2022年12月に22周年を迎える、センチュリーシネマの周年を記念して、今年の3月に急逝した青山真治監督の追悼上映企画が12月16日から開催される。

上映作品は『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』と『EUREKA/ユリイカ』の2作品。今回はスペシャル企画として両作品とも爆音上映で知られる boid 主宰の樋口泰人氏が映画館の音響機材の能力を最大限に使い映画の音を 1 本 1 本調整し、耳ではなく身体全体で音を聴き、感じることを目指し音量を上げ、会場の響きを聴きながら映画の面白さを引き出す調整を施した“ボイドサウンド”で、各作品1週間限定で上映する。『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』の草原の上で演奏する伝説のライブシーンや、『EUREKA/ユリイカ』のジム・オルークが手掛けた楽曲などを最高の音質で体感できる貴重な機会となる。また、両作品のプロデューサー仙頭武則氏を迎えてトークイベントを開催、『EUREKA/ユリイカ』は『Helpless』『サッド・ヴァケーション』の九州3部作にで“秋彦役”の俳優：斉藤陽一郎氏も登壇する。

『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』
謎のウイルスの蔓延により、死に至る奇病が世界で進行する中、希望はまだ地上に残されているのか？　青山真治監督が、浅野忠信、宮﨑あおい、中原昌也ら豪華多彩なキャストの共演で放った異色の近未来ＳＦ。西暦2015年。〈レミング病〉と呼ばれる謎のウイルスが蔓延し、それに感染した人が世界中で次々と自殺を遂げる中、ミズイとアスハラという2人の男たちが、世界の果てのような地で、楽器や道具を使って奇妙な音響実験に取り組んでいた。愛する孫娘のハナがウイルスに感染した老富豪のミヤギは、2人の男が演奏する音を聴くことによって〈レミング病〉の進行を防ぐことができるらしいという噂を耳にし、彼らに助けを求める。

『EUREKA/ユリイカ』
青山真治監督の代表作。かつてバスジャック事件に遭遇して心が傷ついた人々の再生を描き、第５３回カンヌ国際映画祭などで絶賛された。主演は役所広司、宮﨑将、宮崎あおい。
凄惨なバスジャック事件で、わずか3人だけ生き延びた中学生の直樹と小学生の妹・梢、運転手の沢井。それから2年、心の傷から家族を捨てていた沢井が故郷に戻ってくるが、時を同じくして謎の連続殺人事件が発生、彼に疑いの目が向けられる。そんな中、沢井は直樹と梢が引きこもって暮らしていると知り、彼らと共同生活を始める。やがて3人に兄妹のいとこ・秋彦を加えた4人は、過去と向き合うようにバスでの旅に出発するが……。