
9月28日(日)、ニューヨーク・アンダーグラウンドシーンの異才、MADTEO が新作を引っ提げ今年も東別院・DUCTに登場。
MADTEOはハウス、テクノ、ヒップホップ、アンビエント、ダブなどの要素を取り込み、その独創的なサウンドは、JOY ORBISON や DJ STOFETT と並び称される唯一無二の存在だ。東京の人気パーティー「K/A/T/O MASSACRE」にも出演しており、ディープなファン層を着実に築いている。
共演には、MADTEOとも交流を重ねてきた仲であり、先日遂に待望の1stアルバムをリリースを発表し、Campanellaをfeat.に迎えた先行配信曲も話題となっているノイズミュージシャン・Sotaro Fujiwaraの他、各々のジャンルに精通しているAlphabet music、Apollo、Sonic Weapon、KOOFMFLが脇を固め、再びその真価を見せつける。
現行音楽シーンの核心を突く一夜になること間違いなし。ぜひお見逃しなく!
MADTEO
親しい間柄では本名のMatteo Ruzzonとして知られるMadteoは、誠実なプロデューサーであると同時に貪欲なDJである。その研ぎ澄まされた音楽性や世界観には、90年代半ばのニューヨーク移住が大きく影響している。要するに、ニューヨークの冷酷な美しさが彼の内面に、さらには彼の創り出す音楽にまでも深く浸透していったのである。残酷なまでにペース・ダウンした、まるで這うような街のスピードがそれをさらに増幅させ、トラックの表層を泳ぐメロディーやヴォイス(多くの場合は彼自身のものである)として奇妙な姿で立ち顕れてくる。そうやって確立された、深く酩酊へと誘う彼の作風は、イタロ・サウンドに繊細かつ過剰な処理を施した作品やThe Bomb Squadのカット・アップで聴けるように、ダブやレゲエへの嗜好によるところが大きく、またその一方で、ラッパーSensationalとの長きに渡るコラボレーションのもと、ニューヨークの異質なヒップ・ホップ遺産に発展的解釈を施した作品もリリースしている。
Joy OrbisonとWill Bankheadが指揮するHinge Fingerのカタログ1番にも抜擢されたMadteoのディスコグラフィーは実に幅広い。Workshop、Latency、Meakusma等のEPや、それらと並行したSex Tags Mania傘下のWania、Sahko Recordings、The Trilogy Tapes、DDS、Honest Jon’s Recordsからの傑作アルバムなど、現時点でもすでに多様なレーベルからリリースを重ねている(カセット・オンリーだったThe Trilogy Tapes発のアルバムは、後にFIT SiegelのEst. 83’ Recordsによってヴァイナル化されている)。
クラブ・プレイを志向する音楽の”へり”で活動するアーティストの中でも、最もリスナーを困惑させる存在のひとりといって間違いないMadteoは、10年以上に及ぶニューヨークでの生活で自身の世界を掘り下げ続けてきた。その荒々しく切り取られた、つんのめるようなサウンドスケープは、エレクトロニック・ミュージックのあらゆる規範にきれいに納まることを拒絶するかのようである。確かに、ここ10年間のSahko Recordings、WaniaやWorkshopといったカルト・レーベルからのリリースによって確固たる信頼を獲得してきた彼だが、それはあくまで表向きの世評に過ぎない。実は彼の最大の魅力は、Soundcloudにアップされた短いトラックやTumblrへの謎めいた投稿、そしていま最も注力している自身のBandcamp上でのみ触れることができる分類不可能なDIY作品に秘められている。
Madteoが自称する$treet Wax DJスタイルは彼のディスコグラフィーに名を連ねるレーベルのラインナップ同様にレンジが広く、世界中のレコード・ショップやスリフト・ストアのバーゲン・コーナーからの掘り出し物で密に構成されている。そのセレクションは明らかにメインストリームの裏側にフォーカスしたもので、B級のリズムボックス・ビートには不釣り合いな熱量を湛えたヴォーカル作品やローファイなアシッド・トラックのような世間一般からは見過ごされてきたレコードが、すべて空間をロックするというただひとつの意図を与えられて彼のロスターに加わってゆく。
以上、ここに述べてきたことを踏まえれば、Ruzzonが決して無視できない存在であることは誰もが素直に認めざるを得ないだろう。