_shi_ri_to_ri_ by なるじあき
しりとりと読みます。日頃、糸を使ったり使わなかったりするアーティストの方々に、「糸」を使った作品を制作してもらい、作品タイトルを 「しりとり」でリレーしていくという、ゆるカッコEコーナーです。
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第11回目のゲスト作家は、nakabanさん。
アートブック「straw book」で好きになったのが2002年。初めて展示を観たのは2005年の夏でした。
時間の経過にびっくりですが、今こうして参加して頂けているという事は、良い時間が流れたんですね。
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「く」➡『鯨のランプ』
真夜中の海、色の波。
実体のない鯨のかたち
ノスタルジックな記憶。
子供の工作本に載っていた木枠織り。
いつかやってみたかったんだそう。
たて糸を張って、よこ糸で描く
至る所にゆるみが出るアクシデントも、あえて楽しんでみる。
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nakabanさんに質問でーす!
なるじ:
初めの言葉は「く」ですとお知らせしたその日に、「鯨のランプに決めました!」と返ってきたのには、ほ
んとびっくりしました!
nakaban:
あんまり考えずに第一印象で決めました。それがしりとりの面白さだと思って。
なるじ:
この即決するあたりが、nakabanさんらしいなぁと。感覚で常に動き続けてる感じ。
nakaban:
鯨のランプというと、今は廃れた昔の燃料の鯨油(げいゆ)ランプを連想させられます。油絵具に使われた
という話もあります。そういうものがあった時代(18世紀から20世紀前半)の文化に惹かれます。
なるじ:
作品に流れる遠い異国の記憶のようなノスタルジックな印象は、そういう所からなのかも知れないですね。
過去に糸を使った作品はありますか? それと今回、糸を使ってみていかかでしたか?
nakaban:
トウヤマタケオ楽団の為の、すっごく大きなステッチの旗を作ったことがあったなぁ、それ以外はあんまり
ないかも。子供の工作本に、木枠や段ボールに糸張って織っていくのがありますよね?いつかやってみたい
と思って。
なるじ:
あ、作品見た瞬間、夏休みの宿題工作のような懐かしい気持ちになりました。工作本、私も好きで何冊か持
ってます。
nakaban:
まず紺色の糸を使ってみたくて。なんだかこう、もやもやーっと、真夜中の海、色の波。という感じ。
鯨のかたちはわからないようにしようと決めてました。
たて糸をしっかり張ってなくて、至る所にゆるみが出たけど、アクシデントもありだなと。上手に作っても
面白くないのでそのまま続行しました。時間はかかったけど初めての経験で楽しかった!
なるじ:
まさに夏休みの宿題ですね。
これまで絵に限らず、様々な作品表現をされてますが、その理由、意図は何ですか?
nakaban:
そう思われがちだけど実はそうでもないですよ。今は油絵がメインです。ただ、どんな手法も抵抗ないで
す。音楽家はどんな表現でも自分のものにしていくのに、絵は少し表現の幅が狭いように思います。新しい
ことはどんどんやりたい。
なるじ:
やりたい事がどんどん溢れてて、同じ所にとどまらないイメージなんですが、原動力て何ですか?
nakaban:
これしか出来ないという気持ちが強いです。絵を一枚描くというアクションを起こすことで、何か新しくて
面白いことが起こるのではないかという、根拠の無い期待。
なるじ:
同感です。心のメモに書きとめました。
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音楽との関わりも多いnakabanさん、今後はアニメーションをじっくり作りたいそう。
そこで、制作時によく聴くアルバム3枚を教えて頂きました。
Astor Piazzolla(アストル・ピアソラ)
「La Camorra」(american clavé 1988)、「Roma1972」(milan 1999)、「Suite Troileana」(trova 1991)
ピアソラを聴くと「おまえもっとちゃんとやれ」と背中を押されるような気持ちになるんだそう。
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これまでの糸りとり
第1回「あ」➡『赤い輪っか』成地 亜紀(2013.11.05 UP)
第2回「か」➡『風立ちぬ』遠山 敦(2013.12.01 UP)
第3回「ぬ」➡『ヌクアロファ』TMTM/Tomoe Miyazaki(2013.12.28 UP)
第4回「あ」➡『あたらしい家』松尾ミユキ(2014.2.2 UP)
第5回「え」➡『えびでたいをつる』田口美早紀(2014.3.4 UP)
第6回「る」➡『ルウェンゾリの山男』wassa(2014.4.7 UP)
第7回「こ」➡『コイル』都筑晶絵(2014.4.29 UP)
第8回「る」➡『留守の部屋』Nobue Miyazaki(2014.6.5 UP)
第9回「や」➡『やみよやまねこやすみの国』鈴木 いづみ(2014.7.5 UP)
第10回「に」➡『二期作』塩川 いづみ(2014.8.3 UP)
<PROFILE>
nakaban/画家
タブロー、イラストレーション、映像、ライブなどでの表現活動を行う。
2013年には新潮社の「とんぼの本」のロゴマークを制作。
近年は絵本を数多く発表。主な作品に「よるのむこう」(白泉社)「ネズネズのおえかき」(学研)「ころころオレン
ジのおさんぽ」(イースト・プレス)「うみべのいす」(佼成出版社)など。
http://www.nakaban.com
<お知らせ>
新しいお知らせは、ブログ「der meteor」を要チェック!
http://nakaban.blogspot.jp
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企画/ディレクション:成地 亜紀
題字:遠山 敦
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