Youtube
instagram
twitter
facebook
仕事を辞めずにバックパッカー。名古屋在住アラサーOL海外一人旅日記(番外編) 平成生まれのコンデジ片手に友人と行く韓国旅。インディペンデントストア巡り、レコードバーで過ごすソウルの夜。

Text & Photo by Ayaka Torii

仕事を辞めずにバックパッカー。
名古屋在住アラサーOL海外一人旅日記
番外編 平成のコンデジ片手に友人と行く韓国旅。インディペンデントストア巡り、レコードバーで過ごすソウルの夜。

私は韓国が好きで度々ソウルに行っている。
2017年、フォトジェニックという言葉が流行り出した頃、いわゆるインスタ映えするようなカフェに友人と行って写真を撮り(アパレルブランド・STYLE NANDAが手がけるPINK POOL CAFEなど。書いていて若さと懐かしさで胸が締め付けられる)、2019年はトンミョ市場で古着を漁り乙支路(ウルチロ)や漢南洞(ハンナムドン)エリアのカフェに行き、コロナ禍直前の2020年2月にはHYUKOHのソウル公演を見るため1泊2日の弾丸旅行を敢行し、梨泰院(イテウォン)のBLUE SQUAREでライブを見て、帰りに韓国式チャイニーズレストラン・BYCDOL HAPPY FOOD 漢南店で食事しオリジナルグッズのロンTを購入、Cakeshopというクラブでお酒を飲みつつHIPHOPを聴いて夜を過ごした。

PINK POOL CAFEのネオンサイン


乙支路の夜道


トンミョ市場の古着屋


トンミョ市場のガラクタなのか売り物なのかわからない一角


HYUKOHソウル公演の様子


HAPPY FOOD漢南店の外観


食事


白いロンTを購入


Cakeshopのフロア

これ以降はコロナのためしばらく渡韓できていなかったけれど、ステイホーム中は流行りに乗ってNetflixで梨泰院クラスと愛の不時着を見て笑いそして泣き、K-R&Bを流しつつ間接照明を灯すことで1Kの安アパートを無理矢理cozyな雰囲気にして悦に浸り、NewJeansにどハマりして東京ドーム公演でペンライトを振り、村上隆コラボのグッズのために激戦の整理券を勝ち取り無事へリンとミンジのぬいぐるみを購入、ここ数年の年末恒例Spotifyまとめは彼女らの楽曲が上位を独占、大天才敏腕プロデューサー・ミンヒジン、あなたのセンスが大好きですありがとう…と、途中から話が脱線したが、このような形で日常的に何かしら韓国のポップカルチャーに触れていた。

そうこうしているうちにコロナが明け、2023年の夏、POPEYEソウル特集号が発行された。
そろそろ行きたいなと思っていたところに愛読している雑誌から特集が出たので発売日に購入して読み込んだ。目まぐるしいスピードで流行が変わっていくアジア屈指の都市、ソウル。紙面には私の知らない新しいお洒落な個人経営のカフェや雑貨店などが数多く紹介されている一方で、地元民が集う焼肉店や大衆食堂といった老舗ローカル店も掲載されていた。

私はソウルの街がこの数年でどのようにアップデートを遂げたのか見たくなった。丁度友人とソウルに行きたいと話していたので、2024年3月、2人で2泊3日のソウル旅に出た。

オールドデジカメの質感にハマっていたので、今回の旅ではいつも海外に持って行っているコンデジは使わず、実家で発掘された2003年のOLYMPUSで撮影を行った。

2024年3月15日(金)〜17(日)

朝セントレアを出発し、お昼頃仁川空港に到着。
そこから電車でホテルのある明洞まで移動し、荷物を置いてまずは地下鉄で汝矣島漢江(ヨイドハンガン)公園へ向かう。
地下鉄のホームではポカリスエットの自販機をいくつも見かけた。日本と同じデザインでもロゴがハングルになっただけで洗練されたデザインに見える。

汝矣島漢江公園へ到着。

この公園で韓国のインスタントラーメンを食べるというアクティビティが流行っているらしい。
公園の中のセブンイレブンで大量に売っているインスタント麺の中から一つ選びレジへ持っていくと、割り箸と紙でできた容器を渡された。
店の外の機械にセットしてラーメンができるのを待つ。下がIHコンロのようになっており、ボタンを押すと水が出て、しばらくすると沸騰し始めた。

ソウルを流れる川、漢江を見ながら公園で食べるラーメンは美味しかった。日本のコンビニもこの機械を導入してほしい。

その後、買い物をするためにthe hyundai seoul という百貨店へ向かった。
百貨店の近くに来ると、横のホテルに人だかりができているのが見えた。芸能人が来ているのかなと思い近くまで行ってみると、ドジャースのユニフォームを着た人がちらほらいる。この日は丁度大谷翔平が開幕シリーズのためソウルに来ているというのはなんとなく知っていたけど、まさかね、と思い、改めてthe hyundai seoul に向かおうと歩き出したその時、ものすごい歓声が聞こえたのち、停車していた青いバスが動き出した。バスの後ろには「SEOUL SERIES」と書いてある…。
もしかして本当に大谷翔平だったのか…!?
近くにいた若い日本人の女の子たちに誰が来ていたんですか、と聞くと、なんと本当に大谷翔平だったらしく、彼女はホテルからご本人が出てくるところを動画に収めていた。なんということだろう。出国前に母から冗談で大谷翔平に会えるといいね、とLINEが来ていたのだけれど、まさかこんな偶然があるだろうか。
私たちはその女の子からAirdropで動画を貰い、さらにその様子を見ていた韓国人女性の方が女の子に話しかけ、しかも女の子は韓国語が堪能だったのでスムーズに受け答えをしてエアドロで韓国人女性に動画を送り、全員テンションが上がって興奮状態、初対面同士なのにあまりの出来事に一体感が生まれていた。大谷翔平を直接目撃できたわけではないけれどほぼ見たも同然と言っていいだろう。この瞬間が2024年のハイライトと言っても過言ではない。

ミラクルの余韻を感じながら今度こそthe hyundai seoulへ向かった。
ここは新しい百貨店なのだが、地下2階が若い世代向けのフロアになっていて、thisisneverthatやTHE NORTH FACE WHITE LABELなど、センスのいいのアパレルや雑貨店が沢山入っている。


ライフスタイルストア・NICE WEATHER。こちらでロゴトートを購入

the hyundai seoulを出て、地下鉄で合井(ハプチョン)というエリアへ向かった。

まずはTHANKS BOOKSという書店へ。目を引くデザインの書籍が多く、個人が制作したZINEも扱っている。

夜ご飯に向かったのはBYCDOL HAPPY FOOD合井店。以前HYUKOHのライブ帰りに行った韓国式チャイニーズレストランの別店舗だ。
夜でも目を引くような真緑の外観で迷わず辿りつけた。

豚肉を揚げたちょっと辛味のある料理と、卵とトマトの中華炒めをご飯にかけたものを食べた。
ペーパーナプキンのイラストが可愛い。

豚肉の量がかなり多かったので、ここぞとばかりに知っている韓国語を使おうと「ポジャンヘチュセヨ(持ち帰りにしてください)」とスタッフに伝え、残りはホテルへ持り、就寝した。

翌日、起床してまずはトゥクソム漢江公園という公園へ。スケートパークがあり、少年スケーターたちが練習している風景を散歩しつつ眺める。

次に聖水(ソンス)というエリアへ移動した。
ここはもともと町工場の多い土地だったらしいが、可愛い雰囲気のカフェやショップが多い印象で、若い女の子たちが行き交っていた。


この壁のうさぎは…!

BLACKPINKのジェニがコラボしたこともあるデザートブランド・NUDAKEのカフェ

斬新な形のケーキが斬新な方法で並んでいる様子

ギフトショップGASSTATION

ギフトショップGASSTATIONの壁に貼ってあるステッカーたち

印刷工場。新しいお洒落なお店と昔ながらの町工場が混在している

コンビニで買ったパワーパフガールズのいちごアイスモナカ

聖水を散策した後は漢江鎮(ハンガンジン)というエリアへ。こちらは落ち着いた大人の街という印象で、D&DEPARTMENTのソウル店もここに店舗を構えていた。

D&DEPARTMENTソウル店

コスメブランドpesadeにて香水を購入

一度ホテルに戻って休憩し、夜は三角地(サムガクチ)という地下鉄の駅で降りて焼肉を食べに向かう。

ここはポンサンチッという店名で、地元民に人気のある焼肉店らしい。ローカル感満載の外観が堪らない。
たまたま同じ会社の同僚もソウルに来ていたので、集合して4人で焼肉を食べた。薄切りにスライスされた牛のアバラ肉を焼いて食べる。薄くていくらでも食べられてしまいそうな美味しさ。1人旅で海外に来ることが多いけれど、焼肉店のような複数人で行くタイプのお店は1人では入りづらいので、こうして旅先で友達とご飯をシェアして食べられるのがありがたかった。

同僚とはここで別れて、近くにあるバー・acidへ向かった。フルーツが沢山入ったカクテルが名物で、オリジナルのTシャツなども売っているようだったので気になっていたのだ。

acidの外観

しかし、acidは混んでいて満席だったので、acidの2階にあるレコードバーechoに行くことに。扉を開けると、そこにはなんとも素敵な空間が広がっていた。

明るさを絞った、薄暗いけれど暖かみのある空間。暖かさを感じる理由は照明が淡い橙色だからという理由だけではなく、DJブースやレコードラックが木でできているからという要素が大きいような気がした。大きな窓から外の夜景が見えて綺麗だ。窓があるレコードバーやクラブというのは珍しいように思う。
20代くらいの若いスタッフが3人いて、私たちが日本人だとわかると、1人の男性スタッフがびっくりするほど流暢な日本語で案内してくれた。日本語が分かる韓国人の方は多いが、ほぼネイティブレベルのスピーキングに感動した。
お酒を飲みながら、スタッフのDJを楽しむ。DJブースにはアナログターンテーブルのみが設置されており、周りを囲むラックからレコードを取り出して曲を繋いでいく。日本のレコードもいくつかあるようで、民謡クルセイダーズや山下達郎を選曲してくれた。
素晴らしいレコードバーだ。居心地が良すぎる。
取り扱っているレコードは購入も可能で、趣味でDJをやっている友人はレコードを1枚買っていた。
予定外に来ることになったechoだったけれど、今回の旅で最も印象に残ったスポットとなった。またソウルに来ることになったら絶対再訪したい。そう思いながらお店を出たが、残念なことにechoは2024年11月に閉店してしまった。インスタのアカウントは残っており、スタッフのDJイベント参加の告知の情報が流れてくるが、もうあのお店には行けないのかと思うと寂しい。またいつかなんらかの形で復活することを願っている。

その後は梨泰院に行って夜の散策へ。

梨泰院クラスのロケ地。タンバムのあった場所

前回行ったクラブ・Cakeshopも健在

こちらも前回通りかかった記憶のあるクラブ・DIRTY ROSE CLUB

壁の落書き

梨泰院の路地

散策を終えてホテルに戻り就寝した。

最終日。
朝ごはんにBYCDOL HAPPY FOODの豚肉の唐揚げと、韓国に来たら毎回食べているビヨットというヨーグルトを食べ、荷物をまとめてホテルをチェックアウトした。ソウル駅のロッテマートでお土産用のお菓子を爆買いし、ダンキンドーナツで休憩して仁川空港に向かい、日本へ向けて出国した。

朝ごはん

韓国のダンキンドーナツ

コロナ後初の渡韓はPOPEYEを参考にしたということもあり、カルチャーを深掘りしていく旅となった。国内旅行で他県に行った際も基本カルチャースポット巡りをしているので、ソウル旅は海外旅行をしたというよりは、いつもより少しだけ遠くへ足を伸ばして、カルチャー探訪に行ったという感覚だった。

身近な国の一つである韓国。2025年もソウル行きが決まったので、こちらもそのうち記事にできたらと思う。

次回より、2ヶ月間のヨーロッパ旅についての連載がスタート。1カ国目はあの国から。お楽しみに。

 

鳥居 絢香 / Ayaka Torii

1992年生まれ。名古屋在住の会社員。LIVERARYスタッフ。
海外旅行と名古屋のカルチャー、飲食店が好き。
沢木耕太郎と誕生日が同じ。

Instagram: ayaka_10r

RELATED
あなたにオススメする関連記事


PICK UP
特集・ピックアップ記事

LATEST
特集・ニュースの最新記事

RANKING
今読まれている記事

COLUMN
最新の連載コラム記事