やっとかめ文化祭2016
FEATURE:
やっとかめ文化祭2016
Text: Yoshimi Ishiguro [ LIVERARY ]
名古屋のまちを舞台に、名古屋の歴史や伝統文化を新しい感覚で楽しむイベント「やっとかめ文化祭2016」が10月29日(土)〜11月20日(日)まで各所で開催される。
今でこそ自動車産業を中心とした工業都市というイメージの強い名古屋(及び愛知県)だか、実は江戸時代から尾張徳川家のもとで豊かな文化を育んできた「芸どころ」だった。
「やっとかめ文化祭」は、こうした名古屋文化に裏付けられた優れたコンテンツを一堂に集めた祭典だ。4年目となる今回はさらにプログラムも充実。狂言のストリートライブ「辻狂言」、都心の真ん中にモダンな茶室が出現する「街茶」、有名料亭での「お座敷ライブ」、まちなかで歴史やカルチャーを体験する「寺子屋」「まち歩き」など、約150ものイベントがさまざまな場所で同時多発的に開催される。
いよいよ開催される「やっとかめ文化祭2016」。その見どころをピックアップしてみよう。
Point 01
歌舞伎や狂言を、
ストリートで楽しむ。
実は能や歌舞伎も、もとは人々が行きかう街角から生まれた文化。「やっとかめ文化祭」では、円頓寺商店街やオアシス21、ナナちゃん人形前など、まちのあちこちで狂言のストリートライブが開催される。
また「逆説の日本史」で知られる作家・井沢元彦氏企画・原案を担当したストリート歌舞伎「悪七兵衛景清」も各地で上演予定だ。
辻狂言 10月29日(土)~11月19日(土) 全9公演
ストリート歌舞伎「悪七兵衛景清」 10月29日(土)〜11月20日(日) 全4公演
Point 02
個性的な講座が目白押しの
「まちなか寺子屋」。
名古屋市内の蔵元を招いての日本酒の利き酒体験、なにげない地名から歴史を読み解く「小さな地名を巡る旅」。古墳に魅せられ志段味古墳のそばにお店を作ったコーヒー店主と行く古墳見学など、好奇心を刺激される講座が盛りだくさんの「まちなか寺子屋」。写真や和菓子、文学や動物園など、多彩なテーマの講座が開催される。
11月12日(土)に開催される「名古屋の手しごと 伝統と創造絞の可能性~有松で輝く若手職人たち~」は、有松の銭湯だった場所を会場に、有松絞の若手職人の話を聴きつつ、雪花絞で東袋(あずまぶくろ)を染めるワークショップも体験できる。伝統技術を継承しながらも、新しい感性を活かしたモノづくりを続ける「絞」の可能性を感じられそうだ。
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2016年10月29日(土)~11月20日(日)
やっとかめ文化祭2016
会場:名古屋市内一円
料金:イベントによる ※無料のものもあり
主催:やっとかめ文化祭実行委員会(名古屋市(文化振興室・観光推進室・歴史まちづくり推進室)、(公財)名古屋市文化振興事業団、(公財)名古屋観光コンベンションビューロー、中日新聞社、名古屋観光ブランド協会、NPO法人大ナゴヤ・ユニバーシティ・ネットワーク
問:
やっとかめ文化祭実行委員会事務局 (担当)藤井、吉田
〒460-0008 名古屋市中区三の丸三丁目1番1号
名古屋市観光文化交流局文化歴史まちづくり部文化振興室内
TEL 052-972-3172 FAX 052-972-4128
y.yoshida.10@city.nagoya.lg.jp
NPO法人大ナゴヤ・ユニバーシティ・ネットワーク (担当)大野、小林
〒460-0011 名古屋市中区大須3-42-30 ALA大須ビル201
TEL 052-262-2580 FAX 052-262-6658
info@yattokame.jp
詳細:http://yattokame.jp/
やっとかめ文化祭
なじみのまちの、いつもの景色。
耳を澄ませば、時の彼方から微かな詩が聴こえてきます。
江戸時代、尾張徳川家に育まれてきた狂言をはじめ、
名古屋のまちを賑わしてきた伝統芸能、歴史文化が、現代のストリートへ。
ひそやかに息づく記憶のかけらたちが、
このまちの過去と未来を鮮やかにつなぎます。
さぁ、今年もやってきました、やっとかめ文化祭。
耳を澄ませて、見ておくりゃれ。
路地裏に輝くささやかな物語を。あなたのまちの知られざる素顔を。
いざ、いざ、一期一会の出会いを訪ねて、
まちじゅうが舞台の、「芸どころ・旅どころ・なごや」の祭典へ。
小さな路傍の詩(うた)をさがして、今年も旅が始まります。