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FEATURE / 特集記事 Aug 15. 2023 UP
国内の若手現代作家・川角岳大、澤田華、関川航平、船川翔司による
グループ企画展「吹けば風」を豊田市美術館が企画・開催。
絵画、映像、身体表現、天気を取り込んだ作品など4者4様の新たな風が交わる。

2023.06.27.Fri - 09.24.Sun | 豊田市美術館(愛知|豊田)

6月27日(火)〜9月24日(日)豊田市美術館にて、企画展「吹けば風 Incoming Breezes」が開催中。

同展示では、国内の新進気鋭の若手作家・川角岳大、澤田華、関川航平、船川翔司の4名をフィーチャー。そのいずれもが日々の状況や、観賞者の心情によって変化していくような作品となっている。

「素潜りや車の運転中の体験を思い出しながら淡く描いた」という川角岳大による淡い記憶を拡張したどこか不思議な色合いと世界の捉え方を持った絵画作品を展開。

 


川角岳大 展示風景 2023(豊田美術館「吹けば風」の展示風景より。撮影:中村マユ)

 

ホラー映画や自身のiPhoneの記録など、カメラやメディアを通した世界に見え隠れする「何か」を、再度プロジェクターやデジタルサイネージといった映像機器を媒介にアウトプットを行った澤田華

 


澤田華《漂うビデオ(移動、裂け目、白い影)》2023(豊田美術館「吹けば風」の展示風景より。撮影:中村マユ)

 

リアルタイムで作品を更新し続けるというパフォーマンスを行なってきた関川航平は、本展の会期中、展示室内に設けられた巨大な坂に自らの身を実際に置き、自分自身の行為全てを身体表現として展示する、という気鋭の作品となっている。

 


関川航平《夊》2023 (豊田美術館「吹けば風」の展示風景より。撮影:中村マユ)

 

日々の天気、無人島で拾った漂流物、双子の少女など様々な対象をソースにAIやプログラミング技術などを用いて作品へと昇華する船川翔司。風力計などのセンサーを使用し、天候そのものを作品の中にインストールした大掛かりな体験型作品を中心に展開。

 


船川翔司 展示風景 2023(豊田美術館「吹けば風」の展示風景より。撮影:中村マユ)

 

4者4様の表現方法で構成されたグループ展「吹けば風 Incoming Breezes」は、豊田市美術館という会場にとって、または現代アートシーンにおいて、まさに新たな風を吹かせる展示内容となっているだろう。それぞれの速度で体感してみてほしい。

 

<以下、「吹けば風」ステートメントより>

思いがけず感じる清風、偶然目にとまった道端の花など、ほんのわずかな間だけ私たちの意識をとどめる小さな発見。この展覧会では、通常は見過ごされ、忘れられてしまうような細やかな発見や驚きに注目し、そうした体験を見つめなおします。

本展のタイトルは、明治生まれの詩人・高橋元吉が詠んだ詩の「咲いたら花だった 吹いたら風だった」という一節からきています。それがなにかわかるまでは「なにか得体の知れないもの」でよいと言い、先入観を取り払っておおらかな気持ちで物事を見ようとするこの詩人にとって、世界は新鮮な発見に満ちていたかもしれません。

本展に参加する4人の作家もまた、日々の生活や旅先での体験に取材しつつ、五感を介してなにかを感じるときに自身に起こる変化をつぶさに観察し、作品を見る人の細やかなものに反応する感性を刺激します。会場では、4人の作家がそれぞれつくりだす4つの体験をお楽しみください。

 

会期中にはアーティスト・トーク、ワークショップなども予定されているほか、「吹けば風」と対となるようなコレクション展「枠と波」も同時開催中。言葉や音、日用品や身近な風景を取り込んだ1960〜70年代の作家たちが「吹けば風」参加作家らと同年齢だった時の若き日の作品によって構成されたこちらの展示も見応えのあるものに。

詳細情報は美術館のWEBサイトをチェックしてみてほしい。

イベント情報

2023年6月27日(火)〜9月24日(日)
吹けば風 Incoming Breezes
会場:豊田市美術館 展示室1-5
休館日: 月曜日(ただし7月17日、8月14日、9月18日は開館)
開館時間: 10:00-17:30(入場は17:00まで)
主催:豊田市美術館
観覧料: 一般1,300円[1,100円] 高校生・大学生800円[600円]、中学生以下無料
出展作家: 川角岳大、澤田華、関川航平、船川翔司
詳細・問い合わせ:https://www.museum.toyota.aichi.jp/

川角岳大
1992年、愛知県生まれ。近年の主な個展として「xo」(Lavender Opener Chair/2022年)、「川底の葡萄」(gallery N/2020年)など。参加したグループ展には「名古屋市美術館 現代美術のポジション 2021-2022」(名古屋市美術館/2021年)「清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE 2020」(岐阜県美術館/2020年)などがある。

澤田華
1990年、京都府生まれ。主な個展に「避雷針と顛末」(Gallery PARC / 2022年)、「夏の オープンラボ:澤田華 360°の迂回」(広島市現代美術館/ 2020年)などがある。「第3 回 PATinKyoto 京都版画トリエンナーレ2022」(京都市京セラ美術館/ 2022年)や「あ いちトリエンナーレ2019」(愛知芸術文化センター/ 2019年)などのグループ展にも多数参加。

関川航平
1990年、宮城県生まれ。主な個展に「あざみ野コンテンポラリー vol.11 関川航平 今日」 (横浜市民ギャラリーあざみ野/2020年)、「あの(独奏)」(デカメロン/2020年)、グルー プ展に「至るところで 心を集めよ 立っていよ」(Yutaka Kikutake Gallery / 2022年)、 「THEY DO NOT UNDERSTAND EACH OTHER」(大館美術館/香港/ 2020年)、「開館 40周年記念展 トラベラー:まだ見ぬ地を踏むために」(国立国際美術館/ 2019年)などがある。

船川翔司
1987年、鹿児島県生まれ。近年の展覧会に「Hey, _」(神戸アートビレッジセンター/ 2022年) 「秋田」(BIYONG POINT、2019年)、「THE ヨエロ寸-尋-」(VOU/2021年)など。 IGA PERFORMANCE FESTIVAL: STARPTELPA(ラトビア共和国/ 2021年)、Kunstverein St. Pauli(ドイツ/ 2022年)における展示・公演など、海外での活動も行う。

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