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FEATURE / 特集記事 Feb 05. 2017 UP
【SPECIAL REPORT】
ゆったり流れる阿久比ならではの素敵な時間とともに…
〈食〉の大切さを巡った、とある一日。

愛知県知多郡阿久比町

 

#03

無農薬の阿久比米「れんげちゃん」。
手間ひまかけた、おいしさを食卓へ。

Interview with
米農家 阿久比米れんげちゃん研究会会長・知嵜利行さん 

 

温暖な気候と肥沃な土壌、愛知用水の水に恵まれた阿久比は、古くから米どころ。とれる米は、阿久比米と呼ばれて愛されてきた。レンゲ農法で育った阿久比米、「れんげちゃん」は、café re:Liの奥村さんが野外親子料理教室「あぐいっしょクッキングスクール」でつくるカレーライスに使用を決めた米でもある。奥村さんとココカラカフェの吉崎さんは、興味津々で「れんげちゃん」をつくっている米農家の知嵜利行さんを訪ねた。

 


大らかな雰囲気の知嵜利行さん。阿久比の代表的な米ブランド「れんげ米」の発展を目指す「阿久比米れんげちゃん研究会」の会長さんでもある。

 

「秋に稲刈りが終わると(レンゲの)種をまいて、育ってきたら土にすき込む。レンゲは根っこに根粒菌がついて、有機肥料になるからね。」。レンゲは、成長具合を見定めて米の種類に適した分量に調整しないと、肥料過多になって米の質を下げる倒伏をまねく。だから、「れんげちゃん」の田んぼの多くは春になると一面ピンク色に染まるが、米の種類によっては花が咲く前に耕してしまうそうだ。こうして積み重ねられた知識や技術は、阿久比米れんげちゃん研究会で、農家の若き後継ぎに伝えられていく。

 

 

「実家は石川県で米作をやってるんです。稲刈りが終わって寒くなる時期に、また種をまいて育てるなんて、本当に大変」と奥村さん。知嵜さんは「まあね、それに無農薬だでね。害虫には、食べられるだけ米を食べられちゃうね。でも、食べられて黒くなったところは、きっちり精米で取り除くから」と、精米機を見せてくれた。

 


色彩選別ができる特殊な精米機を使うことで、害虫によって黒くなった米は除去される。ちなみにこの機械のお値段はプリウス一台分ほど!

 

温度管理された米倉庫から「れんげちゃん」の玄米を持ってきて、精米して見せてくれる知嵜さん。ゴ〜!という音とともに、透明感ある白米が吐き出され、奥村さんと吉崎さんは歓声をあげる。「今は玄米で食べる人、五分づきで食べる人といろいろだでね。米は精米してから1週間から10日が一番おいしいから、契約しているご家庭から連絡をもらったら、それから精米して直売所へ持って行っとるよ」。

 

 

取材後、精米したての「れんげちゃん」を購入し、大袋に大量の米ぬかをもらった奥村さん。吉崎さんと山分けして、ぬか漬けに使うと大喜び。野外料理教室「あぐいっしょクッキングスクール」では、この「れんげちゃん」が使用される。米の生産者のこだわりと手間暇を生の声で聞くことができた奥村さんは、この貴重な体験を元に当日に臨む。

 

Information:
阿久比米れんげちゃん研究会
約20人の農家が集まり、常に安全でおいしいお米作りを目指して研究を重ねている。平成12年農林水産大臣賞 平成18年日本農業賞受賞。
https://www.renge-chan.com/

 

 

最後に、阿久比体験を終えた奥村さんから感想をいただきました。

−阿久比の人たちと実際にお話されてみてどうでした?

奥村:阿久比は自然いっぱい、のどかで、ゆっくりとした時間を感じました。今回、取材で伺った方々も皆優しくて、すごくフレンドリーにたくさんお話して下さる方ばかりで、阿久比いいなーって素直に感じました。あと、みなさん、地元(阿久比)が好き!って気持ちが伝わってきて、まさに〈帰ってきたくなる町〉なんだな〜と思いました。

−「あぐいっしょクッキングスクール」はどんな内容になりますか?

奥村:今回、使う食材は阿久比づくしです。料理教室を通して、地元の食材の魅力や、料理を作る楽しさに興味を持っていただけたら嬉しいです。あと、何と言っても野外での料理教室。芝の広場に大きなキッチン、テーブルを囲んでごはんを食べる。そんな時間を親子で体験するってすごく楽しい思い出になると思います。空間や空気感もいっしょに楽しんでいただけたらと思います。

 


クッキングスクール当日のメニュー試作品写真。阿久比産の米と野菜を使ったカレー、そして、デザートも阿久比産イチゴを使ったティラミスという組み合わせ。

 

今回、阿久比町の方々と奥村さんの出会いを通して感じたのは、“食”を発信する人たちの思いによって、このまちがこれまで築き上げてきた本来の豊かさはもちろん、そこに新たな風が吹いているということ。変わらぬのどかな町の風景の中に、これまでにないものを受け入れるおおらかさがある。野外親子料理教室「あぐいっしょクッキングスクール」であなたもいっしょに阿久比を体感してみてはいかが?

 

 

3月5日(日)に開催される野外料理教室「あぐいっしょクッキングスクール」は現在参加者を募集中!【締切は2月15日(水)まで】詳細は下記参照。

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イベント情報

2017年3月5日(日)
あぐいっしょクッキングスクール
会場:阿久比スポーツ村芝生広場(愛知県知多郡阿久比町大字卯坂字浅間裏3-2)
時間:9:00〜16:00(9:00〜11:00/11:30〜13:30/14:00〜16:00の3部制)
※いずれか1回まで参加可能 ※希望者多数の時間帯は抽選に
参加条件:5歳〜小学生までの子どもとその保護者
参加人数:1組4人まで ※保護者1人は必ず参加が必要
参加費:500円(1人につき)
持ち物:エプロン・三角巾・お手拭きタオル
定員:48組(各回16組程度)※参加者多数の場合は抽選に
申込期限:2017年2月15日(水)※必着
※食物アレルギーのある方は、事前にお問い合わせを。
詳細:http://www.town.agui.lg.jp/playgarden/

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