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萩原朔太郎『月に吠える』の装丁で知られる、恩地孝四郎ら創作版画の先駆者の展示が開催。

2015.04.17.Fri - 05.31.Sun | 愛知県美術館(栄)

tsukuhae1 恩地孝四郎《望と怖》1914年頃 木版、紙 個人蔵

大正初期に田中恭吉・藤森静雄・恩地孝四郎らによって刊行された、詩と版画の雑誌『月映(つくはえ)』の刊行100年を記念した展覧会が4月17日から愛知県美術館で開催される。

病に苛まれ文字通り命を刻むようにして木版画の制作を続けた田中恭吉。田中の存在に触発されて美しい友情をかわしながら、生と死についての内省的な作品を生み出した藤森静雄。日本で最も早く抽象表現へと進んだ恩地孝四郎。当時はまだ美術学生であった三人によって作られたこのわずか60ページたらずの雑誌『月映』が、それまで洋画や日本画が主流とされていた日本の美術界において、版画というジャンルを芸術として認知させた創作版画運動の推進につながっていった。また、『月映』をきっかけに萩原朔太郎が第一詩集『月に吠える』の挿画と装丁を田中と恩地に依頼したことや、出版業界の寵児となっていた竹久夢二と彼らの交流などからも、美術だけでなく近代日本の文化において重要な場所に位置づけられる珠玉の作品集と言えるだろう。

今展は『月映』刊行100年を記念し、その内容と意義をあらためて見直そうとするもの。全7号をすべて展示するのはもちろん、田中・藤森・恩地の三人だけが持っていた手刷りによる私家版や、油彩画、ペン画など貴重な関連作品、書簡などの資料も多数展示する。

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田中恭吉 [失題]1914年頃 木版、紙 個人蔵        藤森静雄《夜のピアノ》 1914 年 木版、紙 福岡市美術館

イベント情報

4月17日(金)~ 5月31日(日)
『月映(つくはえ)』展―田中恭吉・藤森静雄・恩地孝四郎 TSUKUHAÉ
会場:愛知県美術館 名古屋市東区東桜1-13-2 愛知芸術文化センター10階
開館時間:10:00-18:00(金曜日は20:00まで)※入館は閉館30分前まで
休館日:月曜(ただし5月4日[月・祝]は開館)、5月7日(木)
観覧料:一般900円 高校・大学生600円 中学生以下無料
問:052-971-5511(代)
http://www-art.aac.pref.aichi.jp/

『月映』展 特設サイト:http://www.tsukuhae.com/

記念講演会「『月映』と萩原朔太郎」
4月25日(土)13:30~15:00 
講師:坪井秀人氏(国際日本文化研究センター教授)

posted by LIVERARY

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