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仕事は辞めずにバックパッカー。名古屋在住アラサーOL海外一人旅日記「香港・マカオ編③モンスターマンション&マカオへの移動」

Text & Photo by Ayaka Torii

 

仕事は辞めずにバックパッカー。
名古屋在住アラサーOL海外一人旅日記
香港・マカオ編③モンスターマンション&マカオへの移動

3日目 2023年11月24日(金)

洗濯物が溜まっていたので5時頃に起き、チョンキンマンション1階のコインランドリーへ向かった。

さすがにほとんどのお店はシャッターが降りていて、日中ほどの騒がしさは無かったけれど、近くのインド系の雑貨店が開いており店員なのかお客さんなのかわからない人たちが店先に座り込んで話していた。早朝なのに店から爆音でインドっぽい音楽が流れている。もはや洗濯機の動作音よりも外から聞こえる音楽の方が大きい。

洗濯が終わるまで近くの海辺を散歩した。

 

軽い散歩から戻って洗濯物を取り出し、部屋に置き、再び外へ。

私は今回の旅で最も行きたかったスポットがある。それは「益昌大廈」(通称:モンスターマンション)と呼ばれる集合住宅だ。
この集合住宅はMONDO GROSSOの楽曲、ラビリンスのMVのロケ地となっている。
夜、満島ひかりが集合住宅の中心で踊ったり、建物1階の商店の中を歩いたりする場面が幻想的で、香港に行くと決めた時にまず頭に浮かんだ場所だった。

MVは夜に撮影されているので暗くなる時間帯に行きたいところだけど、この後行く朝食屋と方向が同じだったのでまずは朝に行ってみることにした。
少し前までは観光客が殺到してしまい、一時期住民以外立ち入り禁止になってしまっていたが、私が訪れた際は規制が解除されていたので見ることができた。

最寄りの太古駅という駅まで地下鉄で30分、出口を出てしばらく歩くとそれらしい建物が見えた。

敷地の中に入ると、MVで見た光景が。

コの字にそびえ立つ古びた高層マンション、赤や緑のビビッドなカラーリング。凹凸があり、おもちゃのブロックをいくつも積み上げたような外観。昨日見た集合住宅も凄かったけれど、おそらくモンスターマンションの方が見た感じ築年数が経っていて、年季の入った建物にしか出せない独特の貫禄があった。見上げると囲まれている感覚を強く感じる。
1階はコインランドリーや床屋が並んでいる一方で、京都にも店舗を置く人気コーヒースタンド、アラビカもあった。アラビカは京都のお店だと思っていたけれど、実は香港発祥らしい。

ラビリンスがリリースされたのは2017年。6年越しの夢が叶って嬉しかった。

モンスターマンションは夜にもう一度再訪しようと決め、次は香港の有名な朝食屋、「蓮香居」へ。
こちらはガイドブックにもよく掲載されていて、観光客も地元のお客さんも来る名店。
(ちなみにこの記事を書いている2024年11月現在、店名が「六安居」に変更となっている)

朝からものすごく賑わっている。昨日行った朝食屋はザ・ローカル店という感じでゆったりした空気が流れていたけど、こちらは全く雰囲気が違う。食器がガチャガチャぶつかる音と人々の話し声が店の中に響き渡り、せいろから出る湯気も相まって熱気に満ちていた。

お店に入っても店員の案内はない。入口でたむろしている不慣れな観光客は私以外にも沢山いたけど、それを捌く余裕がないのか、そもそも捌く気がないのか、自分で席を確保しろと言わんばかりにこちらには一切目もくれず、殺伐とした空気の中、皆忙しそうに動き回っていた。 

席を確保しないと。

混みすぎていて空いている席がなかなか見つからず、椅子取りゲーム状態。食べ終わりそうなお客さんの後ろに近づいて、離席したところに間髪入れず着席した。すると、昨日の朝食屋と同じようにすぐにお茶一式が目の前に置かれた。
円卓で老夫婦と1人で来ているおじさんと相席になった。座ったのはいいけど今度は注文の仕方がわからない。
「用紙を店員に渡して注文するんだよ。」
隣の香港人の方がなんと日本語で話しかけてくれた。彼は日本人向けのガイドをやっているらしく、私は何も喋っていないのに、一発で日本人だと分かったようだった。注文の仕方を教えてもらう。

新幹線の移動販売のような形で、料理がワゴンに乗って運ばれてきた。店員はせいろを開けて客に中身を見せて回る。食べたいと思ったら声をかけ、料理を貰う。注文用紙を渡すとハンコが押された。これを最後の会計の時に伝票として使うらしい。

香港に来てからエビ餃子が大好きになり、ここでも食べる。丸い形の揚げ物は何で出来ているかわからなかったけど、揚げたてで美味しかった。


ショーケースに並ぶ料理

食事を終え店を出て、地下鉄の最寄り駅まで向かった。

歩いている途中で見つけた蟹の看板たち。くるりのあの曲が頭に浮かぶ光景

今からマカオに移動する。お世話になったチョンキンマンションも今日で最後だ。チェックアウトして、マカオ行きの船に乗るためにフェリー乗り場に向かった。

マカオはフェリーに乗って1時間ほどで到着。
バスでホテルの近くまで移動した。

マカオでは「ホテルリスボア」というカジノ併設の昔ながらのホテルを予約した。深夜特急では沢木耕太郎がカジノに熱中した場所として描かれている。

レセプションでチェックインを済ませて部屋に移動。

さっきまでいたチョンキンマンションとのギャップがすごい。
建物自体は古さを感じさせるものの、部屋は綺麗できちんとした装いだった。オリジナルのアメニティもあり、さすがマカオの伝統的なホテル。

少し休んだ後、散策に繰り出した。マカオでもどうしても行ってみたい場所があり、そこを目指して歩く。


マカオ名物エッグタルト


老舗のアイス屋さん

街並みを見つつ、食べ歩きをして目的地へ向かう。

深夜特急で「澳門皇宮」という、水に浮かぶカジノが登場するシーンがある。名前の通り中国の皇宮のような見た目をしていて、それが海の上に浮いている。写真を見たとき、千と千尋の神隠しに出てきそうな出立ちにワクワクした。
現在そのカジノは廃業になっているが、建物自体は現存していて港の近くに浮かんでいるという情報をネットで見つけた。その情報もコロナ前に書かれたものだったので、現在はどうなっているかわからないけれど、不確かな情報を頼りにひとまず港の近くの公園に向かった。

ない。
この公園から見えるとネットに書いてあったけど、それらしいものが見当たらない。
公園の端から端まで歩いてみたけど、夕方で日が落ちかけている時間帯だったのでだんだん暗くなってしまい、今日はもう探すのは難しいなと思ったので、一旦切り上げることにした。
澳門皇宮は無くなってしまったのだろうか。そもそも深夜特急は1970年代の旅の様子を描いた小説だから、澳門皇宮に限らずどの名所が無くなっていても全然おかしくない。

ホテルに戻ると、マカオは完全に夜の街になっていた。いくつもの派手なネオンサインが光っている。

夕食はエビワンタン入りの麺を食べた。完全にエビ餃子にハマってしまっている。

この日の散策は不完全燃焼なまま終了した。とはいえ澳門皇宮を見ずにマカオ旅を終えることはできない。なんとかして見つけ出したい、明日調べ直してもう一度探しに行こう。そう思いながら、綺麗で広いベッドで就寝した。 
果たして澳門皇宮を見つけることはできるのか。次回、香港・マカオ編完結。

鳥居 絢香 / Ayaka Torii

1992年生まれ。名古屋在住の会社員。LIVERARYスタッフ。
海外旅行と名古屋のカルチャー、飲食店が好き。
沢木耕太郎と誕生日が同じ。

Instagram: ayaka_10r

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