tioという名の音楽と、人

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―ちなみに、みなさんはケンカとかしないんですか?

伊藤:いや〜、しますよ。
水谷:でも、全部音楽のことやんね。「そこがちょっと遅い」とか。
伊藤:「ここをこうしたほうがいい」とか。
水谷:それ以外はないよね。
下田:こいつ(伊藤)が酔っ払ったときに怒るくらいですかね(笑)。それはそれぞれ一人1回ずつくらいはある。
一同:(笑)。
伊藤:ただ、怒られた記憶はない…。
下田:本人は何にも覚えていないんですよね。
伊藤:(苦笑)。

―(笑)。普段、どんな話をしているんですか?

新美:僕らって楽器が好きなんですよ。なので、みんな黙り込んでるなって思っていたらそれぞれが楽器のオークション見ていたり、とか。

―まさにバンドマン気質ですね。

新美:下田と僕は、ずーっと一緒なんで。もうホント腐れ縁くらいの感じなんで、プライベートでしゃべることないんですよ。しゃべらなくてもなんとなくわかるくらいの。勝手に家に上がり込んでくるくらいの仲なので。
下田:まぁ、玄関が開いているんで、普通に入っていって、お父さんお母さんにも何にも言わなくても大丈夫なくらい。
伊藤:たまに寝坊したら起こしにいく。
下田:普通に部屋に入っていって「オーイ」って言って。
新美:電話かかってきて「今から行くわ~」って、10分後くらいには勝手に僕の部屋に上がり込んで。

―家に行って何をするんですか?音楽聞くとか?

下田:僕の好きなマンガを(新美が)いっぱい持っていた時があって。なので、彼の家に行ってマンガをひたすら読んで、読み終わったら「ちょっと腹減ったから帰るわ」って。

―漫画喫茶的な(笑)。

新美:だいたい(下田が)漫画読み終わるくらいになると僕は先に寝てるんで。こいつはずーっとマンガ読んで、いつ帰ったのかもわからんみたいな…。

―なんか倦怠期のカップルみたいですね(笑)。

下田:一応、帰る時には声はかけるんですけどね。でも、寝てるんです(笑)。

―みなさん個人でも常に向上心があって、それをなるべく全員に共有して、ビルドアップしていきたい感じという印象を受けました。真面目ですよね、とにかく。

下田:それは…よく言われます(笑)。
伊藤:硬いってね。
新美:気持ちは柔らかくしたいんですけど、硬く見られちゃうんですよね。
下田:なので、打ち上げでこいつ(伊藤)がやらかすと、みんなが「凄いな」って、そんな一面もあったのかってなるんですよ。普段はこんなガチガチの状態なのが、打ち上げの最後の乾杯はこいつがやっていたり、とか(笑)。
伊藤:それも覚えてないんですけどね(笑)。

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―真面目すぎて悩みすぎて…「もう辞めたい!」ってことはなかったんですか?

新美:「もう辞めたい」はないですね。「辞めたるぞボケェ」みたいな気分になる時はあるんですけど(笑)。
水谷:結成当初は1年に1回、自分たちを見直して、去年よりもスキルアップできてなかったら「もう続けていく意味ないね」みたいなことは言っていましたね。前年よりもアカンくなったらもうダメみたいな。

―すごい。バンド活動の前年比、出すんですか!…なんか会社みたい(笑)。

水谷:でもそれがモチベーションになっていると思う。
新美:
モチベーションがキツイところだったらやる意味ないよねとは考えています。
水谷:
決めるのは自分たちなので、甘い部分はあると思うんですけど。でも進歩が見られなかったらやる意味がないのかなっていうのはありますね。

―それは年齢的な焦りとかもあるんですかね。

新美:あぁ、ありますね。そういう環境の中でこういう活動のスタイルができてきたので。逆に今が一番落ち着いているくらいかもしれない。

―今が「いい感じ」な活動状況って感じですかね?

新美:今を「いい感じ」と捉えてしまっていいものか…。

―真面目!(笑)。常に自問自答を繰り返しているんですね。

一同:(笑)。

―仕事とのバランスもそうですけど、家族や恋人とのバランスはどうですか?

新美:tioのメンバーとは友だち以上の関係で、もう家族的な感覚があるんで。別にしゃべりたくなければしゃべらなくてもいいし、でも、一緒にいるみたいな。

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ーなるほど。誰か一人くらい「もう仕事に集中したいからバンドなんてやってられない」とか言い出しかねない年齢ですよね、きっと。

新美:やっぱり単純に楽しいからっていうのはあるんですけど。今まで散々「バンドをやるための仕事」って口に出して自分に言い聞かせて、心の中で確認しながら続けてきているんで。

―そういう強い信念を持った4人が集まっているのは奇跡的だと思います。この先もずっと今の「いい感じ」を続けていけるような気持ちですか?

新美:比率的に今は、仕事7:バンド3くらいなので、このバランスがバンドに偏っていくようになればな〜って思っています。それをどうにか上手いことやらなきゃいけない年齢なのかもしれないなので、その割合をいきなり音楽10にするのは難しいですけど、少しずつそうできる環境にしたいな、と今は思っていますね。

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桑名の山中から四日市の街中へ移動する時間も加えると、およそ4時間以上に渡るロングインタビューになった今回の取材。終了後4人とお別れするのが何だかさびしくなるほどに音楽に対しても人に対しても、純朴でまっすぐな彼ら。4者それぞれの人間味/キャラクターが溶け込んだ、等身大のグルーヴを感じさせる、真の意味でのバンドアンサンブル。『1984』は、まさに”音楽と人”を体現するバンド・tioの<現在>が刻み込まれた作品と言えるだろう。

今作のリリースツアーが目下開催中。ツアーファイナルは、8月9日(日)今池TOKUZOにて行われる。ツアーを経て、よりビルドアップされているであろう4人のライブをぜひともお楽しみに。四日市の仲間たちも、スタジオ近くの畑のおばあさんももちろん駆けつける(?)、今池TOKUZO公演のライブインフォメーションは以下の通り。

 

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イベント情報

 

2015年8月9日(日)
tio New Album「1984」Release Tour Final

会場:今池TOKUZO
open 17:30 / live start 18:30
料金:adv 2,500yen door 3,000yen
※ご入場の際、別途ドリンク代(500yen)が必要となります。
メール予約 info@budmusic.org
お名前、チケット枚数をメールしてください。
ローソンチケット(0570-084-004/Lコード:48189)、e+(http://eplus.jp)、チケットぴあ(0570-02-9999/Pコード:266-763)

出演:tio、DENIMS

主催:JAILHOUSE
企画・制作:bud music, inc.

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tio

三重発4ピース・インストゥルメンタル・バンド。2008年、水谷真大(Gt/Pan)、新美耕介(AGt)、下田貢(Ba)、伊藤祐介(Dr)にて結成。2013年夏よりNabowa、jizueなどが所属する京都のレーベル、bud musicに所属し、2014年1月にフルアルバム「toitoitoi」、11月にシングル「ROLL」をリリース。初の全国ツアーを行い、「Natural High!」、「GO OUT CAMP」などの野外フェスにも出演。2015年5月27日(水)、最新アルバム「1984」をリリース。www.t-i-o.jp

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