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仕事を辞めずにバックパッカー。名古屋在住アラサーOL海外一人旅日記ヨーロッパ編②テクノを聴きに朝からクラブへ。ジョージアの蚤の市を物色、日本人コミュニティスペースUZU Houseで自家製ラーメンを食べる。

Text & Photo by Ayaka Torii

仕事を辞めずにバックパッカー。名古屋在住アラサーOL海外一人旅日記
ヨーロッパ編②テクノを聴きに朝からクラブへ。ジョージアの蚤の市を物色、日本人コミュニティスペースUZU Houseで自家製ラーメンを食べる。

2024年9月7日

日本で旅の計画を立てていた際にジョージアの首都・トビリシには良質なクラブが多いというのを知った。中でもBassianiというクラブが世界的に有名で、トビリシ最大のテクノクラブらしい。Googleマップの口コミを見ると空間、サウンドシステム、ブッキングされるアーティストについて等々あらゆる面で賞賛の声が多い。せっかくトビリシに滞在するならぜひ行ってみたいと思い、Bassianiの近くにホテルを取った。Bassianiはボリス・パイチャゼ・スタジアムというスポーツスタジアムの地下に位置している。

 

Bassianiは撮影禁止なので、内部やその周辺の写真を撮っていない。
前日の夕方に下見に行ってみたところ、スタジアムのグッズを売っているショップの間にいくつかの柵のようなもので塞がれている空間があった。その奥は暗く、どうなっているのかよくわからない。
女性1人旅で海外のクラブに行く、というのははっきり言って怖いし、人におすすめはできない。営業時間を見ると夜中から朝の10時頃までやっていたので、自己責任のもと朝の時間帯に行ってみることにした。

朝7時頃起床。太陽が出てきた頃にホテルを出て、徒歩5分でスタジアムに着いた。
昨日あった柵が取り除かれて人が出入りしている。入り口にバウンサーらしき人が立っていた。
意を決して入り口に向かうと、バウンサーに声を掛けられた。内部の撮影や飲み物の持ち込み禁止など一通りの説明を受けて、料金を支払う。
次に手荷物検査。これがかなり厳重で、カバンの中は勿論、ポーチの中身も開けてチェックされた。怪しいものを絶対に持ち込ませないという強い意思を感じる。
手荷物検査をパスして腕にスタンプを押され、いよいよ内部へ。地下へ続く階段があり、行った先にフロアがあるようだ。地下から音漏れが聞こえてくる。まさにアンダーグラウンド、物理的な意味でも。
地下へ下り暗い廊下を進んでいくと、地上の爽やかな朝とは正反対の光景が広がる。
うっすらスモークが焚かれていて、淡い紫や青の照明が空間を満たしていた。近くに行かないと人の顔を認識できないくらいのぼんやりとした視界の暗さ。BPM高めのハードテクノに合わせてみんな思い思いに踊っている。
私は後ろの方でひっそり様子を眺めたり、DJブースに近づいてDJの手元を見たりしていた。てっきりデータでやっているものかと思っていたけれど、途中背中を向けて箱の中からレコードを漁りターンテーブルにセットしていたので、デジタル・ヴァイナルを組み合わせているようだった。
1時間くらい滞在して、満足したのでフロアを出た。

その後、KHIDIというクラブも朝までやっていたのでタクシーで向かい、少しだけ滞在。こちらもテクノ系で、Bassianiよりも小さなクラブだった。なぜか車じゃないと来れないような場所に建っているので、みんな帰らずに朝までフロアで過ごすか車中泊しているのだろうか。
帰りのタクシーを呼び、ジョージアでの朝のクラブ活動を終えた。

Bassiani、KHIDIのスタンプ

20代前半くらいまでクラブというものに全く縁がなく、怖くて危ない場所だという偏見を持っていた。その後いくつか名古屋のクラブに足を運んでみて、クラブって音楽が好きな人が集まる場所で(勿論それぞれのクラブのカラーによるが)、ライブハウスのような感覚で行っていいんだという認識に変わっていった。それが今では海外で、1人で早朝テクノを聴きに行くようになるとは…。人生は何があるかわからない。

ホテルに戻って少し休み、次はDry Bridge Marketという蚤の市に向かった。

途中、トビリシのテレビ塔が見えた

到着すると、露店がたくさん出ていて、旧ソ連を感じるアンティークグッズがたくさん売られていた。

ソビエト宇宙開発時代に作られたであろうロケットや衛星がモチーフになったピンバッジ、昔の紙幣やコイン、切手、ロシアのレコード、チェス盤、カメラ、レンズ、食器等々、観光客向けのお土産っぽいものあれば地元民が買いそうな日用品まで色んな品物が並んでいた。
私は特にこの宇宙開発がモチーフになったグッズが好みで、延々に眺めていられそうだったが1カ国目なのでお土産の購入をセーブしていた。ピンバッジはロシア語の表記のものが多かった。いつかロシアに行けるようになったら、雑貨巡りの旅がしたい。

蚤の市を見て、休憩がてらダンキンドーナツへ。私は韓国・ソウルのダンキンドーナツに行ってから、このドーナツ店が好きになっていた。可愛い見た目の商品も多いし、いつか日本で復活することを願っている。

カラフルなドーナツが並ぶ


ジョージア文字のロゴが可愛い


ジョージアの国旗がモチーフになっているドーナツ

バスで移動して、至聖三者大聖堂という大きな大聖堂を見物。

その後トビリシの中心部から少し離れ、気になっていたスポットへ。
トビリシにUZU Houseという日本人の方が運営しているコミュニティスペースがある。定期的にラーメンやカレー、天丼などの日本食を提供している日があり、現地人、日本人ほか、各地からの旅人が立ち寄る社交場となっているようだ。ワークショップ、音楽イベントをを行う日もあるらしい。
名古屋でも何かと飲食店のイベントに行くのが好きな私は、UZU Houseに行ってその場にいる人と会話しトビリシの情報を収集しようと思った。SNSが発達しいくらでも情報を得られる昨今でも、有識者から直接聞くおすすめ情報に敵うものはないと思っている。
Googleマップに従って向かうと、経年劣化した建物が並ぶエリアに入っていった。すると、絵が描かれた外壁が現れ、入り口に「open」の看板が。

そこには建物に囲まれたこじんまりとしたスペースがあった。なんだか秘密基地みたいだ。
内部の壁にも絵が描いてあったり、ラーメン屋風の暖簾がかかっている。

 

中に入ると日本人のスタッフの方が案内してくれた。この時、ジョージアに来て初めて日本人の方に会った。ジョージアは日本のパスポートで1年滞在が可能なので、日本人ノマドワーカーが多いと聞いていたがそもそもアジア人っぽい人を街中で見ることがなかった。
今日はラーメンの日ということで、他にUZU Houseに来ていた人たちと会話しつつ、一緒に醤油ラーメンを食べることに。まだ日本を出たばかりだけれど、数日ぶりのラーメンにテンションが上がった。

ラーメンを茹でる窯


醤油ラーメン

優しい口当たりのラーメン。日本の味がジョージアで味わえるなんて。しかも驚くことに麺、スープ、チャーシューを全て手作りしているということで、完全な自家製ラーメンだった。ものすごく手間暇がかかっている…。私はスープまで全て飲み干して器を空にした。
食後は自分で食器を洗い返却し、お代はドネーションシステム。ジョージアの通貨、ラリ紙幣を窯に置いてあった瓶に入れた。
UZU Houseではトビリシ在住の日本人の方が営むベーカリーや居酒屋を教えてもらった。その居酒屋ではDJイベントなども開催されているようで興味が沸いたが、今回はスケジュール的に訪れることができなかったのが悔やまれる。
スタッフの方と森道市場や橋の下音楽祭、Rainbow Disco Clubなどのフェスの話をして、私はUZU Houseを後にした。久しぶりの日本語での会話、誰かと一緒に食事をするという体験により、お腹も心も満たされたのだった。

トビリシ中心部の方向に戻りつつ、周辺の建築物などを見に散策した。

ジョージア国立大学のタワー

Palace of Rituals この建物をネットで見つけた際にどうしても行きたくて、googleマップで苦労して探し出したスポット

ザ ビルトモア ホテル トビリシ トビリシの街並みに突然現れる特徴的な形のビル。目の前で見ても合成かと思うような現実感のなさ

今回は行けなかったが、Mutant Radioというサウンドバーのフライヤー

謎の顔

この謎の顔をトビリシでいくつも見かけた。何を表しているのだろうか

トビリシは見どころが多く、ついつい疲れを忘れて、気になる場所に足が向いてしまうような魅力があった。

次回、トビリシを出て北上、ロシアの国境付近へ。

鳥居 絢香 / Ayaka Torii

1992年生まれ。名古屋在住の会社員。LIVERARYスタッフ。
海外旅行と名古屋のカルチャー、飲食店が好き。
沢木耕太郎と誕生日が同じ。

Instagram: ayaka_10r

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