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FEATURE / 特集記事 Nov 20. 2015 UP
【ダンスな女子座談会:今、知っておきたいダンスの魅力。】
世界を魅了するバレエの歴史〜話題のコンテンポラリーダンスまで。
ダンス文化は、時代とともにステップを踏み、跳躍し続ける。

愛知県芸術劇場(愛知芸術文化センター内)(愛知|栄)

 

 

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(左から順に):唐津絵理、榊原亜美、吉口佳織

 

ーじゃあ、みなさん、まずは自己紹介から始めましょうか。

唐津唐津絵理といいます。この劇場のシニアプロデューサーです。23年前、この劇場ができた時にダンス専門の学芸員として、愛知県に引っ越してきました。19歳と15歳の子供がいます。あとボルゾイという大きな犬を飼っています。

ーあ。お金持ちが飼ってる犬ですね?(笑)

唐津:ピンポンです!(笑)お金持ちじゃなくても、ほとんど鳴かないので、小さなうちでも飼えるっていう犬です。

榊原:榊原亜美です。私は小さい頃に習い事でモダンダンスをやって、その後中学の部活動で新体操をやっていました。それからしばらくはダンスとは離れていたんですが、大学に入学して海上宏美先生(名古屋の舞台評論家)や山田珠実先生(ダンサー、振付家)の授業を受けたことがきっかけで、コンテンポラリーダンスが好きになりました。大学時代は原智彦さんのハラプロジェクトにちょっとだけ参加したりもしました。

唐津:私も最初はモダンダンスをやって、その後新体操をやってました…。いっしょですね!

―唐津さんご自身もダンサーなんですね!

唐津:そうです。5歳からモダンダンスをやって、その後ちょっとだけバレエをやって、新体操をやって、またモダンダンスをやって、で、こちらに来るときにやめました。ここの劇場に来る時に、「プロデューサーというのは裏方なので、できれば踊りをやめてください」と言われて、それでスパッとやめました。それ以来ストレッチもしてません(笑)。なので、観ていても本当は一緒に参加したい(踊りたい)くらいなんだけど。

ーなるほど~。…じゃあ、次、吉口さんどうぞ。

吉口:はい。吉口佳織です。私はダンスとかは未経験で、全く何も知らないので、今回色々教えてもらいたいです!

唐津:ダンスの公演は、何か見たことはありますか?

吉口:ミュージカルだったら、見たことあるんですけど。バレエやダンスは見たことがないです。

ー大半の人が、バレエとかって類のダンスは見たことないんじゃないか?と思いますね。

唐津:ミュージカルは皆さん、1回くらい見たことあったりするのかな?

吉口:はい。劇団四季とか…。実は私、ミュージカルでしたら、2年くらい習い事としてやってました。

ー習い事歴に、ミュージカルって珍しいね!(笑)

唐津:ミュージカルをやってたって、歌も踊りも演技もしてたってこと?

吉口:はい、でも小学生のときの2年間だけ習い事として習っていました。もともとエレクトーンをずっとやってたので、その流れでミュージカルも…。エレクトーンをやっていた関係で、バレエ音楽はすごく好きですね。

唐津:じゃあ、この11月の「ストラヴィンスキー・トリプル・ビル」の作曲家である、ストラヴィンスキーは知っていますか?

吉口:そうですね!曲は聴いたことありますよ。詳しくは知らないです…。

 

20世紀を代表する作曲家、ストラヴィンスキーって何者?


唐津:
ストラヴィンスキーは、20世紀に活躍した作曲家で、「ストラヴィンスキー・トリプル・ビル」は彼の曲の中から3つの演目を上演する、という公演です。上演されるのは、「春の祭典」「兵士の物語「火の鳥」という3つの音楽。いずれも1910年代に作られています。「春の祭典」が1913年なので第一次世界大戦の前の年です。そんな時代に作られた音楽なんです。で、現代人が聴くとすべてクラシック音楽だと思われちゃうんですけど、実は当時の人たちからすると、かなりロックで、とんがった音楽とされていたんです。

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ー“新しい音楽”として、当時は認知されてたってことですか?

唐津:そうです。今の人たちからするとクラシックだから、お高く止まっているように見えるかも知れないんですが、「春の祭典」の初演の時なんかは、あまりに今まで聴いたことがないような音楽だったので、賛成派と反対派に分かれて場内で喧嘩や暴動になってしまったんですよ!

吉口&榊原:え〜!暴動!!(笑)

唐津:そう、お客さんの間で暴動が起きてしまって演奏が聴こえなかった、なんていう伝説があるくらいなんです。だから、ある意味エポック・メイキングというか、時代を象徴するような音楽なんです。「20世紀で最も重要な音楽を1つ挙げてください」と言われた時に音楽ファンたちがこの「春の祭典」を1位にした、そんな作品なんです。なので、音楽としてはよく知られているんだけど、実は音楽のために作曲されたのではなくバレエのために作られた曲なので、本来はダンスと一緒になって初めて完成する音楽なんです。「春の祭典」「火の鳥」はバレエのための音楽。「兵士の物語」はバレエではないけど、もともと音楽劇なんです。

吉口:じゃあ、「兵士の物語」は台詞が入ってて、ちょっとミュージカルよりなんですね。バレエっていうのは全く台詞がないものなんですか?

唐津:基本的にバレエでは、台詞はないですよ。

吉口:え!じゃあ、踊りだけで、物語を表現するってことなんですね。すごい〜。

榊原:「春の祭典」って、これまでにもいろんな人がいろんな振り付けで踊っていますよね。それは、最初のストラヴィンスキーが音楽をつくった時の物語があって、それになぞらえてその時代時代の振付家たちが振付を考えるんですか?

唐津:良い質問ですね!いろんなつくり方があると思うんですけど、ストラヴィンスキーの音楽のつくり方は、音楽だけではなくて、そこに音楽のための台本みたいなものを彼は書いてるんですね。

吉口&榊原:へえ~!

唐津:例えば「春の祭典」は、もともとは、<春を迎えるために女性の生贄を差し出して、その女性が死ぬまで踊り続ける>というロシアに代々伝わる物語に触発されて作っているので、初演の時にはその物語を表したような舞台だった。でも、モーリス・ベジャールピナ・バウシュという現代の振付家が表した時には、彼らはその時代時代の解釈に変えていっているんです。今回の名古屋公演では、ウヴェ・ショルツさんというドイツの振付家です。彼は「春の祭典」を<一人のダンサーの物語>に変えてます。ショルツさんが一番信頼していたダンサーである、ジョヴァンニ・ディ・パルマさんのためにつくった作品なんです。今作は、ショルツさんがダンサーとしての一生をこの30分の作品に込めた…っていう内容になっています。華やかな舞台の裏には、長い下積みがあって、成功して大喝采を浴びても今度はまた別の苦悩にさいなまれる…といった壮絶な人生を描いています。

榊原:じゃあ、もうだいぶ原案から離れててもOKなんですね?

唐津:そうですね。原案の物語っていうよりは、音楽にインスピレーションを得た部分が大きいんじゃないかと思います。なので、音楽は簡単に変えれませんけど、物語はこれをこう演じてくださいとしっかりと決まっているわけではないので、変えることができるんです。

吉口&榊原:へえ~!

唐津:で、次は「火の鳥」。これは「春の祭典」の前、1911年に作られた音楽です。ストラヴィンスキーが初めて世に出るきっかけとなった作品なんですね。ちなみに、ここで長いバレエの歴史の中の<バレエ・リュス>の話をしておこうかな。

 

バレエ文化の歴史をおさらい。

古典へのカウンター<バレエ・リュス>がキーワード。


吉口:
えっと…その「リュス」って何なんですか?

唐津:「リュス」っていうのはフランス語で「ロシア」という意味で、つまり「ロシア・バレエ」のことを指します。ざっと説明しますと、バレエはもともと14世紀にイタリアの王妃がフランスに行くときに持っていったものなんです。

榊原:え!じゃあ、バレエってイタリアが発祥なんですか!?

唐津:そうなんです!何となく、フランス発祥ってイメージだったでしょ?実はイタリアってすごくて、今フランス料理の元になっているのって元はイタリア料理なんです。料理とかバレエをフランスにお嫁に行くときに持っていったわけですね。で、話を戻すと、フランスに渡ったバレエは、ルイ14世という王様に気に入られて、彼は自分で踊ったり、舞台をつくったりする人になってしまったんですね。なので、国をあげてバレエを発展させることになったんです。ということで、現在のバレエの基礎はフランスで作られました。そして、世界最古と言われている、フランスのバレエ団が「パリ・オペラ座バレエ」です。

榊原:オペラ座って聞いただけでなんか…ワクワクします!キラキラ~☆って感じですよね。

吉口:一番の有名どころって感じなんですか?

唐津:そう。350年くらいの歴史があります。国のお抱えのバレエ団で、庶民は触れることができない貴族階級のための、敷居が高いものだったんです。で、そんなフランスのバレエが衰退し始めた時に、ロシアが国の芸術として擁護したんです。

榊原&吉口:へ~!

唐津:皆さん、「ボリショイ・バレエ団」って聞いたことありますか?

榊原&吉口:…………。

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唐津:
ご存知ないんですね!(笑)実は、すごく有名なバレエ団で、バレエが確立されたのはロシアなんです。皆さんが、見たことはないけどおそらくバレエと聞いてイメージされる「白鳥の湖」とか「くるみ割り人形」なんかは、ロシアで創作された作品です。

ー今、お話にあがったイタリア、フランス、ロシアで、バレエは全然違うものなんですか?

唐津:う~ん。時代は全然違って、そこに何百年という差があるので、民族性というよりは、テクニックがどんどんアップしていくというところが違いですかね。例えば、さきほどお話した「白鳥の湖」とかって、皆さんがバレエと聞いてイメージする、トゥシューズを履いて「チュチュ」と呼ばれる短いスカートを付けるようになったのは、ロシア時代になってからのことです。最初は長いスカートを履いていて、ポジションからフォーメーション移動をするような簡単なものだったんです。

榊原:じゃあ、どんどん身体的な技術が上がっていった感じなんですね。

唐津:そうです、そうです。なんで衣装が短くなっていったか?というと、長くて美しい足を使った技術を見せるためですよね。高く飛んだり足をあげたりなどの技に応じて、元々は長かったスカートが短く変化していったわけです。で、ロシアで古典バレエが確立された以降、やはり一つのものが継承されると、そこに「もっとこうしたい!」というアンチテーゼを投げかける人が現れる。それが、<バレエ・リュス>なんです。もともと<バレエ・リュス>は古典的なものを打ち破ろうとする、とても前衛的な力…ある意味暴力的で破壊力のあるパワーから生まれている。だから「春の祭典」「火の鳥」はそういう力を持った音楽なんです。まだ20代だったストラヴィンスキーが初めてバレエのために書いたのが「火の鳥」。今ストラヴィンスキーは有名になってますけど、「火の鳥」がなければここまで有名になっているかわからないっていうくらい、この作品で出世しました。

吉口:「火の鳥」に注目ですね!今回、振付をされたマルコ・ゲッケさんってどんな人なんでしょうか?

唐津:マルコ・ゲッケさんはドイツの振付家です。彼は日本に来ることがあまりないですが、世界的に面白い振り付けをされている方なので、皆さんに紹介したいなと思ってお願いしました。ちなみに、マルコさんは暗いところが好きなんですって(笑)。


マルコ・ゲッケ

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吉口:なんか気になる情報ですね!(笑)

榊原:え、それは比喩とかではなく…?(笑)

唐津:うん、本当の暗いところ。明るいのが苦手らしいですね。作品もストイックで内向的。どちらかというと、お家が好きっていうような…(笑)。ダンスっていうとスポーツ的に快活なエネルギッシュなイメージばかりかもしれませんが、そうではなくて、心の深いところまで降りて行って表現していくっていうタイプ。その表現をした時にすごく共感を得られる場合もあります。だから、マルコさんの作品は、舞台も薄暗いんです。(笑)

ー暗さに注目!っておもしろいですね。では、ダンス経験者でもある榊原さん的に注目のポイントはどこですか?

榊原:私は、この「悪魔の物語」が気になっていますね。この作品、出演者の中にダンサーじゃなくて能楽師の方が入ってますよね。トレーラーを拝見したら、その能楽師の津村禮次郎さんがバイオリンを振り回して踊っていて(笑)。びっくりしました!


能楽師・津村禮次郎。彼を追ったドキュメンタリー映画の公開も控えている。

 

唐津:この作品は実は11年前にこの劇場でプロデュースした作品で、ストラヴィンスキーの曲のタイトルはもともと「兵士の物語」なんです。物語の中には、兵士と悪魔が出てきます。兵士がバイオリンを持って旅をしているところで、悪魔が兵士をそそのかして、兵士にとって一番大事なバイオリンを奪おうとする…といったストーリーなんですね。兵士が<善>で、悪魔が<悪>と読み取ることもできるし、その時代時代でその善悪の役割は逆転していたり、読み替えていくこともできます。これは、1918年にできた作品で、第一次世界大戦の後なんですね。だから、一番戦争に巻き込まれて、大変な思いをして、ストラヴィンスキーも自国へ帰れない時に作られている作品なので、祖国に帰りたいけど帰れない彼の思いや時代背景が込められているわけです。それで11年前に日本で上演するにあたって、どうしようか?って考えた時に、兵士と悪魔っていうものがやはり11年前の私たちにはピンと来なかったわけ。兵士になることって、まず想像できないじゃない?

榊原:うーん確かに…。今のご時世だったらちょっと考えちゃいますけどね…。

唐津:そう思うでしょ。でも当時はあんまりしっくりこなかった。だから、悪魔の部分って普遍的に誰もが心に持っているよね、っていう物語に変えようということになって。兵士の台詞を、悪魔の台詞に反転させて読み替えられるような仕掛けにしたんです。ただ、また今回再上演することになった時に、また11年前と今とでは状況が違うじゃないですか。さっき言われたみたいに兵士っていう言葉が前よりは近く感じられるようになったんじゃないかなと考えることもできる。だからやっぱり、現代的な作品っていうのは、その時代時代に起きていることや感じていること、それからその時の身体がダイレクトに反映されているものだと思います。再演なんだけれども、全く同じにするんではなく、今の時代に引き寄せてつくり変えるっていう作業をしています。

榊原&吉口:へえ~!

唐津:今回は、兵士というものを今の時代を意識して作る、と言っていました。全員が兵士にも悪魔にも見えたり…。それはやっぱりダンスの自由さなんですよね。普通お芝居とかは一人一役が多いと思うんだけど、この場合はソリスト4人全員が兵士役をすることもあれば、今回一人女性の酒井はなさんが入っていますが、女性兵士っていうのもあり得るし、能の津村禮次郎さんはちょっとお年を召しているので、老人兵士という役もやっていただくような、そういう設定になっています。


「悪魔の物語(「兵士の物語」より)」リハーサル風景。(左から)酒井はな、津村禮次郎、ジョヴァンニ・ディ・パルマ、小尻健太。


榊原:
流れでその人の役割が変化するっていうのも、ダンスの面白いところの一つですよね。

吉口:役っていうのは決まってないってことなんですか?

唐津:そうです、そうです。最初から決まっている役を演じるのとは違うので、人によってストーリーが違って見える可能性もあるわけです。見る人の自由であって、正解がないとも言えます。芸術全般がそうかもしれないけど、ダンスって“特に自由度が高い芸術”だと思いますね。

ーイメージとしてこの手のダンスって、もっと伝統芸能的なもので、型とか形式を細かく受け継がなきゃいけないものなのかと思ってました。自由に変えちゃってOK!っていうのは驚きました。

唐津:そういう意味で言うと<バレエ・リュス>はすでに古典ではないんですよ。さっきの話で言うとロシア時代の古典バレエは、1800年後半までが継承するバレエですね。その代表的な「白鳥の湖」ですら、マシュー・ボーンという振付家は、同性愛者のストーリーにしちゃいましたから。それくらい、時代に沿って読み替えていってるわけです。

吉口:じゃあ、何回見ても違う物語っていう可能性もあるわけですね。

唐津:ありますよ〜。「春の祭典」は、すごく有名な振付家だけでも100以上は作品があると思います。ある意味、振付家が一度は振り付けてみたい作品がこの「春の祭典」なんです。

榊原:振付家がダンサーも選ぶんですか?この技術はこの人にしかできないから、キャスティングするっていうような…?

唐津:そうですね。そうするのが多いと思います。例えば、今回、能の津村さんの起用については、振付家のユーリ・ンさんが「ぜひ!」と希望されたからなんです。振付家も全員海外の方で、日本で見る機会が少ないので、必見ですよ。

吉口:今、パンフレットを見ていたら、本番の上演時間は大体30分くらいなんですか?もっと長いものだと思っていましたので、これなら初めてでも気負いなく見れそうです。

唐津:そうですね。「春の祭典」は34分。「火の鳥」は10分、「悪魔の物語(「兵士の物語」より)」は40分くらいの予定です。さっき話した、ロシアの古典バレエくらいまでは、<物語バレエ>と言って、休憩を挟みながら10時間くらい上演するものもあるんです。

吉口:長っ!(笑)

榊原:オペラみたいですね。

唐津:オペラとバレエって、ほとんど起源が一緒なので、同じような感じですね。それはなぜかというと、もともとどちらも貴族の娯楽だったわけ。時間がたっぷりある貴族たちが、食べながら見て、休憩して、また食べながら見て…っていう。一日中やるものだった。それが、<バレエ・リュス>の時代には「途中で切ってしまったら作品の持つ質量やエネルギーが中断してしまう!」という意見が出てきて…。だから、一日がかりの長尺の舞台に途中休憩を挟む、というスタイルに対して、1幕で一気に見れるような短時間の作品が増えていったんです。

榊原:貴族や金持ちのためだけのもんじゃないんだ!みたいな庶民の思いも含まれてそうですね!

唐津:そうですね〜。…でも、<バレエ・リュス>のスポンサーはCHANELですけどね(笑)。

吉口:えー!シャネル!すごい〜!

唐津:とは言っても、その当時は今みたいな有名ブランドというよりは、逆にファッション界の前衛的なアーティストって感じだったんだと思います。

榊原:ファッションと芸術文化がコアなところでつながってるんですね〜!日本とは何か違う感覚ですね。

 

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ー唐津さんと榊原さんに質問ですが、今回、注目のダンサーは?

唐津:う〜ん。そうですね。まだ全部出来上がっていないので難しいところはあるんですが、「春の祭典」高比良洋さんは、もう振り付けが出来上がっていて、私昨日見てきたんですが、素晴らしかったです!


高比良洋

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榊原:プロフィールを拝見していて気になったのは、酒井はなさんや小㞍健太さん。この方々はよくコンテンポラリーダンスを踊っているダンサーさんなんですね〜。

唐津:そうです。でも、今回の公演の出演者のみなさんは、古典的なバレエも踊れる方たちばかりです。アレキサンダー・ザイツェフさんは、ボリショイバレエ学校を卒業されていますし、酒井はなさんは新国立劇場の最初のトップダンサー。小㞍さんはクラシックバレエの登竜門である「ローザンヌ国際バレエコンクール」にも出ていて、伝統的なバレエを踊ってこられたダンサーなんですが、それだけでは表現として面白くないと思い始めるわけですよ。「もっと、自分自身を表現するような作品をやりたいし、新しい振付家で踊ってみたい」と。そんな中で、小㞍さんはイリ・キリアンという有名な振付家がいるんですが、その人の作品が好きで、キリアンが芸術監督を務めるバレエ団に所属してましたね。皆さん素晴らしいダンサーです。そういった基礎をしっかり学んだ方々が、新しい形のダンスを踊るっていうのが、見所ですね。


小㞍健太

kojirikenta_photoby_momoko japan©momoko japan


榊原:
プロのダンサーの方って、どれくらいで振りを覚えて、どれくらい練習して本番を迎えるんですか?

唐津:それ、いい質問ですね!私ね、先日、ザイツェフさんが来日3日目の日に練習を見に行ったんだけど…。

榊原:振り入れ(=振り付けを覚えること)始めて3日ってことですか?

唐津:来日して3日!(笑)30分間の振付をほぼ完璧に覚えていましたし、30分間ずっと踊り続けていました。


アレキサンダー・ザイツェフ

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吉口:3日で〜!?日本に来てから振付って覚えるものなんですか?

榊原:すごい〜。人間じゃない…(笑)そもそも30分踊り続けるって相当な体力が必要ですよね〜。

唐津:だって、30分走るのも辛くないですか?

吉口:私、無理です…。ずっと舞台に出てるんですか?

唐津:そうです。ずっと出続けてずっとみんなに見続けられるわけです。今回は、小ホールでの公演なのですごく近い距離で見ることができます。

榊原:汗が飛び散るくらいの距離で?

唐津:こんなに近いのも愛知公演だけ!どうですか?吉口さん、行きたくなりました?

吉口:はい!今までよりも興味が出てきました!見ても理解できないような、昔の物語というイメージだったので。

唐津:古典的なバレエみたいなイメージでした?

吉口:なんかそういうものしかないって思っちゃうっていうか…。でも、能の人を取り入れたりとかってありえないと思っていました。固定観念に縛られない、表現の自由さがダンスの魅力でもあるんですね。

唐津:そうそう。作品も変わり続けなきゃね。古典の継承も大事だけれど、今の時代に作っているものは、今の人たちの感覚によって変わり続けていく方が、文化としてきっと健全だと思うんです。

 

 

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イベント情報

2015年11月28日(土)15:00/19:00 、29日(日) 15:00
ストラヴィンスキー・トリプル・ビル
現代バレエで見る、ストラヴィンスキーの音楽【愛知公演】
会場:愛知県芸術劇場小ホール
時間:28日(土)15:00 / 19:00、 29日(日) 15:00
※28日19:00の公演終了後アフタートークあり(ユーリ・ン、ジョヴァンニ・ディ・パルマ、唐津絵理)
料金:前売:一般5,000円(学生 4,000円)/当日:5,500円(全席種)

『火の鳥』のパ・ド・ドゥ
出演 : アレクサンダー・ザイツェフ、酒井はな
振付 : マルコ・ゲッケ
『悪魔の物語』(「兵士の物語」より)
出演 : 小㞍健太、津村禮次郎、酒井はな、ジョヴァンニ・ディ・パルマ
演出・振付 : ユーリ・ン
振付:江上悠
『春の祭典』
出演 : アレクサンダー・ザイツェフ / 高比良 洋(Wキャスト)
振付 : ウヴェ・ショルツ
振付指導 : ジョヴァンニ・ディ・パルマ
詳細:http://stravinsky3.com/

 

2016年1月13日(水)
月夜に煌めくエトワール Stars in The Moonlight 【愛知公演】
会場:愛知県芸術劇場コンサートホール
時間:19:00
料金:SS席 12,000円/S席 10,000円/A席 6,500円/B席 4,500円/B席学生 3,000円/車椅子席 5,200円/チャレンジシート 1,000円 ※全席指定
出演:
Dance:エルヴェ・モロー、ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオ
Music:ジョルジュ・ヴィラドムス(ピアニスト)、三浦 文彰(ヴァイオリニスト)

 

2016年2月11日(木・祝)
黒田育世レパートリーダンス公演
会場:愛知県芸術劇場 小ホール
時間:2016年2月11日(木・祝) 15:00、19:30(30分前開場/2公演)
料金:一般(前売)2,500円(当日)3,000円/学生(前売)1,500円(当日)2,000円
出演:BATIK、オーディション選抜メンバー

3公演ともに問い合わせ:愛知県芸術劇場:http://www.aac.pref.aichi.jp/

唐津絵理(からつ・えり)
愛知県芸術劇場シニアプロデューサー。あいちトリエンナーレ2016キュレーター。幼少時からモダンダンス、バレエ、新体操などさまざまな身体表現を学び舞台活動を行う。お茶の水女子大学大学院人文科学研究科修了後、愛知県文化情報センターにてダンスを中心とした舞台公演等の企画制作を行う。2014年から現職。文化庁やアサヒグループ芸術文化財団等の審査員を歴任。年間150公演以上の作品を観に行く、ダンス界のおてんば娘(?)。


 

ストラヴィンスキー・トリプル・ビル
現代バレエで見る、ストラヴィンスキーの音楽

【東京公演】
2015年12月8日(火)19:00、9日(水)19:00
会場:草月ホール
時間:各日19:00~
料金:前売り 5,000円、当日 5,500円
主催・問い合わせ:株式会社アーキタンツ TEL 03-5730-2732 (平日10:30-20:30/土日 10:30-19:00)

【熊本公演】
2015年12月12日(土)19:00
開場:熊本・市民会館崇城大学ホール
時間:19:00~ ※18:20より唐津絵理によるプレトークあり
料金:一般 3,000円/大学生以下 1,500円(前売り・当日)
主催・問い合わせ:熊本市・熊本市文化事業協会 TEL 096-355-5235 (8:30-19:00)

月夜に煌めくエトワール Stars in The Moonlight

【東京公演】
2016年1月10日(日)18:00、11日(月・祝)15:00
開場:Bunkamura オーチャードホール
料金:S席 13,000円 / A席9,000円 / B席7,000円
主催・問い合わせ:Bunkamura TEL 03-3477-3244(10:00~19:00)

【大阪公演】
2016年1月14日(木)19:00
開場:フェスティバルホール
料金:S席 12,000円 / A席9,000円 / B席7,000円 /BOX席 15,000円/バルコニーBOX 24,000円(2席セット・電話予約のみ)
主催・問い合わせ:フェスティバルホール TEL 06-6231-2221

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