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男女15名ほどが暮らしていたという名古屋市内某所の記録写真展が、東別院・spazio rita/ductにて開催中。

2025.06.23.Mon - 06.29.Sun | spazio rita / duct(愛知|東別院)

 

6月23日(月)〜6月29日(日)までの間、「盛華倫の裏展」と題された写真を中心としたインスタレーションが東別院・spazio rita/ductにて開催中。

同企画は、名古屋市内のとある場所に男女15名ほどが暮らしていたという場所の記録写真展。企画・撮影者は、市内で写真家として活動する若手フォトグラファー・熊谷康成。彼と交流の深い、家具店・opereが企画協力。

会期中は、イベントも開催される予定。追加告知情報は熊谷康成Instagramにて。

 

<以下、作家ステートメント>

子夜というのは昔の暦で深夜12時の事だが。大人の時間と教えられた”夜“の折り返しの深夜12時を”子供の夜”と書いて子夜と呼んでいた人々もいた。彼らが集まってくるのは、子夜を過ぎた頃から。
何日も前からアポをとってくる人、急に来る人、どこに連れて来られたのか分からずにいる人。何か計画があるわけでもなく、パーティがあるわけでもないのに人が集まってきて宴が始まる。
そのまま一定期間暮らし始めた人もいた。
土足と下足の境も曖昧で、いつもカビ臭くそれを誤魔化すかのように煙が焚かれた。風呂の壁はプラ板一枚。鍵も勿論ない。古くて。寒くて。トイレには扉もなかった。冬はダウンを着たまま眠る人。夏は唯一冷房のある一階のテーブルの下で寝ていた住人もいました。人がたくさん集まった日は住人であってもそれぞれ自分の寝床を獲得できるかは駆け引きでした。私ですら仕事帰り家の中がどのような状態かは帰ってからの楽しみでもあり憂鬱でもあった。

そんな場所が名古屋市中区にあり、そこには私を含め15人ほどの人が入れ替わり立ち替わり暮らしていた。

洗濯や掃除のルールもなく、それぞれの心の奥の小さな何かによって秩序はギリギリで保たれる様は社会の枠からは少し外れていたかもしれません。
それでも彼らは、そこで笑い、怒り、愛し、疲れて、眠っていました。
壁に貼られた弁当屋メニュー。元カノとのプリクラ。親からの手紙。風俗の募集ポスター。誕生日のカード。仲間の作品。仲間のイベントフライヤー。
家全体が彼らの日々を記録し、記憶していた。

外から見れば廃墟同然のその家は、ghetto houseで名古屋の一定の界隈では認知されていた。

人の出入りの仕方とその数を見たら、決して家とは考えにくいghetto house。ただそこに確実に暮らしていた人間たちの記憶と記録。

イベント情報

2025年6月23日(月)〜6月29日(日)
盛華倫の裏展
会場:spazio rita/duct
時間:18:00 open(28日・29日は15:00 open)
入場料:投げ銭
https://www.instagram.com/spaziorita/

posted by T.TAKEBE

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