2021.06.19.Sat - 07.04.Sun | ON READING(愛知|東山公園)
近年、国内のみならず、海外でも活躍の場を広げている写真家、白石ちえこの写真展『鹿渡り SHIKAWATARI』が、6月19日からON READINGにて開催される。
本作は、2014年から2020年まで毎冬、道東を旅し、野生のエゾシカの群れを撮影してきたシリーズ。この作品で白石は、第37回写真の町東川賞特別作家賞を受賞している。
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冬の北海道、道東。
薄曇った空と雪がぼんやりとあたりを照らし、白くほのかな光りがどこまでも大地を覆っている。
真っ青な晴天の東京から来ると、そこには眠っているような静けさがあり、一気に遠い土地に迷い込んでしまう。
無音に包まれて耳をすます。白い無音の大地では、遠い森の樹々の枝から、ひとかたまりの雪が落ちる音までも聴こえてきそうだった。
真冬の大地を巡るなか、夕暮れの凍った湖をちいさく一列になって渡るエゾシカの群れに遭遇した。
群れを眺めているうち、空と森とシカが一列に連なる自然の摂理を感じ、なにか神聖なものを見てしまったようなおごそかな気持ちになった。
海辺に出ると、渡り鳥が岬の気流にのって飛んで行く。北海道の真ん中を渡るコハクチョウには、そこが数十万年前に海岸線だった記憶が刻まれていて、今も過去の鳥の地図を継承し、渡りを繰り返しているという。
道東では、今まで感じたことのない大きな自然との一体感の中で、弱い光に包まれながら、私とシカと自然が一本の道でつながっていくのだった。
___ 白石ちえこ
2021年6月19日(土)~7月4日(日)
白石ちえこ 写真展『鹿渡り SHIKAWATARI』
会場:ON READING 名古屋市千種区東山通5-19 カメダビル2A
営業時間:12:00~20:00
定休日:火曜日
問:052-789-0855
http://onreading.jp/
白石ちえこ
神奈川県生まれ。これまでにマレーシア、インドネシア、タイ、インド、ネパール、パキスタンなど世界各国を旅し、グルジアでのピロスマニの絵画との出会いなどを経て、2000年代より本格的に写真の世界に入る。主な個展、グループ展に「アマリリス通り」(ギャラリー冬青、東京、2006)、「足利風景– 旅の視線、 地の視線 -」(足利市立美術館、栃木、2010)、「トビリシ・フォト・フェスティバル 2016」(トビリシ、2016)、「サボテンとしっぽ」(リコーイメージングスクエア銀座、東京、2019)、「鹿渡り」(Mind’s eye Gallery、パリ、2019)、「島影」(Kokonton Gallery、ヴェネツィア、2019)など。「街道マガジン」(責任編集 尾仲 浩二)や、美術同人誌 「四月と十月」(編集長 牧野伊三夫)に参加。 これまでに、写真集「サボテンとしっぽ」(冬青社刊)、「島影」(蒼穹舎刊)、「鹿渡り」(蒼穹舎刊)を出版している。
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