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仕事は辞めずにバックパッカー。名古屋在住アラサーOL海外一人旅日記「香港・マカオ編④澳門皇宮を探す&香港最後の夜」

Text & Photo by Ayaka Torii

仕事は辞めずにバックパッカー。
名古屋在住アラサーOL海外一人旅日記
香港・マカオ編④澳門皇宮を探す&香港最後の夜

4日目 2023年11月25日(土)

私は昨日見つけることができなかった水上カジノ・澳門皇宮を諦めきれずにいた。
というのも、Xで検索をかけてみたところ、なんとこの11月に澳門皇宮を見に行った人の写真の投稿があったからだ。確かにネットで見たあの中国建築が海の上に浮かんでいる。今も存在するなら、マカオにいる間に絶対見たい。今日は午後から香港に戻るので、見るなら午前中が最後のチャンスだ。
Xに投稿された写真とGoogleマップのストリートビューを見比べて、港の近くの市場が入っているビルから見えるかもしれないと推測。喫茶店で朝食をとった後、そのビルに行くことにした。

バスに乗って「南屏雅敘」というお店へ向かう。
昔ながらの雰囲気が残る喫茶店。東南アジアや台湾の食堂にあるような内装のタイル張りが、典型的なアジアの飲食店という風情で良い。入ると2階へ通された。


 

選んだのはたまごサンドとミルクティー。
厚手のたまご焼きの中にハムが入っている。ミルクティーはミルクの風味が濃くて、甘さ控えめで美味しい。
海外にいるのに、地元・名古屋の喫茶店にいるような安心感があった。

マカオ式モーニングの後、澳門皇宮を探すために市場の入ったビルへ向かう。

ひとまず市場の中を物色してみようかなと思い階段を登る途中、ふと網の向こう側に、見覚えのあるシルエットが。

あれはもしかして!?

エレベーターで上階まで行くと、立体駐車場から港一帯が見渡せるようになっていたので早足で港側に駆け寄った。

褪せた色味の中華風の建造物は、中央の看板だけがパキッとした赤色に塗装され、そこには「澳門皇宮」の文字が。
私が探していた水上カジノ・澳門皇宮がそこにあった。

廃墟なのでもっと港の端のほうに佇んでいるものだと思っていたけれど、なぜか船が行き交うような目立つ場所に浮かんでいる。
ようやく見つけることができて嬉しい。昨日見つけられなかった分、リベンジを果たすことができ感動もひとしお。
現役の澳門皇宮も見てみたかったな。きっとすごく豪華で派手で、すぐに見つけることができただろうな…。そんなことを考えながら、しばらく立体駐車場からの景色を眺めていた。

その後は仏具屋を物色し、紙でできたお供えグッズが可愛かったのでお土産に買ったり、深夜特急に登場するスポット「聖ポール天主堂跡」を少しだけ見てホテルに戻った。香港もマカオも仏具屋が多く、旧正月のお祝いに飾るようなザ・中華な派手な見た目の飾りを売っているお店がたくさんあって面白い。

ホテルをチェックアウトして、香港に戻るためフェリー乗り場へ向かった。
行きはそうでもなかったのに、香港行きのフェリーはものすごく揺れが激しく、ジェットコースターに乗った時のお腹がふわっとする感覚が続き、絶叫系全般がダメな私にはかなりきつかった。
午後、フラフラになりながらなんとか香港に到着。ちなみに近くにあったケンタッキーの前を通ったらチキンのいい匂いのおかげで体調は回復した。

今からもう一度香港を散策して、明日の朝のフライトで日本へ帰国する。旅の終わりが近づいていた。

旺角という香港の繁華街へ向かい、宿にチェックイン。

ドライヤーもタオルも無く、設備としてはチョンキンマンションよりも簡素な上に建物が工事中のため日中は騒音が聞こえてきたけれど、もはや立地のいい個室の宿だったらどこでもいいと思えるようになっていた。

宿に荷物を置き、ついに最後の目的地へ。
夕方になって日が暮れかけてきた頃、夜のモンスターマンションを見るためにもう一度太古駅へ向かった。

香港で最も見たかった景色。
ついにラビリンスのMVと同じ光景を見ることができるのだ。

朝訪れたときとは雰囲気がガラリと変わり、あのMVの世界観そのものの姿がそこにはあった。夜になって一層退廃的な雰囲気が増し、一方でポツポツ点る部屋の明かりから人が住んでいることを実感し、ほのかな温かみも感じる。

何年も前からずっと、この光景を見てみたいと思っていた。満島ひかりが踊る様子が楽曲と共に脳内再生される。 MVを初めて見て衝撃を受けた当時の自分に、2023年、ようやくここに来ることができたよと伝えたい。ここから離れるのがあまりにも惜しい。目に焼き付けておきたくて、しばらく立ち止まって上を見上げていた。

コロナが明け、約4年ぶりの海外旅行先に選んだ香港。沢木耕太郎が最初に訪れた国であり、ラビリンスのMVロケ地となった国。
香港・マカオは私にとって特別な思い入れのある土地となった。

香港・マカオ編はこれにて完結。

2024年の森、道、市場にMONDO GROSSOが出演することを、この時の私はまだ知らない。

鳥居 絢香 / Ayaka Torii

1992年生まれ。名古屋在住の会社員。LIVERARYスタッフ。
海外旅行と名古屋のカルチャー、飲食店が好き。
沢木耕太郎と誕生日が同じ。

Instagram: ayaka_10r

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