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FEATURE / 特集記事 Oct 24. 2018 UP
名古屋の港まちを舞台とした、アートと音楽の祭典「アッセンブリッジ・ナゴヤ」。
L PACK.、角銅真実、折坂悠太、山下 残、石若 駿、OBRIGARRD、名港サイファーまで!
まちと共演を果たす、多様なジャンルのアーティストたち。

FEATURE: Assembridge NAGOYA 2018|2018.10.06.Sat - 12.02.Sun | 名古屋港~築地口エリア一帯(愛知|築地口)

 

「Assembridge NAGOYA(アッセンブリッジ・ナゴヤ)」は名古屋の港まちを舞台とする音楽と現代美術の祭典。〈音楽やアートが架け橋となり、まちと人が出会い、つながりが生まれ、新たな文化が育まれていくこと〉を目的とし、2016年から毎年開催されてきた話題のフェスティバルだ。今年も10月6日(土)〜 12月2日(日)まで名古屋港~築地口エリア一帯を会場に、約2ヶ月間開催されている。

〈コンサートホールや美術館ではなく、 いつものまちが会場となり、名古屋の港まちの日常に音楽やアートが溶け込み、創造性溢れる場所から風景が動き出していきます〉と開催概要に書かれている通り、例年まちなかにアートや音楽が存在し、それを生み出すアーティストたちがまちと共存している、よく考えたら不思議な光景がごく自然体で漂う独特の雰囲気を来場者は目の当たりにすることができるはずだ。

これまでこのフェスティバルが、アーティストとまちとともに積み上げてきた時間があったからこそ生まれたであろうコンテンツが数多く見られる。

まちなかの今は使われていない店舗や建物を再活用しているのも同イベントの特徴のひとつ。今年LIVERARYが注目したいのが約20年間空き家だった旧・寿司店を再活用したUCO」と、同じくまちの中で使われなくなった施設「旧・税関寮」。この2会場にて行われる企画が見逃せない内容となっている。

 

FEATURE:

Assembridge NAGOYA 2018

Text & Edit : Takatoshi Takebe  [ LIVERARY /  THISIS(NOT)MAGAZINE ]

 

 


写真手前「ボタンギャラリー」、奥が「UCO」。いずれも古い建物を改装して、このまちに生まれたアートスペース。

 

10月26日(金)〜28日(日)、3日間に渡り開催される「UCO最後の3日間」。

実は年内で取り壊しが決まった「UCO」を会場に開催される、文字通り最後のイベントとなる。この建物を「UCO」として、建築家や大工、一般の参加者らとともに再生した2人組アートユニット・L PACK.と、アーティスト、ミュージシャン、デザイナーなどさまざまな人たちが集い、ライブやワークショップなどが行われる。

 


L PACK. 「UCO」 2016ー (アッセンブリッジ・ナゴヤ2017 撮影|怡土鉄夫)

 

Gofish「UCOの裏庭ライブ」(10月26日(金)19:30〜)、折坂悠太「平成最後のUCOライブ」(10月27日(土)19:30〜20:30)。そして、角銅真実横手ありさとともに「UCO」の声に耳を傾け対話をしながら行う音のパフォーマンス「こんにちはのうしお」(10月28日(日)18:30〜19:30)が開催される(空間構成は山城大督)。話題のミュージシャン、アーティストたちが3夜連続で最後のUCOでライブを行う、贅沢な時間になりそうだ。

 


ceroのライブサポート/楽曲制作への参加ほかさまざまなミュージシャンとの共作〜ソロ作まで多彩な音楽性を発揮している、角銅真実。

Gofish「うお座」

折坂悠太「平成」

 

10月28日(日)は1日を通して「UCO」を堪能できる、最後の最後の日。

朝はL PACK.が港まちでこれまで行ってきた名物企画「たとえば、いつもより早く起きて港街でモーニングを食べてみるとする。」(7:00〜10:00)。昼はデザイナー・川村格夫をClubリーダーに迎え、「UCO」を拠点にZINE(小冊子)を制作する「Chap Books Club」のワークショップ「Chap Books Club vol.03」(14:00–17:00)もあり。いずれも「UCO」で始まった人気企画だが、この場所での開催は今回で最後となる。

 

L PACK.「たとえば、いつもより早く起きて港街でモーニングを食べてみるとする。」

 

「UCO」のこれまでとこれからの展開見据えた展示も。

また、「UCO」からほど近いところにある「港まちポットラックビル」では、「地図」や「風景」をキーワードに、港まちのこれまで、そしてこれからと移り行く様相そのものについて探求するアートの長期プロジェクト『パノラマ庭園 -移ろう地図、侵食する風景-』が展示中。

L PACK.は「UCO」のこれまでの活動に焦点をあてながら、これからどのようにその活動を続けていくかを模索し、記録や変容などその経過を公開している。

L PACK.のほかに、2019年に港まちを舞台にした新作を発表するべく、プロジェクトを展開しているアーティストのこれまでの作品も展示されている。碓井ゆいは「港まちの女性と労働」、山本高之は1988年に実現されなかった「名古屋オリンピック」とそれぞれこのまちにちなんだテーマを掲げ、リサーチと制作を進めている。

 

L PACK. 「“UCO”についての設計——8枚切りのアーカイブ」 2018 (アッセンブリッジ・ナゴヤ2018 港まちポットラックビルでの展示)

 

前述した「UCO最後の3日間」で開催されるライブ企画に続いて、「旧・税関寮」を舞台としたイベントも豪華ラインナップとなっている。


こちらが「旧・税関寮」。(アッセンブリッジ・ナゴヤ2017 撮影|今井正由己)

 

旧・税関寮が異ジャンルのアーティストたちによる表現の場に。

「アッセンブリッジ・ナゴヤ」では、これまでもテニスコーツによるライブや、豊嶋康子、ヒスロムら現代美術のアーティストの作品を展示する空間として、これまでも使用してきた「旧・税関寮」。今年もさまざまなジャンルのアーティストたちが集い、この場所を活かした表現の場となりそうだ。

まず11月9日(金)〜11月11日(日)に、19:00–19:30に上演される、独自の方法論によりダンスの既成概念を覆してきたダンサー・山下 残の代表作である「大行進」(各日19:00–19:30)が上演される(舞台美術はカミイケタクヤ)。山下 残の名古屋での公演は実に14年ぶりとなる。

 

山下 残「せきをしてもひとり」

 

続いて、11月17日(土)には、現在はくるりのライブサポートやレコーディングにも参加し、幅広い活躍をみせるジャズドラマー・石若 駿と、これまで世界150都市以上で公演を行ってきた名古屋拠点の国際的舞踏家・浅井信好による「回遊型ライブセッション」(19:00–21:00)が開催される。どちらもココでしか体験できないコラボレーションに期待が高まる。

 

石若 駿

石若 駿が楽曲参加する「NEW BALANCE × CHARI&CO × BEAMS T」のムービー。

浅井信好

浅井信好がダンサーとして参加する、サカナクション「SORATO」PV。

 

さらに「アッセンブリッジ・ナゴヤ」最終日12月2日(日)には、「港まちブロックパーティー」と銘打たれたクロージングパーティーが開催される。そもそも「ブロックパーティー」とは、「ブロック(街区)」の住民が集まって行う地域の祝いや祭りのこと。

 


OBRIGARRD


GIANT STEPS

 

名古屋拠点のアーティスト・OBRIGARRD、GIANT STEPSらによるライブパフォーマンスやバンド・Qomolangma Tomato石井ナルトによるアコースティックライブ。名古屋在住のドラァグクイーン・Lyra-h.Grail、Peco♥が登場するほか、名古屋・今池の人気居酒屋「大大大」による出店屋台も。

 


石井ナルト


Lyra-h.Grail、Peco♥

呑処・大大大

 

中でも注目したいのは、日本最古のサイファー!?とも称されるほどの歴史を持ち、名古屋港を拠点にこれまで活動を続けてきた「名港サイファー」(サイファー=複数人が輪になってフリースタイルラップを披露する)。名古屋内外のアーティスト〜港まちの人たちまで一堂に会する場となるだろう。

 

「名港サイファー」を長年続けてきたラッパー・K.Leeも出演。

 

今年の「アッセンブリッジ・ナゴヤ」はこれまで以上に、肩肘張らず楽しんで参加できるイベントが増えているように思える。より多くの多様な人と人が組み合わさり、このまちに大きなブリッジが築かれることでまた新たな動きが生まれてくるのではないか、と期待したい。

今回紹介しきれなかった現在開催中の展示、イベント、コンサートも多数あり。「アッセンブリッジ・ナゴヤ」全体スケジュールや予約方法については公式HPをチェックしてみて。

 

イベント情報

2018年10月6日(土)〜12月2日(日)
アッセンブリッジ・ナゴヤ2018
会場:名古屋港~築地口エリア一帯
主催:アッセンブリッジ・ナゴヤ実行委員会
構成団体:名古屋市、港まちづくり協議会、名古屋港管理組合、(公財)名古屋フィルハーモニー交響楽団、(公財)名古屋市文化振興事業団
問:アッセンブリッジ・ナゴヤ実行委員会事務局(名古屋市港区名港1-19-18 3F)
TEL:052-652-2511
http://www.assembridge.nagoya

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