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LIVERARY
FEATURE / 特集記事 Nov 27. 2015 UP
シャムキャッツ・夏目知幸と過ごした、アーバンチルな平日。
名古屋ローカル/カルチャースポットツアーと、節目のワンマンツアーについて。

websubarashiiiiii

 

日常にロックを。

なんていうと、ちょっとかっこ悪い感じもするが、シャムキャッツは、それをロック・ミュージックとして鳴らすことができた(つまりは90年代の日本のロックバンドたちの歴史を、それらに心を奪われたかつてのロックキッズたちも納得がゆく、アップデートを成し遂げた)バンドのひとつなのかもしれない。彼らはこの年末、「素晴らしい日々」と銘打ったワンマンツアーを東名阪で行う。今ツアーは、全日程、平日に開催され、名古屋公演はクラブクアトロにて、12月3日(木)に行われる。

移り変わりの早いと言われる、東京インディーシーンにおいて、シャムキャッツはいつだって、超然としてその輪の中に居続けてきた。やや古参ともいえる、moools~GELLERSらとも、ミツメ~ceroあたりとも、近年頭角を表したYOGEE NEW WAVES、never young beachら若手バンドとも、比べられ、並べられ、でも彼らはいつだって肩を組み、決して誰かに媚を売ることもなく、話題先行型のトピックを撒き散らすなんてこともせず、ただただ曲を書き、ライブを重ね、着実に邁進してきた。

その中心人物であるGt./Vo.夏目知幸が、今回、再びライブラリー誌面に登場。わざわざ取材を受けるために名古屋までやって来た彼に対して、せっかく名古屋まで来たんだから単なるインタビューじゃあもったいない…ということで、名古屋のカルチャースポットを厳選し、紹介するツアーに出ることにした。延べ8時間にも及ぶ取材(といっても移動したり、途中ご飯を食べたり、古着を見たり、コンビニでビールを買って呑んだり…といった時間も含まれる)となった今回、もちろん、ロングインタビューでありつつも、夏目君とともに、なんだかどんより曇り空の名古屋の街中を、夏目君と缶ビール片手にだらだらと歩きながらああだこうだと語り合った、まさにアーバンチルな内容の、とある平日の日常感に満ちた記録でもある。

 

INTERVIEW WITH:

夏目知幸(シャムキャッツ)
TOMOYUKI NATSUME (SIAMESE CATS)

Interview,Text,Photo and Edit : Takatoshi Takebe [THISIS(NOT)MAGAZINE,LIVERARY]

 

 

2015年11月9日月曜日 

12:00

待ち合わせ場所は東山公園駅前のガスト

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夏目:ちわっす!

―とりあえず今日のスケジュールと段取りを説明させてもらいつつ、お店をまわっている間はゆっくり取材ができなさそうなので、まず、最初にガストで…。

夏目:前にインタビューをしてもらった時も、終わってからガストで夕飯を食べましたよね(笑)。

―そうだっけ(笑)。今日は、もうちょっといろいろ名古屋の面白いところ連れて行くので、よろしくです。

夏目:まあ、ガスト最高ですけどね(笑)

―だね。じゃあ、さっそくちょっとワンマンツアーの宣伝をしたいみたいだから、そのあたりの話、ざっくり聞いておきましょうか。

夏目:ざっくり(笑)。

 

東京インディーシーンの世代間の狭間にて

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―シャムキャッツってバンド歴どれくらいだっけ?

2009年にファースト出してるから、長いっちゃあ長いです。6年経ってます。

―今や、東京インディーの中核って言われてますよね?

そうなんですかね?

―いや、なんとなく、お笑いでいうと、ミドルスリー的な感じですよね。

ミドルスリーですね。一昨年あたりに、なぎ食堂の小田さんがふざけて言ってたのが、「どんどん違う人たちが出てくる中、現場で頑張ってる人たちがが、GELLERS、moools、あと、シャムキャッツ」だと。そん中じゃだいぶうちら年下なんですけどね。その下の世代との繋ぎじゃないですか。立ち位置的には。

―上にも下にもどっちにも属している感ありますよね。下の世代はミツメとか、東京インディー三銃士世代?(東京インディー三銃士についてはコチラ

そう。三銃士世代よりはちょい上で、1、2個上なんですよ。

―アラサー?

そうそう。アラサー世代。歳がだいたい一緒で東京のミュージシャンに該当するのは、解散してしまったけど昆虫キッズ、あと、cero、王舟、ビーサン、oonoyuuki…です。そのちょい下が、ミツメ、トリプルファイヤー。そのさらに下が、昨日も一緒にやったnever young beachとかですね。昔から東京のインディーを聴いている人たちからしたら、シャムキャッツ結構息長くやってるな~って思われてる感じだけど、世の中的な、もっともっとマスなところからすれば、まだまだ全然、若手として捉えれてるから、実はラッキーだな~って感じ。

―あ~なるほど。なんとなく、YOGEE NEW WAVESとかの登場ってシャムキャッツ的には強力な下からの突き上げというか、新しい波が出てきた脅威みたいなのを感じたりはしないんですか?一部では、彼らの急激な爆発ぶりを見て、やられた~っていうか、ちょっと嫉妬しちゃって彼らをディスるバンドマンもいるとは思うんですけど…。

世代の下のバンドを卑下するようなことは絶対しないすよ。若い子の持ってる辛さってそいつらにしかわかんないですからね。抱えてきたカルマみたいなのが、世代によって違うから。年上から見たら若い奴はカルマがないように思えるかもしれないけど。まあ、いいとか悪いとか、アルバム一枚きいただけで、ミュージシャンがいうことじゃないって俺は思いますね。大人な俺!

―(笑)。

立川談志の弟子が自分より年下の落語家に嫉妬をした話があって、談志は弟子に対して、「嫉妬は一番よくないからやめろ」って言ったんすよ。弟子に対して「嫉妬ってどういうのかわかるか?」って。「嫉妬ってのは、自分のステージに相手を引きずりおろして物事を語ってるってことと同じなんだよ」って。「確かに、自分より人気がある、評価されてる落語家がいるかもしれないが、そいつを見て、俺の方が努力してるし、俺の方が才能あるし」なんて思うのはよくないって話。「なんで、お前の土俵にそいつを持ってきて語ってんの?それって、ダサいと思わないかい?」っていうわけです。人は、真実しかみてないんですよ。…ってこの話、よくないすか?

―夏目君は一切嫉妬はしないってこと?

嫉妬をするときもありますけどね(笑)。でも、制作にとっては超悪影響なだけ。村上春樹みたいこというと、制作って、「魂の一番深いところ」に降りていく 作業だから、嫉妬は超邪魔なんですよ。もし、嫉妬っていう要素を曲にしないといけないなら、心の底にある嫉妬まで手を伸ばして曲に落としこむことが必要かもしれないけど、そんな曲誰が聞きたい?ってことです。恋愛における嫉妬なら、純愛を語ることになるからいけますけどね。

 

シャムキャッツ然とすること

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―シャムキャッツって、今名前が挙がったバンドたちとは違うよなって思うのは「EASY」とかのあの自主企画に見える「かましてるぜ!」感かなって思います。

かましてますよ。

―ミツメとかceroとかって、自主企画をがーん!ってやる感じじゃないというか。

それは、まあイベントに誘われて出れるんだったら一番いいんだけど、誘われないから自分たちでやるしかない。

―え、誘われないってことないじゃないですか。それは嘘でしょ(笑)。

誘われないことはないですけど…。

―こういうイベントあったらいいな~と思うのがないから、自分たちでやる!みたいな…?

そうです、そうです。あと、東京だと地元だしイベントも多いからコンスタントにライブ活動やれますけど。名古屋とか大阪だと自分たちで組まないと、自分たちのムードを持続しておけないというか。次、来た時に失われちゃったりするんですよ、やっぱり。一年に1、2回だと。だからそういうことも考えて、大阪でも企画やりましたね。大阪は、今年ツーマンシリーズていうのをやって、踊ってばかりの国とかYOGEE NEW WAVES、キセルと3本やりました。あれは大阪限定でやったんです。大阪ですごいイベントたくさんやりましたね。ワンマンもやったし、ツーマン3回やって。大阪に一つ、自分たちのムードを持続的に残しておきたいっていう気持ちで。

―大阪、名古屋って東京と比べるとやっぱノリとかもそうですけど、ライブの反応とかも違うんですか?東京ではめちゃくちゃ人気があっても地方だとやっぱそうすっと受け入れられないって話あると思うんですが。

僕らはないですね。最近は。でも、今風の言葉でいうと、「THUGい感じ」の温度とか手触りって、大阪と東京のTHUGさと違いますよね。名古屋もまた違うし。

―ちなみに、名古屋ってどんな印象ですか?

名古屋の「THUGさ」って何かもうちょっと変な風になっていくというか…。のうしんとう、然り。

―オーディエンス的なことでいうと、名古屋人の県民性なのか、なんか受動的でコール&レスポンスのレスポンスが悪い、シャイなお客さんが多いイメージがあって。それは、単純に音楽好きな人の絶対数が少ないってのもあると思うんですけど、別にそういうのはあんまり感じないですか?

名古屋が全然盛り上がらいことはないけど、いつも思うのは来るときによってお客さんのテンションが毎回違うんですよ。東京とか大阪とか、もっと言えば広島や福岡とかって、何となく属性みたいなのがあって、なんとなくそれを感じることができて、なんとなくこういう風になるだろうなって、想像できて、ほとんどその通りになる。名古屋はやってみないとわからない。その人たちがどういう気分なのか、その日その日で違うのかな~。

―それはお客さんの目が厳しいのか、もしくは総入れ替えされちゃっているのかどっちなんですかね。

ね(笑)。でも、空気に流されやすい人が多いのかも。

―あー、それはある。

例えば、イベントで3組組まれてて、その流れがすごいよければ最終的にめちゃめちゃ盛り上がったりすると思うんですけど、ちぐはぐしてるとちぐはぐの空気のまま、そのままイベントが終わっていくというか。

―それは受動的だからかもしれないですね。でも、それでいうと今回のワンマンとかだと、自分たちしか出ないわけで、1組目、2組目がどうとか、そういうのじゃなくて、どうしようもないじゃないですか。

でも、そこは逆にやりやすいですよ。空気を自分たちで作りやすいですから。なんというか、 いろいろ見れますよっていうイベントだとどうしてもショーケース的な見せ方になってしまうから、 30分でどういいとこを見せるかってなると、味が濃いめの分かりやすい料理以外は出しにくい ですけど、ワンマンだと最初に前菜出して、つぎスープでそのあと肉!とか、、うちの料理はこう やって楽しんでもらうと一番おいしいよって流れを自分たちで作れますから。

―自分たちのライブがなかなか納得のいくものにならなくて、悩んでた時にKD.JAPONでやったときのライブが転機になって、そこから自信がついた…みたいな話は前回してくれてましたね(前回のインタビューはコチラ)。シャムキャッツは、これまでに、KD.JAPON(キャパ100人ほど)、TOKUZO(キャパ200人ほど)とやって、ついにクアトロですね。今回は平日にあえてやる感じですか?

正直、12月ってイベントがどっちみちたくさんあるだろうから、土日にやっても何かと被ってしまって、結局集客の影響とかって変わらないというイメージがあって。だったら平日でいいんじゃない?平日だったら取りやすいし都合いいねって、思いついて取ったて感じです。あと、今年の3月にミニアルバムがでて、ツアーもあって。もう一回くらいツアーしたいねって話があって…。だったら年末クアトロツアーでいいんじゃない?っていう。今年の頭くらいに思いついて、それを実際実行している感じ。

―今回は特にリリースはないけど、ツアータイトルが「素晴らしき日々」ということで、なんでこのタイトルになったんでしょう?

年末に自分たちの今年の総集編みたいなツアーをやろうってことで。最近は、曲のタイトルもイベントのタイトルも簡単な英語にしてみて。「GO」とか「EASY」とか。ちょっとモードも変わってきたんで。新しい曲もできてきて、日本語がいいな~みたいなのもあって、平日だし、営み、日々、毎日、みたいな感じがいいかなということで。ツアーのイメージビジュアルは、僕が作ったんですけど。あのビラ、今までの自分たちの写真をコラージュした感じにしてるんですけど、ツアーのビジュアルが出来た時に「素晴らしい日々」っていうタイトルが一番しっくりきそうだな!って思ったんです。

―ちなみに、ユニコーンの「すばらしい日々」とは関係ないんですか?



 

少しあって、ユニコーンって自分たちがやってるラジオで解散を発表して、最後に「すばらい日々」を演奏して終わったんですよ。それ、めちゃくちゃかっこよくないですか?

―え、やば!まさか、解散?!

しないです(笑)。その「すばらしい日々」って曲の歌詞で、「全てを捨てて、僕は生きてる」っていう歌詞とか好きなんですよ。あと、「僕らは離ればなれ/たまに会っても話題がない/一緒にいたいけれど/とにかく時間が足りない」とか。その歌詞は、自分たちが出した「AHTER HOURS」とかの世界とちょっと重なる部分もあって。

―確かに。

前作の『TAKE CARE』は、<一つの街から出て行く理由を見つけちゃった人たち>がテーマとなった曲を書いたつもりなんで。色んな理由があって、離ればなれになって…っていうイメージがユニコーンの「すばらしい日々」とも重なって。さあ、じゃあ俺たちも、次どうしようかな、と。そういう節目のワンマンツアーでもある。

―東京インディーシーンの盛り上がりを支えたメインファン層ってのが、当時の大学生3、4年生だって話を聞いたことがあって。まさにインディーファンクラブだったその大学生たちが、次第にみんな就職したりして、社会人になって、生活や環境が一変しちゃって、そこで一回インディーへの音楽熱みたいなのが途絶えてしまう。で、そこで客が結構入れ替わったんじゃないか?っていう仮説を聞いたんです。さっき夏目君が言ってた<一つの街から出て行く理由を見つけちゃった人たち>っていうテーマとか、ユニコーンの「すばらしい日々」の歌詞って、なんかその子たちにも当てはまるというか、シンクロするな~って思いました。

それは大いにあるかもしれないし、ミツメとかも感じてるかもしれないけど。俺らそういうのすげえ見続けててきたんですよね。2009年にファースト出して、活動スタートしてるんですけど、当時大学在学中バンドだったんで、イベントやれば大学の友達がたくさん来てくれたし、世の中的な認知度はなくても箱は埋まってたわけですよ。でも、自分たちの大学卒業と同時に、友達も社会人になっちゃて、人が集まらなくなって、ていうところから、その後も常にそういう入れ替わりみたいのはあって。みんないろいろ、仕事とか生活とかの方が忙しかったりするわけで…。でも、自分たちの周りにはそれでも音楽を聴いている人たちが常に集まってくれてると思うから。切り替わったっていう印象は全然なくて、もちろんさっきの話、大学3、4年生がメイン層かもしれないですけど、そこから環境の変化とかあったうえで、ある意味、ろ過されて残った人たちがそのまま見て続けてくれてる感じします。最近知ってくれて聞いてくれている人と、今言ったような 人たちと、いい感じに混ざってるんじゃないかな。だからすこーしずつお客さん増えてるし。

―自分が歳を重ねるに連れ、周りの友達も同じように歳をとっていくわけで、30代に近づいたら自動的に家庭を持ち始めたりとか、それこそ日常生活の方が大事になってくると思うので。友達のバンドとか、ライブハウスとかって行ってる場合じゃないよってなってくる。その状況になってきたら、普通に会社とかに就職した友達とか、自分の大学生時代の友達とどんどん生活とか考え方とか乖離していくことになる…。で、そこで夏目君はどう考えたんでしょう?

離れていくな〜と思うからこそ、聴いてくれる人の裾野をもっと広げていかなければいけないと。

―それってつまり…?

普通に仕事してる人の方が、偉いっていうか、世の為、人の為になってるじゃないですか。当たり前だけど、みんな暇じゃないんですよね、全然。暇じゃないと音楽って聴かないんだな~って最近すごく感じてる。だからこそ、手を 伸ばさなくても僕たちの音楽に手が届くようにならないといけないと思っているんです。大学時代の友達との生活とか考えの乖離はね、しょうがないっていうか、そりゃあ離れていくとは思いますけど、でもそのことで音楽の方から離れていくってことはしたくないというか。

―それは、J−POP化するってことですか?

ではなく。J-POP化するってことは音楽的変化だと捉えると、それはしないです。僕たちは 自分たちのスタンスを変えずに、バンドのストーリーと作品を作っていくことを曲げないっす。例えば、今では子育てをしているお母さんになった中学の時の友達の女の子に、そっと自然と届く ような形を作れないかな?というのを最近は考えてる。それができるはずだと思ってる。

―なるほど。でも、それってどうやってやるんですか?

ね!(笑)やっぱ、宣伝費を掛けるんじゃないですか。制作費と。それにはお金が必要。お 金があるってことはいいことですよね。あと、勉強ですね。音楽の勉強と練習をいっぱいする。 いい曲書かないとですね。そっちのほうが当然重要ですけど。

―それは、そうだよね。でも、そうするとインディーの良さみたいな、DIY感というか、そういうのが欠落していってしまう?とは考えない?

いや、だって、俺たちも目的は<お金がないけど頑張る>が最優先じゃなくて、<やりたい事をやる>が最優先なわけで。だから、そのためにお金がほしいっすよ(笑)。

―なるほど。今より宣伝にお金をかけることができたら、どうするんですか?

今日もまあワンマンツアーのPRを兼ねて、こうやって取材とかしてもらうために名古屋まで来てるわけですけど…。頑張った分だけ成果が返ってくるっていう実感が、ここ一年あるんですよ。人にはちゃんとその頑張りが伝わるんだなと。聴いてほしいって思えば色んなレコ屋まわったり、ワンマンやるってなったら自分で出向いて、必死に頑張る。だから、そのための宣伝費というか、交通費とかそういうのがあれば助かるなって。ただ、そのお金使って、広告をバーンとやるとかでもなく。やれるならやるけど(笑)。

―単純に自分たちが足使って動くときに、自腹なのか、出してもらえるのかのレベルの宣伝費?

もちろんそういうのも必要だし、お 金あったら会社も勝手に動いてくれるんじゃないかな。

―会社が勝手に動くっていうと、なんかそうなったら、それこそ、見えない壁がファンとの間に生まれたりとか、お金がないなりに頑張ったDIY感みたいなインディー感とかが、失われるかもしれないじゃないですか。

それは多分、失われない。だって、今やっているようなことを自分がしなくなるわけじゃない し。

―いや、どうすかね~?

気づいてもらわれないと、聴いてもらえないわけじゃないですか?例えば、LIVERARYとか見てる人は、自分で情報を得ようとしてくれてる人たちだから、俺達のことすでに知っててくれてる人がまずこの記事にたどり着くとは思うけど。こっちは好きな事をやってれば見つけてくれて、気にいってもらえるし。じゃなくて、そうじゃない人たちへの手の差し伸べ方の話っす、これは。世の中には、DIY感なんていらない人もいるんですよ。そういうの感じて、生きていないから。そっちに届けるべきは、自分たちのスタンスとかではなくて、曲をダイレクトに届けたい。それはそれでいい。

―次のステップというか、もう一つ広がりを展開するためには、「広告費をかけるしかないんだ」とかっていう持論って、自分の経験なのか、誰かに言われたのか?どっちなんですか?

「広告費をかけるしかないんだ」って思ってるわけじゃないすけどね!むしろ、いい曲書かないといけないなって思ってますいろんな人に聞いてもらうにはね。なんか、売れてない言い訳みたい に聞こえたら嫌なので言っておきます。もっと多くの人に聞いてもらうための手段てなんかないか なあって考えた時の一つの手段っす。この話広げたいわけじゃないんだけど(笑)。 で、これは経験からですね。

―どついたるねんって毎日新曲をYouTubeにUPしていって、ある種、お金をかけなくても火がつくようなこともできた事例じゃないですか。

でも、僕が今言ってる、届けたいところはYouTubeを見ない人たちです。ネットの外側というか。

―なるほど。ネットを見ない人の方が、本当に音楽を好きなのかもしれない感もありますね。

そう。自分たちのアルバムの曲で、「一人の女の子が、彼氏の帰りを家で待っている」っていうシーンを歌った曲があるんですけど、僕が想定した主人公の女の子ってのは自分たちの音楽を聴いている子ではなくて、西野かなとかEXILEとかを聴いているイメージで描きたかった。いわゆる、普通の女の子を。そういう子たちのことをイメージしたときに、僕たちのことを好きになってくれる可能性はなくはないと思うんです。でも、そこに届ける努力してないのはこっちの方なんじゃないかな、と思えてきた。あっちが僕たちを探してないんだっていう考え方じゃなくて、僕らが向こうから目に付く場所に行けてないんじゃないかな~と。そういう自覚もあって。だから、どうしたらその子たちの目に映る場所にいけるのか考えてます。

―「曲は自分たちが好きなのものしか作らないけどね」ってこと?つまりは、仮にお金がもっと使える状態になったとしても、自分たちのやり方は貫くんだっていう…?

それでも好きになってくれるっていう、理由のない自信があります。

 

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イベント情報

2015年12月3日(木)
シャム
キャッツ 年末ワンマンツアー“素晴らしい日々” supported by jellyfish
会場: 名古屋 CLUB QUATTRO(http://www.club-quattro.com/nagoya)
日時: 開場18:30 / 開演19:30
料金: 前売¥3,000 当日¥3,500(D別) ※前売りチケット購入者特典:LIVE DVD
出演:  シャムキャッツ(ワンマン)
チケット:ON READING、KAKUOZAN LARDER、YES AND CO、TUMBLE WEEDにて発売中。他、チケットぴあ(http://t.pia.jp/)Pコード(277-710)e+(http://eplus.jp/sys/main.jsp) ローソンチケット(http://l-tike.com/)  Lコード(43687)

企画制作:シャムキャッツ/ATFIELD inc.
協力:jellyfish(http://www.jelly-fish.org)
問合せ:ジェイルハウス(052-936-6041)

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シャムキャッツ
4人組のロックバンド、シャムキャッツ。
2009年春、1stアルバム『はしけ』をリリース。その後、自主制作で次々と発表したCD-R作品「DEMO SINGLE SERIES」(全3作)、シングル「渚」と「サマー・ハイ」は全てSOLD OUT。2011年秋、ミニ・アルバム『GUM』をリリース。2012年冬、P-VINE RECORDSより2ndアルバム『たからじま』をリリース。収録曲“SUNNY”がテレビ東京系「モヤモヤさまぁ~ず2」のエンディング曲に起用される。2013年、夏から秋にかけてTurntable Filmsとのスプリット12インチアナログシングルの先行即売全国ツアーを開催。2014年の年明け、店舗限定シングル「MODELS」をリリース、一週間で完売。VJを加えたバンド初のワンマン・ツアー「GO」を東名阪で開催。3月、最新アルバム『AFTER HOURS』をリリースし、渋谷CLUB QUATTRO公演を含む全国ツアーを開催し大成功を収める。また、アルバムの好評を得て「MODELS/LAY DOWN」を7インチ・アナログとしてシングルカット、更には『AFTER HOURS』をLP化。2015年3月4日に『AFTER HOURS』のその後を描いたニューミニアルバム『TAKE CARE』をリリース。全国9箇所のワンマンツアーを開催。10月10日に主催イベント「EASY 2」、年末に名阪クアトロツアー「素晴らしい日々」を開催。

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