10月12日(土)〜21日(月)、岐阜・多治見のギャラリー/セレクトショップなどが入る複合ビル・新町ビルの1Fにて、名古屋拠点の画家・伊藤潤による個展「現自点」と、併せて服飾作家・奥田早織による個展「CARNIVAL」が同ビル3Fにて同時開催される。
伊藤潤による個展「現自点」では、近年制作を続けている静物シリーズを中心とした新旧作や、パッチシリーズ、さらに多治見市にて制作中の新たな試みとして、陶板を使った新作シリーズも展示予定。
また、奥田早織の個展「carnival」は、欧州で実際に目にした景色や文化、街の人々、手にした布にインスピレーションを得て制作された、“時代に囚われない洋服”がテーマとなっている。アンティーク生地を使用した一点物、パートナーである伊藤潤の絵を施した特別な服も展示される。
両者の視点や創造性を行き来しながら生まれた二人ならではの展示と言えるだろう。
<以下、企画者である地想店主・水野雅文のコメントより抜粋>
新町ビル4階にあるセレクトショップ地想の絵を描いた伊藤潤の個展「現自点」を、当ビル1階にて開催いたします。
「現自点」は、これまで伊藤が開催してきた個展のタイトルです。数年前まで彼の絵の対象は自分自身が主でした。今の自分の思想や技術で表現された絵は現在の自分がどこに在るかという接点となり、自分と他者を結び付けていました。数年前、子供が生まれたこと、そのすぐ後に訪れた父親の死を経て、対象は他者へと広がりました。
伊藤の絵の特徴は分割線です。そのズレが作品に奥行きを持たせます。時間や視点が歪みそこに疑問が生まれます。彼が向き合う静物や生物を通して、鑑賞者が自分自身のものの見方を探る機会になるのではないかと思います。今のあなたは何をどのように見ているのでしょうか。
今回は初めてやきものの作品にも挑んでいます。美濃の土や窯に触れて何が起こるか。自作した陶板がキャンバスになります。是非みなさんにもご一緒に、見届けていただきたいと思います。
新町ビルのある東美濃では、陶器まつりや国際陶磁器フェスティバル、アートプロジェクト「土から生える」が開催されますので、あわせてお楽しみください。