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FEATURE / 特集記事 Apr 19. 2021 UP
【PHOTO REPORT】
時代も世代も超え、脈々と続いてきた
陶の祭典「たじみ陶器まつり」を巡って。

多治見市内各所(岐阜|多治見)

 

美濃焼の一大産地である岐阜県多治見市にて、4月10日(土)、4月11日(日)の2日間、第74回たじみ陶器まつりが昨年のコロナによる中止を経て、復活。本町オリベストリート周辺をメイン会場とし、多治見駅周辺、ながせ商店街、銀座商店街、市之倉と、例年よりもエリアを拡大し、各地域が一丸となって開催された。

 

 

天候にも恵まれ、多くの人で賑わったこの祭にLIVERARY編集部も参加。春の心地よい空気の中、まちなかから山間の市之倉エリアまで、各会場を巡ったフォトレポートをここに掲載する。

 

 

PHOTO REPORT:

たじみ陶器まつり

Photo: Tomoya Miura
Text & Edit:Takatoshi Takebe(LIVERARY)

 

 

多治見駅〜駅前広場。

JR多治見駅に着いてすぐの改札前や駅前の広場からすでに祭は始まっていた。大道芸人たちの達人技や、学生らの初々しいストリートダンスなどのステージ企画が行われ、賑やかなお祭りムードに包まれる。

 

 

 

まずは、ながせ商店街へ。

多治見駅からメイン会場のオリベストリートへ向かう道中にあるのがここ「ながせ商店街」。

 

 

「ながせ商店街」エリアでは、駐車場を会場とした「クラフトフェア」が開催されていた。陶器以外にも、木工やアパレル、雑貨、小物などバラエティ豊かな品々が並んでいるのが特徴的だ。

 

 

「ながせ商店街」を歩いていくと古くからこの場所で店を営んできた「玉木酒店」が。こちらの店主・玉木秀典さんは「クラフトフェア」の企画担当者だ。知り合いの若手作家たちに声をかけて始まった通りを使った出店企画が、現在の「クラフトフェア」につながっているという。

 


玉木秀典さん

 

ながせ商店街を後に、橋を渡ってメイン会場の本町オリベストリートを目指す。

 

 

祭の中心、メイン会場へと向かっていくにつれ、だんだんと人が増えてくる。今年のメイン会場は3会場に分けての分散開催となっていたが、それでもなかなかの賑わいだ。

 

受付係を務める地元の高校生たち。

 

今回の祭の旗振り役、株式会社井澤コーポレーション代表取締役の井澤秀哉さんや、祭の実行委員長を務めた光陽陶器株式会社 代表取締役・伊藤威一郎さんの姿も。

 

井澤秀哉さん


伊藤威一郎さん

 

祭の仕掛け人である彼らの熱い思いが語られたインタビュー動画はこちら。

 

 

陶器売り場の横にある陶都創造館では、五平餅の販売や、多治見が舞台となっている“ほんわか青春ろくろアニメ”『やくならマグカップも』の顔はめパネルも。

 

CBCテレビほか、2021年4月2日よりTVアニメ全国放送中。

 

続いて、もう一つのメイン会場・多治見市役所へ。

 

メイン会場の出店者は特価価格のものが多く、それらがまさにこの祭の目玉となり、人で溢れていた。陶器祭というとどちらかと言えばファミリー層や高年齢層に需要がありそうなイベントだが、休日の買い物&散策を楽しむカップルや若者たちが意外にも多く見られたように感じた。出店者やスタッフも若者から年配までさまざまな年代の人々がアットホームな雰囲気の中、楽しそうに参加している姿も印象的だった。

 

ライチタイムは、人気飲食店に行列が!

3月に瑞浪市から移転オープンしたばかりの「タネヲマク」による屋台。この日はカレーだけでなく、バインミーの販売も。

多治見のカルチャースポットであり人気カレー店・cafe NEU!にも長蛇の列が。


cafeNEU!からすぐのところにある川原で遊ぶ子供たちの姿。


多治見に暮らすさまざまな人々を訪ね、まちを巡ったコチラの動画にももちろんこの2店舗は登場している。

 

続いては、ぎんざ商店街エリアへ。

 

新町ビル「山の花」店主・花山和也さんがキュレーションした若手作家を中心とした出店ブースが立ち並ぶ「ぎんざ商店街」エリア。メインエリアとはまた違ったアーティスティックな空気が流れていた。

 

写真右:新町ビル「山の花」店主・花山和也さん。写真左:多治見のお隣、瑞浪市釜戸町を拠点とするクラフトビール 醸造所「カマドブリュワリー 」の岡部青洋さん。

東濃発のクラフトビールとして話題の「カマドブリュワリー」がこの日は新町ビルの店先に特別出店していたり、新町ビルも独自の賑わいを見せる。

 

ビル1Fでは、常滑の作家・大澤哲哉さんの展示も。


2F「山の花」には、常設で多治見を中心に美濃焼作家の作品が並ぶ。


4F「地想」。こちらは焼き物だけでなく、洋服や雑貨小物なども並ぶセレクトショップ。

「地想」店主・水野雅文さん。今回のLIVERARY多治見特集のコーディネーターも務めた人物。

 

最後に、少し離れた市之倉エリアへ。

市之倉エリアには、「市之倉さかづき美術館」「幸兵衛窯」の2会場に分かれそれぞれの場所で陶作家によるトークや実演、蔵出し市などの催しが行われていた。まちなかに比べて、ゆったりとした雰囲気が心地の良い空間が広がる。

 


「市之倉さかづき美術館」前の広場。


飲食業界向けの陶磁器販売をしている株式会社丸モ高木陶器 代表取締役・髙木正治さんもブース出店。


「市之倉さかづき美術館」館内。

市之倉はもともと道が狭く、そのため、お猪口やさかづきなど小さな器が作られる産地となっていったそうだ。


併設されたギャラリー「宙」では、土岐市の作家・村上雄一さんの展示が開催中。


ギャラリー前で、村上さん本人が、その場でお客さんのイメージを形にしていくという制作実演も。


最終目的地、幸兵衛窯・蔵出し市へ。

1804年に開窯されたという「幸兵衛窯」。人間国宝に選出された祖父を持つ、加藤亮太郎さんによるトークや、工房で制作された食器や花器、美しい彩度を持つペルシャンブルー作品の蔵出し即売など、さまざまな催しが行われていた。

 

工房の一部を特別に開放し蔵出し市を開催。


美しいペルシャンブルーの食器類。


こちらは加藤亮太郎さんの作品。織部らしさに原点回帰した作風。


加藤亮太郎さんが実際に使用している穴窯。


穴窯の前で講演を行う、加藤亮太郎さん。

 

多治見駅周辺の大道芸ステージから始まり、ぐるりと街中を歩いていくなかで、クラフトフェア、お値打ちな工業製品〜作家作品までさまざまな器と出会うことができた。現在、この祭はオンラインショッピングサイトをオープン中(https://minoyaki.online/0matsuri/)。

祭の会場となっていた工房や美術館ほか、まちなかのショップはもちろん、いずれも日常的に訪れることができる(多治見の魅力的なお店についてはこちらの記事も読んでみて)。もともと全国から職人が集う日本最大の焼き物産地だからこそ、新しい風を受け入れる器の広さと、たくましいほどの活気に溢れたまち、それが現在の多治見だ。気になるあなたはまずは一度足を運んでみてほしい。

 

イベント情報

2021年4月10日(土)〜4月11日(日)
※終了しました。オンラインで引き続き開催中!
第74回たじみ陶器まつり
会場:
本町オリベストリート周辺「たじみ陶器まつりメイン会場」 
多治見駅周辺「大道芸見本市」
ながせ商店街「でてりゃあ春の手作りクラフトフェア」
銀座商店街「たじみ陶器まつり西通り」
市之倉「陶の里 倉之市」

2021年4月10日(土)9:00〜5月9日(日)23:00
たじみ陶器まつりオンライン
https://minoyaki.online/0matsuri/

主催:たじみ陶器まつり実行委員会・多治見陶磁器卸商業協同組合
問合せ:たじみ陶器まつり実行委員会(多治見陶磁器卸商業協同組合内)TEL0572-25-5588

Instagram:https://instagram.com/tajimi_toukimatsuri?igshid=vg8ugtqrp3g0
Facebookページ:https://m.facebook.com/tajimitoukimatsuri

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