Interview by YOSHITAKA KURODA(ON READING)
東山公園のbookshop&gallery ON READINGでは、定期的に様々なアーティスト、クリエイターが展示を開催しています。 このコーナーでは、そんな彼らをインタビュー。搬入中のざっくばらんな会話をお楽しみください。
今回は、ポップでグラフィカルなイラストレーションが若者を中心に人気のイラストレーター/デザイナー、森俊博。モーモールルギャバンをはじめ様々なアートワークを手掛けるほか、精力的に個展を開催。またオリジナルのグッズはヴィレッジ・ヴァンガードを中心に大ヒット中。ますます多忙になる彼の今後は・・・。
_今、おいくつですか?
28歳ですね。
_大学を卒業する前からイラストの仕事などはしてたのですか?
大学のときは、グラフィックデザインを専攻してて、イラストは趣味で描いてました。就職もデザイン事務所にしたので、仕事はデザインが中心で。イラストは、休みの日とか、仕事の合間に時間を見つけて描いてましたね。
_それでは、イラストの仕事はポートフォリオなどをつくって、売り込んでいったという感じですか?
いや、そういう営業みたいなことは全然してなくて。グループ展とか企画展に作品を出してたら、それをきっかけに知ってくれた方がHPを観て仕事をくれたりとか。仕事として初めてもらったのが、モーモールルギャバン(京都出身の3人組JPOPバンド。2011年メジャーデビュー)の仕事で。それも単発じゃなくて、CDジャケットもやるし、グッズもやるし、アー写も描いたりとか、ビジュアルをトータルで手掛けさせてもらえる仕事だったので、それで色々学ばせていただいて。そこから雑誌の仕事などももらえるようになりました。
_現在もデザインの仕事もされてるんですか?
そうですね。もともと就職したデザイン事務所では、企業の仕事とか広告の仕事とか、割とかっちりした仕事をしてました。そういう仕事も楽しくて、グラフィックデザインの基礎も学べたので、フリーになった今も、そういう仕事も受けてますね。
_作品をみてると、デザイン要素が強いというか、1枚の絵の中の構成力がしっかりしてるな~と思って。
絵を描くっていうより、絵をつくるっていうほうが自分にはしっくりきてて。絵を描いたあとに結構作り込んでいくタイプですね。
_1枚の作品をつくる際に、まずそれぞれの素材、モチーフを描いて、それらを組み合わせていくんですか?
そうですね。バラバラに描いて、それをコラージュしてつくる作品が多いですかね。一気に一枚の画用紙に描きあげちゃうパターンもありますけど。
_そのあたりが、森さんの面白いところですよね。イラストレーターの視点とデザイナーの視点がミックスされてるような感じが。
モーモールルギャバンの仕事のときも、どっちもやれたっていうのが結構強みになりましたね。最初はCDジャケットのアートワークの依頼だったんですけど、だんだん歌詞カードとか、ツアーグッズとか、広告、HPなどもやらせてもらえるようになって。それで、やっぱり音楽って広がりがすごくて。モーモールルギャバンの仕事で、本当に多くの人に自分の作品を知ってもらえました。
_最初からメジャーの仕事がくるってのも相当凄いですけどね(笑)絵は、小さいころから描いてたんですか?
昔から描いてたんですけど、大阪芸大はいってみたら、周りのほうが全然上手くて。それでもう無理だ~ってなっちゃって(笑)。ほんとすぐ諦めて。それでもともと理系だったし、システムにのっとって、かっちりやるデザインのほうが向いてるのかなとおもって、それでデザイン学部にはいって。絵は趣味でいいやって(笑)
_そうだったんですね~!好きだったイラストレーターとかアーティストとかっていました?憧れてた人とか。
大友克洋(『AKIRA』『童夢』などで知られる漫画家。国内はもちろん海外での評価も高い。)さんが大好きですね。
_あ~、なるほど~!
漫画が本当に好きで。僕らが小学校のときって、いわゆるジャンプの黄金期で、ドラゴンボールとかスラムダンクとか、ワンピースが始まったり。そこから絵に興味をもったりして、影響はかなり受けていると思います。だからずっと線画を描いてて。
_鳥山明さんとかもコミックの表紙の絵の構成力がとんでもないですもんね。ご自分で漫画描いてみたいとかは思ってるんですか?
いや、漫画は無理ですね…。ストーリーが思い浮かばないんで。誰かが話作ってくれるんならいいですけど。
_キャラクターデザインの仕事とか、すぐにでも来そうですね。最近はオリジナルのグッズもたくさん作られていますよね?
最近は、平面に描いたものを立体に起こすっていうか、そういうことが楽しくて。なのでアパレルつくったり、缶バッジつくったり、色々やってますね。ヴィレッジ・ヴァンガードでもたくさん販売してもらってます。そう言えば、ヴィレッジでの取扱店は愛知県がいちばん多いんですよね~。なので、この名古屋での展示もたくさんの方に見ていただけると嬉しいですね。
_今後の展開とか、今なにか進めているプロジェクトってあるんですか?
今、ちょうど、ある女性ファッション誌に声かけてもらってて、8月末に東京なんですけど、アパレルをテーマにしたコラボレーション展示を予定しています。
_今までの森さんのファン層とは少しちがった感じですよね?
そうなんです。僕も、服を作りだしたのもあって、もう少し上の、20代後半ぐらいの女性の方にも興味を持ってもらいたいってのもあって。なのでちょっと挑戦というか。ファッションをテーマにもう少し落ち着いた、大人っぽい要素を出していければと思ってます。
7月18日(土)~7月26日(日)
森 俊博 個展 “+5″
会場:ON READING 名古屋市千種区東山通5-19 カメダビル2A
営業時間:12:00~20:00
定休日:火曜日
問:052-789-0855
http://onreading.jp/
*7月18日(土)は、トークイベント開催のため通常営業は17時までとなります。
トークイベントの受付は満席のため終了しております。
森 俊博 (motograph)
グラフィックデザイナー・イラストレーター
アナログな線画とグラフィカルな要素を組み合わせ、スタイリッシュでありながら人間味を感じさせる独自の世界観を構築。モーモールルギャバンやGOOD ON THE REELをはじめ様々なデザイン、アートワークを手がける。
www.motograph.net
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