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FEATURE / 特集記事 Oct 27. 2017 UP
【SPECIAL INTERVIEW】
青葉市子 × マヒトゥ・ザ・ピーポー = NUUAMM
その答えは、常にオルタナティブでありたいと願う存在証明。

NUUAMM NO W/AVE TOUR IN NAGOYA |2017.10.31 Tue|千種文化小劇場(愛知|千種)

左:マヒトゥ・ザ・ピーポー、右:青葉市子。Photo : Yuichiro Noda

 

2017年6月、雨がしとしとと降る梅雨空の下、リリースされたNUUAMMというユニットの2ndアルバム『w/ave』。NUUAMMは、一言で言えば、青葉市子マヒトゥ・ザ・ピーポーの二人組ユニットだ。

青葉市子は、小山田圭吾坂本龍一細野晴臣といったビッグネームからのラブコールとコラボレーションという話題性も持つ稀代の女性SSWとして知られている。片やマヒトゥ・ザ・ピーポーはと言うと、常にパンクなアティテュードのロックバンド・GEZANのGt./Vo.として各所で火花を散らしているイメージ。つい先日も、DIY精神に満ちたフリーフェス「全感覚祭」を古巣・大阪でブチかましている。もともとインディーバンドシーンにいたマヒトだが、近年はソロ活動も並行して行い、テニスコーツからKILLER-BONGまで幅広くジャンルを越境し、自身との共鳴者たちと共演・共作を行ってきた。

そんな色も匂いも全く違うフィールドに生息する生き物と言っても過言ではない二人が、2014年に突如結成したユニット、それがNUUAMM。ある意味企画性の高い一時的なユニットである、とおそらく両者のファンそれぞれが思ったはずだが、2017年突如、彼(彼女)らは再稼働し新たな作品『w/ave』を生み落とした。そしてすぐさま日本全国+台湾を巡るライブツアーを発表(※名古屋公演は、10月31日(火)千種文化小劇場にて開催される。詳細はページ下部へ)。

人を食ったような自由奔放な遊び心と、切実な何かが横たわるNUUAMMの音楽は、光と闇の両方が曖昧に訪れ、生と死を彷徨う。あらゆる二元論に対するアンチテーゼのようでもある。「発言するメディアを慎重に選んだ」と本心を話してくれたNUUAMMの二人にじっくり話を聞いた。※このインタビューは2017年6月、LIVERARYofficeで彼らがライブ「UNKNOWN JUNE」を行った当日行われたものです。お待たせしました!

 

 

SPECIAL INTERVIEW:

青葉市子、マヒトゥ・ザ・ピーポー

Interview & Text : Takatoshi Takebe [THISIS(NOT)MAGAZINE, LIVERARY]
Photo : Sara Hashimoto [ LIVERARY ] 

 

―マヒトくんとは何度か会ったことも話したこともあるんでアレなんですけど、青葉さんとは今回が初めましてってことで、まず率直な疑問からいきたいと思います……本とかって読みますか?

マヒト:そこから?(笑)。

青葉:本は読まないですね。人として仲良くなって、作家さんがどんな人かを知ってから読むことはあります。図鑑は好きです。

マヒト:僕も全然本読まないですね。雑誌は好きだけど。本は今までの人生において10冊も読んでないぐらい。読み始めたら、もう早く終わんないかな〜って、あと何ページあるかな〜って残りページ数を数えちゃったりするんですよね。じっとして本読んでると、こんなことしてていいのかな〜ってなります。

―有名な作品とかも読んでないですか?試しに読んでみるか的な。

マヒト:村上春樹はちょっとだけ読んで、文体はおもしろいな〜ってのは理解できました。ラップで言うところのフロウみたいな部分は。

―(笑)。本を全然読んでないってのは意外。お二人とも、歌詞を書くうえでのソースって何なんでしょう?ほかの音楽や歌から、なんですかね。

青葉:マヒトは映画をよく観ているよね。

マヒト:映画は好きですね。鷹の目さん(JET CITY PEOPLE)と以前、映画の話ですごく盛りあがったな〜。

―青葉さん、映画は?

青葉:映画もあんまり観ないですね。オススメされたら観ますけど。

―青葉さんは映画も観ない、本も読まない……じゃあ、普段何してるんですか?!

青葉:何してたんだろうね(笑)散歩は好きです。

―(笑)。

 

 

マヒト:市子は音楽もあんまし聞かないもんね。

青葉:むしろ、無音の方が好きかもしれないですね。

―何を吸収して今の音楽性になったのかなってのがすごく気になります。

青葉:自分から何かを探しに行くことはないです。音楽のCDとかも、ほとんどもらいものしかないです。

マヒト:最初、市子とあった時、何も聴いてないし、何も読んでないし、映画も全然観てないって状態だったけど。YouTubeで友川カズキの「花々の過失」の映像とかを観せたら、もう「人生で一番ヤバイもの見た」ってくらいのすごい顔をしてて。

―(笑)。

マヒト:自分から動いて貪欲にインプットしてない分、一個情報が入ってきた時の反応の爆発がすごいんだなって、あ〜こういうタイプの音楽の聴き方もあるんだと思って衝撃でした。その直後くらいに、俺が住んでた家を出ることになって、その時持ってた写真集とかCDとかもそういうモノを全部売っちゃったんですよね。モノとか持ってない方がむしろインプットの力が上がるんじゃないのか?みたいな影響を受けて。普段、手ぶらで何も持ってないほうが一個一個の衝撃がすごくなりそうだな〜って。

 

「花々の過失」(※友川カズキを追ったドキュメンタリー映画。監督はヴィンセント・ムーン)

 

―では、青葉さんの家はもうCDとか本とかそういったものは何もない感じですか?

青葉:うーん……自分から何かを探して買うってことがほとんどないかも。今、知っている映画とか音楽とかそういうものは、もしかしたらほとんど人に教えてもらったものばかりかもしれない。

マヒト:でも、そもそも女の人の家って棚にバ〜って本とかレコードとか並んでるイメージがないですよね、男と違って。俺、人の家に行くとすぐ本棚とか見ちゃったり、家に置いてあるものとかレイアウトとか見てしまうんですけど、そういうところにその人の個性が出ますよね。6階建ての三角屋根の屋根裏部屋みたいなところに住んでいる人がいて、その家は変わってたな〜。

―青葉さんの家は変な家とかじゃないですか?

青葉:家は変じゃないんですけど、大家さんが変わってて。旅をした記録をまとめて本として出している人で。その人がリノベーションしてくれた部屋に住んでいます。

マヒト:俺が今住んでいる家の大家さんも変わってると思う。異様なほど竹やぶに囲まれてる家で、気になって住んでみたんですよね。そしたら実はテニスコーツが「majikick」(自主レーベル)を始めたくらいに住んでた家だったんですよ、本当に偶然。

(笑)。マヒト君は大阪から上京したわけですが、青葉さんも京都から上京したんですよね。それっていつ頃だったんですか?

青葉:上京したのは19歳です。それまで京都でもちょくちょく音楽活動自体はやっていたんですけど……。

マヒト:へ〜そうだったんだ。

―音楽そんなに聴いてなかったのに、音楽やるために上京したってことですか。何か目標にしていた音楽家の方とかいたんですか?

青葉:師匠がいて。

ーえ、師匠!?

青葉:そう、師匠がいて。京都にいるときに知った山田庵巳っていう8弦のクラシックを弾く人がいるんですけど、その人が東京でライブやるたびに高校生の頃からちょくちょく観に通っていました。その人の音楽だけが好きでしたね。山田さんの歌を覚えて京都に帰って、家のギターで練習をして、行くたびに練習した成果を見せては、ギターの演奏について教えてもらっていました。「これはこうで合ってますか?」みたいなことをやってるうちに、山田さんから「自分の曲をかいてみたら?」って言われて、それで自分の歌を書き始めました。

 

青葉市子『機械仕掛乃宇宙』(山田庵巳のカバー)

 

マヒト:俺はそんな風になったことないな。もし、俺の師匠は?って聞かれたら、バンド始める前だと灰野敬二さんかもしれないです。そんなに優しくないですよ。ギターの弦を張り間違えたりすると、もう死ぬほど怒られて。その度に、もうやめたろって思いましたね。

―灰野さんに弟子入りしてたの?

マヒト:弟子入りというか、かばん持ちみたいな感じで、灰野さんが関西に来た時に、俺、レコ屋詳しかったから、大阪や京都のレコードショップを案内したり……そんな頃もありました。さっきの山田庵巳さんって人、市子から教えてもらうまで俺は知らなかったですね。

 


マヒト:
上京当時、市子は最初はバイトとかしてたの?

青葉:東京に出てきたばかりの頃は、バーに住み込みでバイトしてました。泊まれる設備とかはなくて、バーのソファで寝て、水道で頭を洗ってました。その店でライブもやったり。最初はそうやって暮らしてました。

マヒト:へ〜そうなんだ!

―でも、そんな売れない芸人のような生活、辛くなかったですか?

青葉:辛くなかったです。ギター一本持って、家出みたいな感じで飛び出してきてしまった状態だったので、もう居場所はそこしかないって感じで。かくまってもらえて、お金をもらえて、ほんとにありがたいと思って働いていました。ほんと、なんでもやりますみたいな。

―何でそのバーを選んだんですか?

青葉:そのバーが、山田庵巳さんがよくライブをしていたバーなんです。

マヒト:その人、市子にとって重要人物過ぎじゃない?(笑)

青葉:そこしか頼るところ無かったんで。自分から転がり込みに行った感じでしたね。

―すごいな〜。でも、若かったからそれくらい捨て身の行動できるかもしれないですね。

青葉:自暴自棄でした。

マヒト:確かに、今から同じことやれ!って言われてもできないだろうね。

―当時、音楽で食べていきたいって思ってたんですか?

 


LIVERARY officeにて行われたライブ中の一コマ


青葉:
そこまでは考えてなかったです。京都の大学に行ってて、大学在学時に私のライブ映像をYouTubeで観てくれた東京のレーベルの人が「うちからCD出さないか?」って言ってくれて。でも、大学に通いながら音楽活動を本格的にやるなんてことは、自分の中で気持ちがブレてしまう気がして……何かひとつのことしか集中できない性格なので。

―じゃあ、そのレーベルからの誘いもあって上京したんですね。そのレーベルとは今でも一緒にお仕事されてるんですか?

青葉:4年間一緒に仕事して、アルバム3枚出したんですけど、23歳のときにそのレーベルとは決別しちゃって。私自身がやりたいことと、事務所側の意図が噛み合わなくなってきたんです。

マヒト:ちょうどそのレーベルから離れた後くらいのタイミングが、NUUAMMが始まったタイミングでした。だから、NUUAMMは自由にやろうっていうモードだったんですよね。

―気持ち的にも自由になりたいタイミングでNUUAMMが始まったわけですね。二人がこのユニットを始めたっていうのを知ったとき、正直、2枚目が出るなんて思ってなかったです。そう思ってた人も少なくないんじゃないかなとも思います。「2作目を作ろう!」ってなったのは、何かまたタイミング的な出来事があったんですか?

マヒト:2ndアルバム『w/ave』をつくった理由は、単純でNUUAMMの曲が増えたからかな。

―普段は別々の音楽活動をしているわけじゃないですか。いつ曲って作るんですか?

マヒト:ファーストアルバム『NUUAMM』を出した時もツアーでいろんなところを回ったんですが、その間にセカンドの曲ができたって言ってもいいかもしれないです。NUUAMMでツアーをするとその4、5日一緒にいる間に曲がパーとできていって……それは一人では到底出てこないような曲ももちろんあって。そのままNUUAMMの曲として出すことにした曲たちが今回のアルバムですね。

―1stアルバムのリリースツアー中の短期間に一緒にいたら、もう一作作れるくらいに曲がポンポンできていったってことですね。二人は音楽関係なしに普段から仲がいいわけじゃないんですか?

マヒト:音楽なしのプライベートとかでは全然会わないですね。「最近、こういう曲作ったよ」とかって連絡をするときはあるけど。で、そのままの流れで練習に入ったりしてます。

青葉:あと、ツアー中以外で、レコーディングしてる最中に新曲ができたりもしたよね。

マヒト:作曲、作詞から録音するところまでで、計2、3時間でできちゃった曲もあって。

青葉:ふたりともNUUAMMに対して、変に意気込んだりすることがないので……だから続いているかもしれないです。次はこういうの作るぞ〜って言って曲を作るわけじゃないというか。

マヒト:割りと自由な気持ちで始まって、誰にも指図されたくないってのが根本にあるユニットだから、コンセプトを先に組み立てて曲を作ったりはしてないですね。

 

 

― コンセプトを先に立ててつくったわけではない、ということですが、この『w/ave』っていうアルバムタイトルには結構なメッセージが秘められているんですよね?

マヒト:フランス語でaveが「ようこそ」「さようなら」って意味が両方ある言葉で。あとは、英語のWAVE=時流に対して斜線(=/:スラッシュ)を入れて断ち切っているイメージがあって。

青葉さんの口からは「WAVEに/(スラッシュ)を入れることで時流を断ち切っていて……」みたいな話が出てくるなんて想像できないんですが、やっぱりそういうコンセプト的なところは、いつもマヒトくんが考えるんですか?

マヒト:そんなこともないですよ。単純にコンセプトとか考えることが好きなんですよね。戦争中に遮光カーテンを閉め切って部屋の中に閉じこもって曲作っていて、周りで起こっている戦争には気づいていない、そういうイメージもあります。その意味では、NUUAMMがシェルターのような感覚もある。

青葉:私は後からマヒトがそうやって話しているのを聞いて「なるほど、そういうことね〜」って納得している感じ(笑)。でも、イメージは共感していました。いつもだいたいマヒトが地図みたいなものを作ってくれていて、私はそれをぼーっと眺めているだけなんだけど、「お〜い、市子行くぞ〜」って言われたときに、すっとその道を理解して出口までいっしょに行けちゃうというか。

マヒト:ぜんぜん性格の違う二人なんだけど、最終的な出口はお互いわかってるみたいな。

―なるほど。GEZANの時のマヒトくんっていつも何かと戦ってるイメージがあって。戦争で例えると、最前列でオラオラオラ〜ってものすごい勢いで捨て身で突撃していく部隊のような。だから、自分が安心できる場所としてのシェルターが欲しかったのかな〜って、それがNUUAMMなのかなと、二人の話を聞きながら今、思いました。

 

GEZAN (先日大阪で開催された「全感覚祭」より)

 

マヒト:それは、そうかもしれないっすね。無酸素運動で走ってきて、ふ〜っとため息をつける場所がNUUAMMというか。それは1枚目出した時からそうかもしれないけど。今作でよりその面は濃くなった気がします。

―前作より濃いというか、単純に曲の強度が増したという印象を受けました。個人的には、2曲目の「EDEN」が特に衝撃的で、青葉さんの声がもうハッとさせられるほどにもの凄くて。NUUAMMは二人が交互に歌うようなイメージがあったけど、「EDEN」はマヒトくんがギターとセリフで脇役に徹する感じじゃないですか。でも、そのバランス感もすごく良くて。

青葉:「マヒトが脇役」というよりは、二人の中で役割分担ができるようになってきたという感じもありますね。ちなみに、その「EDEN」という曲がさっきまさに話していたレコーディング中にできてそのまま録った曲です。

マヒト:実は、俺、最近になって初めてギターに対する愛情ってものがわかってきて。ギターっていいな〜っていう感情が今までなかったのに湧いてきてるんですよね。それは、単純に山本精一さんとかヤマジカズヒデさんとかとギターセッションをする機会があって、その時に意外にもギターの演奏を褒めてもらえたことが大きい。それで、もっとギターについて、もうちょっと奥の方へ進んでみようかなって思えたんです。だから、「EDEN」ができたのも、あんまり歌わなくてもいいって言うか、ギター演奏しているだけで全然楽しいっていうモードだったからかも。

―基本的にNUUAMMの曲作りは、お互いにアイデアを出し合って作るんですか?

マヒト:NUUAMMっていつも序盤は俺が曲をどんどん持って行って、中盤から市子が新曲を差してくるみたいな感じで、そういう風に曲が溜まっていって、アルバムの構成ができるんですよね。

青葉:いつも先攻(マヒト)/後攻(私)って感じですね。

 

 

―マヒトくんが持ってきた曲に対して、「じゃあこういうのはどう?」って青葉さんが出す感じってことですね。

マヒト:NUUAMMっていう名前も、最初に俺が「夜を縫う、朝を編む」っていうコンセプトがいいんじゃない?みたいなことを言って、それを受けて市子が「じゃあ、縫う編む(=NUUAMM)って名前はどう?」って返してきて「めっちゃええやん!それ」って決まったみたいな。

―前作の制作についてのインタビューをCINRA.NETで読んだんですが、「砂場で遊んでいたら、たまたまお城ができた」っていう例え話が出てました。今作もふたりが自然体で遊んでいたらできちゃった、ていう感じですか?

マヒト:前作を出した時はNUUAMMがもっと子供だったから「砂場」っていう例えは適していると思うけど、今作についてはその例えは合わないかなって思います。もう少し、NUUAMM自体が成長したというか。

―ユニット名を、青葉市子+マヒトゥ・ザ・ピーポーとかにせず、別の名前をわざわざつけたっていうのは、最初からもう全く別の個性を持たせようって考えが二人の中に潜在的にあったように思えますね。最初は子供だったけど、3年を経てNUUAMMが大きくなった、と。

マヒト:ジャケットに描かれているふたりの子どものイラストも成長してるんですよね。あのビジュアルに引っ張られてる部分もある。あの二人のストーリーを自分たちが描いているような気持ちもどこかにありますね。

 


左:NUUAMM 1st album『NUUAMM』、右:2nd album『w/ave』

 

―NUUAMMの音楽ってメッセージ性が全力で出ているわけではないけど、背後に何か大きなものが横たわっている感覚があります。

マヒト:極端なこと言えば、「人間の辞め方」みたいなテーマはありますね。ヒッピーカルチャーのように思われるかもしれないけど、自分たちなりのコミュニティを作ってしまえば、外界のいろんな流れみたいなものに負けないというか、そっちに流されない強い価値観を育てられるんじゃないか、と思うし、そうなれたらいいなっていう理想をずっと前から持っていて。

―市子さんとしては、ソロとNUUAMMとではどういう住み分けがあるんでしょうか?

青葉:根底はいっしょだと思うんですが、何か目的地があってそこに向かってひとりで舵取りしていかなきゃいけないみたいなプレッシャーがないので、力を抜いていられる。NUUAMMというひとつの現象として捉えているし、NUUAMMの人格に任せている部分はあります。私自身、NUUAMMのことを信頼しているんだと思います。だから、自分たちの思っているまま、できるだけそのまま届いてほしいなって思っています。

マヒト:自分たちの思いの届け方として、何で今回のインタビューを自分たちから依頼したのか?っていうところに話がつながっていくんですけど。まず「LIVERARY」って名古屋拠点のメディアだけど、逆にどこにも寄ってない感じもあって、そこが良くて発言の場として偉そうにも選ばせてもらいました。あとは、わざわざ自分たちの音楽について発言する必要性を感じた理由としては、やっぱりNUUAMMの音楽をパッと聴いた感じ、表面的には優しい感じの“いわゆるフォークソングユニットのアルバム”っていう印象を持たれると思っていて。でも、こっちは全然優しいアルバムをつくったとは思ってなくて。そこを伝えたかった。戦いに参加しない、戦いの勝ち方みたいなものがNUUAMMの音楽の中にはあると思ってて……ってこんなこと話しちゃうとかっこ悪いかもしれないんですけど(笑)。

 

NUUAMM /MAHO 

 

マヒト:TwitterとかSNSとか見てたら、周りのことがどうしても気になってしまうじゃないですか。もちろん音楽のことだけじゃなくて、政治とかもそう。で、政治に対してのリアクションとしてデモ運動とか起こす人たちもいて、そういう戦い方もあるとは思う。でも自分はそこには参加せずに、こっそり気になって部屋の窓のカーテンを開けて覗いてしまう。そういう邪念みたいな感情を自分から抜き取ってしまいたい気持ちがあって……。

―なるほど。青葉さんはそういう性格じゃないと思うんですよね。自ら動いてインプットをしようとしたり、周りの動向を気にしたりしていない人種だと思うんです。だから、マヒトくんはそういう青葉さんのムードに引き寄せられていったんじゃないかな?って。

マヒト:市子に自分の別の一面が引き出されているという風には感じていますね。自分を客観的に見た時、「ああ、俺ってこういうことを思ってたんだ」って気づきがある。さっき話したギターを好きになっている自分に気づいた話もそう。インタビューも受けるのもいっしょで、今日も武部くんを利用してNUUAMMについての自分の考えを整理しているみたいな(笑)。

青葉:私に引き寄せられているとか、どちらが舵取りをしているとかではなく、この二人じゃないとありえない感覚ってのはしっかりと存在していて。外で何が起きているのか?なんて大体予想はついているんだけど、それを知らないふりをしているような。

マヒト:でも、俺はその見て見ぬふりってのが上手にできない性格なんですよね。でも、NUUAMMをやってる時って、時間の流れとかが自分たちだけの時間の流れになっていく感覚があって、それがとても居心地がいいんですよ。俺自身もそうであるように、このアルバムを通して伝えたかったこととしては、自分を壊す方法を見つけるきっかけになればいいなって思いが込められているのかもしれない、そんな風に今思いました。2o17年に出たアルバムなんだけど、いつのものでもない、いい意味で時代性とかが関係無いアルバムになったなとも思っています。いわゆる生活に沿ったフォークソングユニットなんかじゃなくて、あくまでどこまでもオルタナティブでありたいって思うんです。

 

イベント情報

2017年10月31日(火)
NUUAMM NO W/AVE TOUR IN NAGOYA
会場:千種文化小劇場 ちくさ座(名古屋市千種区千種三丁目6番10号)
時間:開場 18:00 / 開演 19:00
料金:前売 3,000円 / 当日未定
出演:NUUAMM
予約&お問合わせ:
予約:https://reserva.be/jellyfish489/
問合せ:http://www.jelly-fish.org/

【NUUAMM NO W/AVE TOUR INFO】

https://nuuamm.tumblr.com/


NUUAMM(ぬうあむ)
2014年、青葉市子とマヒトゥ・ザ・ピーポー(GEZAN)により結成される。2014年12月、1st album『NUUAMM』をリリース。すべてのライブ活動をワンマンライブにて行っている。2017年4月、初の台湾公演を成功させる。2017年6月、2ndアルバム『w/ave』をリリース。

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