FEATURE:やっとかめ文化祭2017|2017年10月28日(土)~11月19日(日)
名古屋のまちじゅうを会場に、名古屋の歴史と文化を楽しむ「やっとかめ文化祭2017」が10月28日(土)〜11月19日(日)まで開催される。
「やっとかめ文化祭」は2012年からスタート。長い歴史の中で育まれてきた名古屋の都市文化を一堂に集めた祭典だ。ストリートでの辻狂言や歌舞伎は街に“芸どころ名古屋”を彷彿とさせる賑わいを生み出す。ユニークなコースが満載のまち歩きのプログラムでは普段は気づかなかった名古屋の魅力を発見できると好評を博している。
5年目を迎え、ますます充実の内容となった「やっとかめ文化祭2017」。その見どころをピックアップしてみよう。
Point 01
まちをステージに
演劇や伝統芸能を堪能。
「ささしまライブ」やKITTE名古屋、そして大須や円頓寺の街角が辻狂言やストリート歌舞伎の舞台となる「芸どころまちなか披露」。中でもストリート歌舞伎で演じられる予定の「ロミオとヂュリエット」に注目。名古屋で多感な時期を過ごした坪内逍遥がシェイクスピアを歌舞伎調に翻訳した演目だ。
市内の6つの高級料亭で、心づくしの料理とおもてなしに舌鼓を打ちながら、艶やかなお座敷芸を楽しむ「お座敷ライブ」。名古屋の名物芸に着物でチャレンジする「しゃちほこチャレンジプロジェクト」といった毎年人気の企画も。
今年の目玉は、大須の七ツ寺共同スタジオでの演劇「人生恋愛双曲線」。
大正から昭和初期にかけて名古屋で活躍し、日本で初めて本格推理小説を書いたといわれ、江戸川乱歩の師匠でもある、小酒井不木。その小酒井作品を演出家の天野天街がコラージュ。名古屋を本拠地に活動するビザール劇団「少年王者舘」が、妖しさ満点“ブキみめ麗しい”世界を創りあげる。
辻狂言|10月28日(土)~11月19日(日)|全8公演
沙翁×逍遙×ストリート歌舞伎「ロミオとヂュリエット」|10月28日(土)〜11月19日(日)|全4公演
お座敷ライブ|10月28日(土)〜11月18日(土)|全6回
しゃちほこチャレンジプロジェクト|11月11日(土)12:00~|名古屋城二之丸広場
演劇「人口恋愛双曲線」|11月2日(木)~11月8日(水)|全10公演|七ツ寺共同スタジオ
Point 02
女性実演家による
珠玉の語り芸。
江戸時代から寄席や芝居小屋が立ち並び、活気にあふれていた大須のまち。今回の「やっとかめ文化祭」では、江戸の昔に思いを馳せ、落語や講談をはじめ当時の町人が愛した”語り”の芸能を体験できる企画が登場。
今も東海地方唯一の演芸場である大須演芸場を舞台に、現役の天台宗の僧でありながら落語家としても活躍中の霧の団姫(つゆのまるこ)さんをはじめ、女性実演家による語り芸が楽しめる。
女流 語りの世界|10月29日(日)15:00~|大須演芸場をはじめ4公演
Point 03
まちを学ぶ。まちを歩く。
まちの小さな物語に会いに行く。
まちを教科書に、ゆかりの場所を学校に「ナゴヤ学」を学ぶ「まちなか寺子屋」。歴史・文化・下能・工芸など29の多彩なプログラムが用意されている。
11月4日(土)10:00~の「名古屋の伝統工芸 名古屋黒紋付染」では名古屋ならではの染の歴史と技術を学ぶとともに、武将の家紋を選んで実際に手ぬぐいを染めるワークショップも体験できる。
また、11月5日(日)13:30~は東区の建中寺に医学博士の高須克也氏と博物学者の荒俣宏氏が登場。「尾張博物学と名古屋の力」をテーマに、東洋医学をもとに尾張でも大きく発展した博物学をベースに、名古屋文化論が縦横無尽に語られる。
まちなか寺子屋(全29プログラム)|10月28日(土)~11月19日(日)|名古屋市内各所
なごや好きのガイドさんとまちを歩く「まち歩きなごや」もぜひ参加したいプログラム。
ガイドさんのなごや愛にあふれた解説で、知られざるまちの姿が発見できる。今年は珍スポットや名人と歩く遊び心あふれる新コースや、「ブラタモリ」に出演したガイドさんから話が聞けるコースも。全45コースから好きなコースを選んで体験してみてほしい。
まち歩きなごや(全45コース)|10月28日(土)~11月19日(日)|名古屋市内各所
「やっとかめ文化祭2017」期間中は連日に渡り、名古屋のあちらこちらでさまざまな企画が開催されている。「ちょっと敷居が高いかも」と感じていた伝統芸能の世界を覗き見たり、いつもは通り過ぎてしまういつものまちをガイドさんとゆっくり歩いてみたり。思い思いの楽しみ方を見つけて、名古屋というまちを舞台とした豊かな歴史文化体験をぜひこの機会に。
2017年10月28日(土)~11月19日(日)
やっとかめ文化祭2017
会場:名古屋市内一円
主催:やっとかめ文化祭実行委員会(名古屋市(文化振興室・観光推進室・歴史まちづくり推進室)、(公財)名古屋市文化振興事業団、(公財)名古屋観光コンベンションビューロー、中日新聞社、名古屋観光ブランド協会、特定非営利法人大ナゴヤ・ユニバーシティ・ネットワーク
問:
やっとかめ文化祭実行委員会事務局 (担当)藤井、伊藤
名古屋市中区三の丸三丁目1番1号 名古屋市観光文化交流局文化歴史まちづくり部文化振興室内
TEL:052-972-3172
MAIL:m.ito.18@city.nagoya.lg.jp
NPO法人大ナゴヤ・ユニバーシティ・ネットワーク (担当)大野、山田
名古屋市中区大須3-42-30 ALA大須ビル201
TEL:052-262-2580
MAIL:info@yattokame.jp
やっとかめ文化祭
江戸時代、尾張徳川家に育まれてきた狂言をはじめ、
人々が愛した芸能や守り継いできた文化の奥深くにも
名もなき路地裏の片隅にも、ひっそりと息づいている小さな記憶。
記憶のかけらたちが口ずさむ、ささやかな詩は、
過去と未来の間をひらく現代のまちかどで、ゆるりゆるりと結ばれて、
このまちの物語を描こうしています。
さぁさぁ、今年もおりゃれ、やっとかめ文化祭。
ここやかしこで、つむぎ、つむがれるのは、時空を越えた物語。
人が、ものが、空間が、このまちを語り出せば、
彩り豊かな風景が、変幻自在に立ち現れます。
まちじゅうで繰り広げられる「芸どころ・旅どころ・なごや」の祭典。
さても、おもしろき物語を語り継ぐために、ともに旅へ、まいろうぞ。